先天性股関節脱臼(せんていせいこかんせつだっきゅう)

先天性股関節脱臼とは、股関節が通常の位置からずれたり外れる病気です。先天性股関節脱臼になるのは、ほとんどが女の子です。なぜか逆子や秋冬生まれに多く見られます。先天性という名前が付いていますが、ほとんどは後天的な病気です。

赤ちゃんの場合は常に足を広げている状態なので脱臼していても気が付かず、痛みでなく事もあまり見られません。その為、家庭では分からずに検診時に発覚することもあります。

先天性股関節脱臼の症状

先天性股関節脱臼症状は、状態によって大きく3つに分けられます。先ず1つ目は、完全に関節が外れている場合を「完全脱臼(かんぜんだっきゅう)」と呼びます。2つ目はまだ完全には外れていなくて、外れかかっている不安定な状態は「亜脱臼(あだっきゅう)」と呼びます。

3つ目は外れてはいないが、足の付け根の股関節を形成する丸い臼蓋(きゅうがい)の形が悪い状態を「股関節臼蓋形成不全(こかんせつきゅうがいけいせいふぜん)」と呼びます。股関節臼蓋形成不全に限っては、通常の脱臼とは違って長期の治療や症状緩和を目的とした診察が必要です。

目で見て判断できる症状は以下の通りです。
・両足をそろえると、左右の太もものしわの数が違う。
・仰向けに寝かせて膝を曲げると、膝がしらの高さが左右で非対称。
・おむつ替えで股関節を曲げて足を開いたり閉じると「コリッ」と関節音がします。

・成長につれて足の長さが左右非対称になるので歩き方が不安定に。びっこをひいたり、体を左右に揺らしたり、バランスをとる為におしりが突き出た体勢になります。

・歩きはじめる行為が遅く、歩きはじめに症状の出ている足を引きずるような歩き方をする。この歩き方は跛行(はこう)と呼びます。脱臼している方の足は歩きにくい状態が続きます。

赤ちゃんのうちは痛みを訴えるよりも、左右のバランスの悪さから動きに支障が目立ちます。改善されずに成長すると痛みが生じ、直立姿勢のバランスの悪さがコンプレックスになることもあります。

先天性股関節脱臼の原因

赤ちゃんは体も骨も未発達です。そんな時に外部から強い力が加えられると股関節がずれたり外れてしまいます。先天性股関節脱臼の原因は他にもいくつか挙げられます。出産前の羊水の少なさや、逆子、子宮筋腫などが原因の1つとも言われています。

出生後は、最初から臼蓋(きゅうがい)が浅い、おむつや衣服が小さくて股周りが窮屈、横抱きなどが原因に挙げられています。誤った知識から、赤ちゃんの両足を伸ばして固定してしまうことも脱臼の発端になります。

先天性股関節脱臼の治療

先天性股関節脱臼を発見したら早く治療を進めます。成長とともに症状が目立ち始めて本人が気にしてしまうので、赤ちゃんの頃に発症したらすぐに診察を受けて、適切な治療を指導してもらいます。たいていは生後3ヶ月頃からリーメンビューゲルと呼ばれる器具を装着します。亜脱臼はこの装置での治癒率がかなり高いと言われています。

リーメンビューゲルによる自然治癒が認められない場合は、もう少し大きくなってから全身麻酔でのルドルフ法などの整復手術を行います。

リーメンビューゲルでの治療

リーメンビューゲルは生後6ヶ月前後までに、脱臼を直す目的で装着する器具です。生地は体を支える為、厚めです。肌に当たる内側はフェルト、表面はナイロンで、全てマジックテープで留め外しができる仕組みです。

先ずは縦ひもを肩からかかとに向かって縦に一周します。その縦ひもに沿って、今度は横ひもをお腹、膝、ふくらはぎ、足の甲に沿って横に一周して固定します。装着していくと非対称だった股のしわもなくなり、左右対称のバランスを保てるようになります。赤ちゃんは、この治療で脱臼が治癒する確率が高いので、広く使用されています。

治癒したかどうかはエコーで確認します。しかし長期にわたる装着では太もも付け根の骨に負担をかけすぎる可能性が高くなるので、こまめな診察が必要です。装着中は抱っこは控えて寝かして、赤ちゃん自身で足を動かせる環境を作ります。装着は専門の人が来て装着してくれますが、家庭での着替えやお風呂の際は親が装着してあげます。

先天性股関節脱臼の予防

先天性股関節脱臼の予防は抱く時はおしりの下から股に片手を当てて、赤ちゃんの足を無理に伸ばさないようにあそばせてあげましょう。赤ちゃんはM字に足を開く体勢が楽なので、閉じると関節に変な力が加わりやすいのです。

おむつや衣服は小さすぎたり、股がきついと動きを妨げるので、適度に伸縮できるサイズを選ぶと安心です。特に紙おむつは股にあたる素材が柔らかいものを選びましょう。



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