生ワクチンと不活性化ワクチン

予防接種のワクチンは3種類

予防接種のワクチンは、大きく分けて3種類あります。生ワクチン(なまわくちん)と不活性化ワクチン(ふかっせいかわくちん)、トキソイドです。

赤ちゃんの予防接種では生ワクチンと不活性化ワクチンを多く見かけます。それぞれの特徴と副反応について紹介します。ワクチンのことをもっと知って、安心して赤ちゃんの予防接種に行きましょう。

生ワクチンと不活性化ワクチンの違いは?

生ワクチンと不活性化ワクチンの違い

生ワクチンも不活性化ワクチンも、それぞれの長所があります。生ワクチンと不活性化ワクチンは、ワクチンに必要な抗体を作るためにウイルスをどう使用するかが違います。

生ワクチンも不活性化ワクチンも、予防したい病気のウイルスを使うことに変わりはありませんが、製造過程はまったく異なります。

ただし生ワクチンは、不活性化ワクチンよりもウイルスの影響を受けやすいワクチンです。生ワクチンは病気の原因となるウイルスや細菌が体内で増殖します。でも不活性化ワクチンは増殖しません。

そのため、体内でウイルスが増殖できる生ワクチンは、副作用が心配だという声も多くあります。ただし、これは病気にかかった時と同じ抗体を作るために増殖させていて、本当にウイルスや細菌に感染した時の増殖とは別物です。

逆に生ワクチンが、不活性化ワクチンよりも便利なところは、ワクチン接種が1回など少ない回数で効果が期待できるところです。

不活性化ワクチンは、細菌やウイルスを化学処理や紫外線で処理しているのでウイルスや細菌の力が弱くなっています。多くの不活性化ワクチンでの予防接種では、複数回の接種が必要です。

生ワクチンの特徴

生ワクチンは、別名を「生菌わくちん(せいきんわくちん)」と呼びます。

生ワクチンを使用している予防接種は、BCG・麻疹・風疹・おたふくかぜ・みずぼうそう等です。ポリオも生ワクチンの経口接種でしたが、2012年9月より不活性化ワクチンが導入され始めました。

生ワクチンは、ウイルスや病原体となる細菌を殺菌せずに培養して、毒性を弱めた状態で作られるワクチンです。つまり生ワクチンには脅威はないものの、まだウイルスや細菌が存在するということです。

生ワクチンを使用した予防接種は、毒性の非常に弱いウイルスや細菌が体内に侵入します。赤ちゃんの体は、その病気にかかった時と同じような抗体を作ることができます。

生ワクチンは毒性は弱めてあるものの、まだ生きているウイルスや細菌が体内に入るので、わずかながらも感染時のように体内でウイルスや細菌が増殖することになります。いくら毒性が弱めてあるといっても、ここが保護者にとって心配なところです。

でも、生ワクチンは体内で増殖して、病気にかかった時に近い状況を作り出すので免疫が作られやすい長所があります。作られた免疫の持続期間も長いので、何度も接種する

生ワクチンだからと言って敬遠する必要はありませんが、上記の理由から、予防接種後は副作用、副反応がないか様子を見てください。

不活性化ワクチンの特徴

不活性化ワクチンは、別名を「死ワクチン(しわくちん)」と呼びます。不活性化ワクチンが「死ワクチン」と呼ばれる由来は、効果がないわけではありません。ワクチンを生成する時に、その病気の原因になる細菌やウイルスを1度殺すので「死ワクチン」と別名がつきました。

不活性化ワクチンを使用している予防接種は、ジフテリア・百日せき・破傷風・日本脳炎・ヒブワクチン・子宮頸がん・ポリオ(※)等です。

不活性化ワクチンは、ウイルスや病原体となる細菌を殺菌して毒性をなくしたうえに、免疫をつくるために必要な成分だけを取り出して作られています。

そのためワクチン内のウイルスや細菌は、体内で増殖することができません。これは保護者にとっては、ちょっと安心できるポイントです。

でも、その反面、免疫の持続時間は生ワクチンと比べると短いのが難点です。長期にわたって予防し続けたい場合は、一定の間隔で接種し続ける必要があります。

(※)2012年9月にポリオワクチンが不活性化ワクチンに移行して、今後は三種混合ワクチンにポリオを追加して、四種混合に移行する流れがあります。

安心なのはどっち?

生ワクチンと不活性化ワクチンで、より安心なワクチンはどちらなのでしょうか?上記の特徴からメリット、デメリットをまとめて比べてみましょう。

生ワクチンを使用した予防注射のメリットは、ワクチンの効果が長く持続できることです。せっかく赤ちゃんの体にワクチンを入れるならば、効果は長続きした方が良いに決まっています。

生ワクチンのデメリットは、病原体の細菌やウイルスが生きている状態で注射することに関連しています。毒性はないけれど、体内で増殖して、病気にかかった時と同じような症状が出る可能性があり、副反応が現れやすいところです。

不活性化ワクチンのメリットは、病原体となるウイルスを殺菌して必要な成分だけを取り出すので、体内で増殖しないぶん効果が薄くなるところです。ただウイルスが体内で影響を与える可能性が低いので、副反応は少ないほうです。

赤ちゃんにとって、効果の高さや持続が求められる半面、体力の少ない赤ちゃんへの副反応の負担は心配なところです。

生ワクチンも不活性化ワクチンも、メリット・デメリットを探すと、安心と心配が背中合わせの状態です。でも、こうしてメリット・デメリットを知っていれば赤ちゃんの予防接種後の様子をしっかり見てあげることができます。副反応の可能性を知っていれば対応もできます。

また、それ以上に共通した予防接種のメリットは、どちらのワクチンを使用しても、病気に感染した時の症状や後遺症を防ぐ確率がかなり高くなるということです。