プール熱

プール熱とはアデノウイルスが接触感染して、高熱や喉の痛み、目やになどの結膜炎を併発する病気です。プールで感染する事が多い理由で名付けられました。正式には咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)と呼びます。夏に保育施設で集団感染が目立ちます。

プール熱の症状

・38~39度の急な高熱。
・首のリンパ節の腫れと痛み。
・食欲減退。
・鼻水や咳。
・結膜炎。
・喉の痛み。
・頭痛。

プール熱は3~10歳前後に多い病気で、以前から小学生の代表的な夏の病気でした。しかし最近は幼児の習い事が増えてプールに入る年齢も赤ちゃんからになった為でしょうか、最近は患者の半数以上が未就学児だと言われています。

5日~約1週間の潜伏期間を経て、急な高熱で始まる特徴があります。咳や頭痛、喉の痛みといった風邪症状に加えて結膜炎が併発します。結膜炎で目が赤くなり、目やに、眼痛が起こるので大変苦しそうに見えます。目の症状は片目から始まり、次第に両目に広がります。光をまぶしがることも。

喉の痛みやリンパ節の腫れによって食欲も減りますが、高熱もあるので脱水症状になりやすいので注意。喉の腫れは長引くと悪化して急性扁桃腺炎(きゅうせいへんとうせんえん)になる恐れが。そうなると1週間以上の療養が必要。プール熱自体は一定期間(1週間を目安に)で症状が落ち着く病気です。

例外として原因菌がアデノウイルス7型の場合、肺炎など肺機能の低下を引き起こした例もあります。

症状が落ち着いて回復しても、3週間はウイルスが便と共に排泄されます。

プール熱の原因

プール熱の原因はアデノウイルス3、4、7型の3種のいずれかの感染によるものです。7型は3、4型より見かけませんが最近増加傾向にあり、発症すると呼吸器官にダメージを与えるので最も危険な種類です。アデノウイルスは40以上発見されていて、1つは直径10万分の7ミリという微生物です。

主に接触感染、または飛沫感染が多く、プールでは水を媒介として不特定多数に感染します。ですからプール熱と言いますが、実際プールに入っていなくても感染者のくしゃみや咳から飛沫感染するので、流行しやすいウイルスなのです。ウイルスに対して人の免疫力が低下していることも流行の原因と考えられます。

プール熱の診断

プール熱の診断には、喉の粘膜を綿棒ですくってウイルスを迅速に診断するキットがあります。その場で診断できますが喉の奥に綿棒を入れる為、子どもは嫌がります。

プール熱の治療

プール熱は1週間程で治まることを考慮して自宅で安静にすることが基本です。アデノウイルスに効く薬はないので、併発している症状の緩和に努めます。

プール熱の眼の赤み

目が赤かったり、目やにがでている場合は結膜炎になっている時です。片目から始まり両目に広がるので、片目のうちに眼科で診てもらいましょう。目やにで視界が悪くなったり痒みが出ると、目を強くこすりたがります。冷たいタオルを乗せて痒みを軽減させたり、眼球を傷付けないよう爪を切って清潔にしましょう。

目やにを拭き取る時はハンカチよりも、柔らかいティッシュやガーゼを使います。他との共用で感染することを避ける為、どちらも使い捨てサイズで何度も使用しないように注意。

眼医者では抗生物質入りの目薬が良く処方されます。痒みが強い時だけの目薬もあるので、用法用量に気を付けてさしましょう。複数の目薬が出ている場合、1つずつ5分以上間隔を開けて使用。

プール熱の高熱

特に乳幼児は高熱からくる脱水症状が最も危険なので、アセトアミノフェン解熱鎮痛剤がよく処方されます。脱水症状の緩和にはイオン飲料や白湯を飲ませます。

乳幼児の急な高熱は、熱性けいれんの引き金にもなります。初めてのけいれん時には早急に診察を受けましょう。けいれん時間が長い時や、嘔吐による呼吸困難がある時は迷わず救急車を。

熱さましの座薬は一定の体温に達しないと効果が現れません。使う時は検温して、37度台なら効果は期待できないので使用は控えましょう。

プール熱の喉の痛み

喉の痛みが気になると、食事をしたがらなくなります。特に熱いもの、濃い味付け、酸味のあるもの、舌触りが滑らかでないものを嫌がります。

プリンやゼリー、スープ、豆腐など喉ごしの良い食事を与えましょう。おかゆは薄い味付けで、よく冷ましてから。それでも食欲のない時は無理に3食食べさせず、すきな飲み物だけの時もあって大丈夫。食欲がなくても水分補給だけはまめにみます。

プール熱の予防

プール熱は水を媒介にすると防ぎようのない感染経路ができます。プールに入る時と出る時は、シャワーを良く浴びて、うがい、目もしっかり洗いましょう。その際タオルの共用は避けた方が安心です。

アデノウイルスは殻に包まれていない微生物なので、手指に付着しても、こまめに石鹸で手洗いする習慣があれば撃退できます。洗った手流水でしっかり流しましょう。

便にもウイルスはいます。おむつ替えの時は必ず石鹸で手洗いしましょう。最近はスプレータイプのアルコール消毒液も使いやすく便利です。

根本的な予防は、ウイルスに対して免疫を付けることです。現代の子どもは食生活の変化によってウイルスに抗体がないと言われています。たっぷり睡眠をとって体力作りも忘れずに。

プール熱は出席停止

プール熱は学校保健法第2種伝染病に含まれています。インフルエンザや水ぼうそうと同じ扱いです。その為、発症が分かった時から幼稚園や保育園などの集団生活はお休みします。欠席扱いにはならず、症状が消えた後も2日間はお休みする決まりです。

しかし、便中のウイルスは1ヶ月程は排泄されています。トイレの共用にはじゅうぶん注意しましょう。

登園の際は医師の許可が必要です。実際は高熱で体力を消耗しているので、個々の回復の程度で登園させましょう。