予防接種のなかには、生ワクチンといって、あえて毒性を弱めた状態のウイルスを体に入れて抗体力をつけるワクチンもあります。
2020/12/24
予防接種は、重症化しやすい病気や、治療が困難な病気を未然に予防する目的があります。でも、予防接種をしたから全ての病気にかからないと確定するわけでもありません。
予防接種のなかには、生ワクチンといって、あえて毒性を弱めた状態のウイルスを体に入れて抗体力をつけるワクチンもあります。毒性が弱いといってもウイルスを体内に侵入させるので、副作用がおこることもあります。副作用と隣り合わせの生ワクチンを心配する保護者もいるようです。
本当に予防接種は必要なのでしょうか?予防接種がどうして推進されているのか、わかりやすく説明します。
予防接種に挙げられている病気やウイルスは、乳幼児が感染・発症すると極めて危険な状態に陥りやすかったり、後遺症が心配される病気がほとんどです。
特に赤ちゃんは病気になると体力の低下や、ウイルスへの抵抗力が足りないため、病気をきっかけに全身が弱ってしまいがちです。
その結果、赤ちゃんは治療が長引いてしまい、発育に悪影響を押予防すことも心配です。このような重篤化を減らす為にも、予防接種は勧められています。
重病化して赤ちゃんの体力を急激に失わせると、大人よりも死亡確率が高くなってしまいます。さらに赤ちゃんには、処方できる薬も限られているので治療も体力との兼ね合いで進めなければいけません。
赤ちゃん自身の負担や大きなリスクを考えると、予防対策を考えてあげるべきです。例え、結果的には感染や病気症状が出なかったとしても、治療が長期化しやすい赤ちゃんの病気の予防対策は大切です。
予防接種の目的の1つに、国内や地域での大流行を防ぐことが挙げられます。わかりやすい例では、秋から冬にかけてインフルエンザの予防接種が増える状況を想像してください。
インフルエンザは、高熱による筋肉痛や脱水症状が見られます。悪化するとインフルエンザ脳症にかかる可能性もあり、体力の落ちている乳幼児や高齢者は命に関わるケースもあります。
更には、感染力が強く、冬の乾燥した空気は感染しやすい状況を作るので、地域や保育園、会社全体での予防接種や手洗いうがいが功をなします。
乳幼児のうちに接種する予防接種も同じです。今、ほとんど国内で見かけることのない病気を予防することは無意味に見えるかもしれませんが、いつ海外からウイルスが持ち帰られたり、感染者が出るかも予測できません。
病気が流行しているから予防接種を考えるのではありません。病気が流行する前に、皆で感染を防ぐことが大切です。
予防接種によって病気を回避することで、後遺症の心配を減らすことができます。例えば、ポリオはウイルスが腸管から脊髄(せきずい)に侵入すると、手足の麻痺が見られます。
手足の麻痺はリハビリが必要とされる治療が多く、多少なりとも後遺症が残るケースが多くあります。予防接種で後遺症の残る可能性がある病気を予防できるのなら、なるべく予防してあげたいものです。
予防接種のメリット・デメリットを、噂や評判だけで判断することはお勧めできません。保護者が自分で、予防接種についての知識を高める必要があります。
赤ちゃんにとっては、一生の健康を左右するものです。解らないことは噂話に頼らず、小児科や専門医に問い合わせましょう。
もしも予防接種を受けなかった場合、その病気やウイルスに感染した時の対処法も考えてください。ただ「危険だと聞いたから」だけで予防接種を受けずに、実際に病気にかかったった時に右往左往したら意味がありません。
本当に予防接種を拒否する時は、なぜ拒否したいのか、万が一病気になった時はどのように治療を進めるのかを考えてください。
ここで確認したいのが任意接種です。任意接種は保護者の判断が極めて大きく、「任意」という言葉を勘違いする保護者もいるようです。任意接種はけっして「受けなくても良い程度の病気」ととらえないでください。
任意接種は国が法廷で定めた予防接種では無いだけで、病気にかかったりウイルスに感染すると重篤化しやすい病気に変わりはありません。
でも、任意接種の場合は「国が補償や接種費用を負担しません」と言っています。単に国のサポートが薄いことが、保護者のデメリットになっているだけで、予防接種に組み込まれているということは重篤化や後遺症の危険があるということです。
一般的に推奨されている接種時期やスケジュールから外れてしまっても、予防接種が受けられない訳ではありません。小児科や医師に相談して改めて予防接種スケジュールを考えることができるので、受けそびれても諦めないでください。