突発性発疹とは、生後4ヶ月から1歳前後に多く見られますが、感染力は弱いので流行しにくい病気です。
2020/12/21
突発性発疹(とっぱつせいほっしん)とは、ヒトヘルペスウイルスが原因の感染症です。生後4ヶ月から1歳前後に多く見られますが、感染力は弱いので流行しにくい病気です。2歳頃までには多くの赤ちゃんが経験しています。
母体からの免疫(めんえき)が消えるころからの感染が多いのも特徴です。治療薬や予防ワクチンはなく、対処療法で赤ちゃんそれぞれのつらい症状を緩和させます。
潜伏期間は7~10日程ですが潜伏期間中はまったく症状がでません。ただし、症状が出てからも軽く済むことがあって、感染しても気がつかずに終わってしまう赤ちゃんもいます。
突発性発疹は、急に発熱することから始まります。赤ちゃんの場合は38度以上の熱がでます。39~40度近くまで発熱するケースもあります。
生後6ヶ月頃の赤ちゃんなら、これが産まれて初めての発熱になることも多く、他に下痢症状が見られる赤ちゃんもいます。
急な発熱にとまどうママもいますが、ママ間でも「先週の熱は突発だった」など会話にでるほどよくある症状です。焦らず看病して、病院で診断してもらってください。
発熱は3~4日続きます。突発性発疹による発熱中は、不機嫌になる赤ちゃんも多く、看病しているママも疲れがちです。
ずっと抱っこですごしたり、眠りが浅くて睡眠不足になるママも多いです。発熱開始から3~4日が頑張りどころです。
発熱が治まると、今度は赤い小さな少しふくらみのある発疹が現れます。この頃には発熱は終わり、ウイルスも検出されなくなります。発疹も3~4日で消え始めます。
はじめての体の不調に、赤ちゃんも対応できずにいる状態です。ただ発熱で食欲が失せがちなので、水分補給だけはしっかり心がけてください。
急な高熱で唇がカサカサに乾くことがあります。湿らせたガーゼで唇表面を潤してあげましょう。
離乳食は固形よりもスープやゼリー、果物など飲みこみやすい調理をします。発熱中はパサパサしているものや、飲みこみにくい離乳食を嫌がります。
離乳食をはじめたばかりでは、また母乳やミルクだけに戻ってしまうこともあります。無理に離乳食を進めて消化できないと嘔吐してしまったり、離乳食を嫌がるようになるので、母乳やミルクを欲しがるなら与えましょう。
発熱中は体力を消耗しているので、発汗しやすいお風呂は避けます。入浴することで肌はサッパリしますが、水分不足も進行するので心配です。温かい湯で絞ったガーゼで、優しく肌を拭いてあげます。
こすると肌を痛めるので、ガーゼを絞るときは水分たっぷりめで絞ります。もしも肌にガーゼの水分が残ったら、乾いたガーゼやタオルをポンポンと軽くあてて水分をとれば大丈夫です。
発疹が出始めて、熱が下がれば短時間のシャワーからはじめます。首や手足首のくびれ部分は、発熱中の発汗で皮脂汚れがたくさん溜まっています。忘れずに皮膚を広げるように奥まで洗い流してください。
突発性発疹になった赤ちゃんは39~40度にもなる高熱になることもあり、熱性けいれん(ひきつけ)を併発することがあります。
突発性発疹からひきつける可能性としては全体の10%程と言われていますが、初めての突然のけいれんに驚いて慌ててしまう親も多いです。
けいれんが始まったら、熱を確認するよりも注意してほしいことがあります。
熱性けいれんが始まったら、嘔吐して吐しゃ物がのどに詰まらないように、横向きに寝かせてください。仰向けでは吐しゃ物が口内で止まってしまい、詰る原因になります。首元のボタンやスナップを外してあげましょう。
慌てがちですが、けいれん時間をはかってください。けいれんが始まったら、「○時○分」と時間を確認します。
赤ちゃんはチアノーゼをおこして顔が真っ青になってしまうこともあります。呼び声に反応できない状態で、周囲が騒がしいとパニックになります。テレビの音を消して、大声で叫んだり体を揺するのは控えましょう。
けいれんが治まったら、また時計をみて「○時○分」と時間を確認します。何分間けいれんが続いたかを、その後の診察で聞かれます。
熱性けいれんがおこっても、熱が上がったり下がったりすることはありません。あくまでも、発熱中におこる現象の1つです。
初めて熱性けいれんがおこったっ時は、必ず病院で診てもらいます。どうしたらよいのかわからない時は、電話で指示を仰いでください。クセになりがちなので、その後の経過とともに発熱時は目を離さないようにしてください。