乳児ボツリヌス症と蜂蜜

生後6ヶ月の赤ちゃんが、蜂蜜のはいった離乳食を食べて乳児ボツリヌス症で死亡しました。赤ちゃんへの蜂蜜の与えかたのルールと、乳児ボツリヌス症についてわかりやすく説明します。

生後6ヶ月赤ちゃんが乳児ボツリヌス症に

生後6ヶ月の男の子の赤ちゃんが、離乳食に混ぜた蜂蜜(はちみつ)を食べたことから乳児ボツリヌス症を発症しました。赤ちゃんは蜂蜜だけを舐めたのではなく、離乳食として与える飲みものに蜂蜜を混ぜて飲食していたそうです。(参考1)

赤ちゃんは発症する1ヶ月ほど前から、離乳食として蜂蜜を混ぜた飲みものを与えられていました。蜂蜜の摂取から1ヶ月ほどして、神経症状が出たことから医療機関が保健所に症状と蜂蜜を食べたことを報告したそうです。

その後、赤ちゃんに与えていた蜂蜜からボツリヌス菌が見つかりました。統計を取り始めてからボツリヌス症で赤ちゃんが死亡する例は、今回が初めてだそうです。

ボツリヌス菌の特徴

ボツリヌス菌は食中毒をひきおこす菌の一種です。長時間の加熱や、消毒にも抵抗するので発生したら完全に取り除くことが難しい菌です。

ボツリヌス菌が蜂蜜に混入しやすいのは、ボツリヌス菌が酸素を嫌うから瓶入りや真空パックの食品を好むことにあります。瓶入りで常温保管できて長持ちする蜂蜜は、フタを開けるたびに雑菌が侵入しやすい危険もあります。

大人でもボツリヌス菌で食中毒を引き起こすことはあるので、長持ちする蜂蜜でも保管方法や雑菌を侵入させない清潔な使用が大切です。

1歳未満への蜂蜜は危険

蜂蜜といえば健康に良く、自然の甘みが人気です。どちらかと言えば、健康的な食品というイメージです。でも1歳未満の赤ちゃんには、蜂蜜に混入しやすいボツリヌス菌から乳児ボツリヌス症を招くことが心配されているので、信頼できる産地や天然由来、純正であったとしても与えることは控えてください。

ちなみに蜂蜜だけではなくコーンシロップや黒砂糖も、ボツリヌス菌が心配な食品です。念のため、1歳未満の離乳食では使用しないように覚えておきましょう。加熱しても菌がなくなるわけではないので、どんな調理方法でも使用しないでください。

乳児ボツリヌス症の感染と症状

乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌の芽胞(がほう)と呼ばれる菌の種となるものを混入した土や蜂蜜を食べた赤ちゃんが発症します。ボツリヌス菌の潜伏期間は数日~1ヶ月程度と幅あります。

赤ちゃんがボツリヌス菌の芽胞を体内に入れると、腸内で芽胞が育って菌を増殖させます。胃腸が未発達な赤ちゃんは、増殖したボツリヌス菌に感染して症状をひきおこします。だから体内に芽胞を侵入させないことが乳児ボツリヌス菌予防の大前提です。

赤ちゃんが乳児ボツリヌス症になると、最初は便秘が続くことが多いようです。便秘症状なら赤ちゃんにもあるトラブルなので、ボツリヌス菌の影響とは気づきにくいのも厄介です。

そのほかの乳児ボツリヌス症の症状を説明します。母乳やミルクを飲む力が弱まったり、離乳食では食欲が落ちたように見えます。手足が麻痺するので真っすぐ立てない、座っていても倒れ込んでしまう症状もあります。無表情になり、元気がないように見えます。悪化すると体がぐったりして力が入らず、呼吸器官も麻痺して命にかかわります。

乳児ボツリヌス症を知ってほしい

東京都では母子手帳にも、1歳未満の赤ちゃんへ蜂蜜を与えないように呼びかけています。しかし今回の例を考えると、新生児期から注意喚起を簡潔にわかりやすく呼びかける必要があると感じています。

1歳未満の赤ちゃんへの蜂蜜の危険性がクローズアップされたことが、こようなニュースになってしまい悲しいです。ママだけではなく、家族や赤ちゃんの成長に関わるみんなに乳児ボツリヌス症を知ってほしいです。

ボツリヌス菌については様々な情報が開示されています。ただ、このような情報ページを知っている人や日頃からチェックしている人は限られていると思います。育児中のママにも必要な情報なので、ぜひ参考にしてください。(参考2)

参考:日本経済新聞 乳児ボツリヌス症で初の死亡例 6カ月男児、ハチミツ与える

参考2:東京都福祉保健局 食中毒を起こす微生物「ボツリヌス菌」

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