トキソイドワクチンとは

トキソイドワクチンとは、病気の原因となる細菌が生産する毒素を取り出して、免疫は残した状態のワクチンです。トキソイドワクチンを生成するためには、毒素をホルマリンなどで処理します。

トキソイドは別名を「類毒素(るいどくそ)」と呼びます。日本ではジフテリアや破傷風(はしょうふう)の予防接種に適用されています。トキソイドについて、赤ちゃんに関連している予防接種と一緒に説明します。

トキソイドワクチンと不活性化ワクチンの違い

トキソイドワクチンとはトキソイドワクチンは毒素が不活化するため、不活性化ワクチン(ふかっせいかわくちん)と一緒だと思われがちですが、ちょっと違います。

トキソイドワクチンは毒素を取りのぞいて、無毒化します。免疫反応をひきおこす抗原性(こうげんせい)は残します。病気に対する抵抗力をつけるのではなく、その毒素に対する抗体をつくる働きがあります。細菌に感染した場合、細菌のもつ毒素に対抗します。

一方、不活性化ワクチンは、病気の原因となる細菌やウイルスを殺してから抵抗力をつけるために必要な成分で作り直したワクチンです。

不活性化ワクチンは、体内で細菌やウイルスが増殖せずに、病気の原因となる細菌やウイルスの免疫が作られます。細菌に感染することを防ぎます。

ちょっと難しい話ですが、大きくわけるとトキソイドワクチンは細菌の出す毒素に対して有効、不活性化ワクチンは細菌やウイルスに有効です。

どちらも細菌やウイルス感染の病気から、体を守ってくれることに違いはありませんが、体を守るために戦う相手が少し違うというわけです。

トキソイドワクチンで予防する病気

破傷風

赤ちゃんに身近なトキソイドワクチンを使った予防接種は、破傷風(はしょうふう)とジフテリアの予防接種です。破傷風がトキソイドワクチンを接種する必要があるほどの病気なのか、簡単に説明します。

破傷風は嫌気性菌(けんきせいきん)の破傷風菌(はしょうふうきん)が作りだす毒素の一種が神経毒素となって、舌のもつれ・顔の歪みが現れます。進行して開口障害・けいれん・歩行障害・発言障害までひき起こします。

破傷風菌の毒素は、肌にできた傷口から侵入して細菌を増殖させます。増殖した細菌は、それぞれ毒素を放出して神経麻痺を起してしまいます。

破傷風の細菌は神経に到達すると治療が困難です。とにかく早期治療が必要ですが、ちょっと傷口から侵入された場合は、傷が軽度だからと放置しがちです。そこでケアが遅れることが心配です。

致死率も高く、治療できても神経系統に後遺症が残るケースもあります。予防するには三種混合の予防接種で、体内に抗体を作っておくことが効果的です。

破傷風菌が存在するのは土壌なので、特にガーデニングやアウトドア好きの人は要注意です。海外に行く時は、家族全員がチェックしたい予防接種です。

赤ちゃんに関しては、新生児はへその緒を切る時の不衛生なケアが原因で破傷風になるケースが目立ちます。

破傷風で死亡する人数は、大人よりも赤ちゃんの方がはるかに多いので、赤ちゃんは三種混合でトキソイドワクチンの予防接種を忘れずに受けてください。

ジフテリア

ジフテリアは、ジフテリア菌という病原体および、菌から生産されるジフテリア毒素に感染することで発症する、法定の伝染病です。空気が乾燥してウイルスが停滞しやすい冬に流行します。

ジフテリア菌は、のどに侵入するので症状では、のどの痛みがあります。他にも高熱、犬がほえるような咳、嘔吐が見られます。

ジフテリア菌の恐ろしいところは毒素が増殖すると、心臓や神経の筋肉に侵食して心筋梗塞(しんきんこうそく)やけいれん、呼吸異常、昏睡状態をひき起こして死に至らしめるところです。

ジフテリアは小学校低学年までの子どもに多く感染します。飛沫感染なので、子どもが多く集まる場所では注意が必要です。赤ちゃんのうちに皆で三種混合予防接種を受け、伝染を防ぐことが大切です。

今では法定の予防接種として赤ちゃんのうちにジフテリアの予防をすることが定着していますが、逆に予防接種の確立によってジフテリア患者を診断したことのない医師も沢山いるそうです。

そう聞くと、もう過去の病気のように思われますが、海外からジフテリア菌が持ちこまれることも考えられるので、今後も予防接種は必要です。

トキソイドワクチンの副反応

トキソイドワクチンによる副反応は、以下が多く報告されています。

・発熱。
・悪寒。
・頭痛。
・局所の腫れ。
・疲労、倦怠感。

多くは一時的な反応で、1~2日様子をみて落ち着きます。症状が心配な時は、予防接種をした病院やかかりつけ医に相談してください。赤ちゃんの場合は、予防接種の記録をしている母子手帳も診断に持っていきます。

トキソイドという言葉自体、あまりなじみの無い言葉です。「ワクチンだから凄いのだろう」というような予測は不要です。ワクチンは、大切な子どもの体に入るものなので、副反応の心配もママが納得できるまで、疑問は提示しましょう。