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パパに知ってほしい授乳ストレス

授乳期は多くのママがストレスを抱えていることを、パパには知ってほしい現実です。

赤ちゃんの足

2020/12/20

ママの気持ちは複雑

授乳期は多くのママがストレスを抱えています。パパにはママが楽しく順調に子育てをしているように見えても、実際は精神的なストレスや寝不足による疲労、気疲れでクタクタになっていることも知ってほしい現実です。

授乳を休みたい、けど休みたくない

赤ちゃんの授乳

ママの気持ちはとっても複雑です。授乳期に疲れ果てたママの気持ちは白黒はっきりしない状態です。

例えば頻繁に昼夜を問わず続く授乳に疲れきって「休みたい」「眠りたい」とママが言っても、実際は授乳を休むことはしなかったりします。休みたいのも本音だけど、母親として、赤ちゃんを放っておくことが嫌なのも本音なのです。

しかも授乳に疲れて、ミルクを飲ませることをやめると、どんどん痛みが出たり炎症がおこるトラブルもあります。だから、ママは休みたいと言っても授乳を休まないほうが良いこともわかっています。

パパにしてみたら「だったら言わなければいいのに」と思うかもしれませんが、そこが複雑なところです。弱みを見せることのできる相手にちょっとしたワガママを言っているだけで、けっして怠慢な気持ちではないと考えてください。

授乳で汗をかくこともある

雑誌の写真やイラストでは、ママと赤ちゃんがのんびり、ゆったりした空気で授乳しているようにみえます。でも毎回そうとは限りません。

パパにとってはいまいち理解しがたいことかもしれませんが、よく赤ちゃんを横抱きしていると赤ちゃんの首から背中にかけてがポカポカ熱くなることがありませんか?

もともと授乳時は、ママも赤ちゃんも体温が上がるかのようにポカポカしています。春でも暖かい日なら、半袖になって授乳したいほどです。真夏なら汗をびっしょりかいてしまうこともあります。

数時間おきに授乳する姿はとても簡単に見えますが、たった1回の授乳で、ママと赤ちゃんは周囲が思っている以上に体力を消費していると考えてください。新生児や低月齢の赤ちゃんなら、ミルク1回で疲れて眠ってしまうほどです。

授乳中はじっと座っていますが、体力的にはその時間を軽くランニングしているようなものだと考えてみましょう。軽いランニングと言えども、数時間おきに繰り返すので疲労もたまるものなのです。

授乳後はちょっとママも休憩タイムを欲しがっていると、理解してください。

母乳は体調によって変化する

授乳

母乳は出て当たり前と思われがちですが、そんなことはありません。ママのミルクは体調に影響されます。気をつけたいのは疲労やストレスです。体や気持ちが疲れて緊張するほど、出にくくなるケースがあります。

食生活でも、脂っこい料理やインスタント食品、甘いものばかりを継続して食べていると、乳腺(にゅうせん)が詰ってミルクが上手に出なくなってしまいます。しかも、乳腺のつまりが解消されないと古いミルクが溜まって乳腺炎(にゅうせんえん)という痛みを伴う症状になることが心配です。

ママの健康と精神的なゆとりが、赤ちゃんにとって美味しくて栄養価の高いミルクを作りだすので、出が悪いときはママのストレスや疲労を軽減させることが必要です。

30分でもママだけの自由時間を作ってあげたり、買い物や掃除を手伝うだけでもかなりストレスが軽減します。パパにとって取り組みやすいことを手伝ってほしいです。

粉ミルク派のストレス

パパと赤ちゃん

ママにとって母乳育児を諦めて、粉ミルクを利用することは大きな出来事だと考えてください。

世間には、母親として母乳育児ができないから粉ミルクを利用するという、偏った見方をする人もいます。ママは母乳育児ができないという事実にひけ目を感じたり、劣等感をもつこともあります。

そんな時は、哺乳瓶だからこそパパも授乳に参加できるメリットを活用してください。哺乳瓶の扱いも、洗浄や消毒がありますがこれはパパもできることなので、積極的に参加して母乳育児ではできない授乳スタイルを作ります。

パパに言われたくないこと

「授乳はあたりまえ」

赤ちゃんに授乳するのは当たり前ですが、言葉にされるとママはショックを受けます。産後のママは、自分のことは二の次で赤ちゃん優先で過ごしているので、自分の存在が「赤ちゃんを育てるロボット」になったようにも見えてしまうのです。

産後は疲労感や睡眠不足から、すぐナーバスになりやすい時期です。当たり前のことでも、「おつかれさま」と一言かける気配りもママを前向きにしてくれます。

「ちゃんと飲ませているの?」

赤ちゃんは数時間おきのミルクを欲しがりますが、眠いときや暑くてのどが渇いたときは頻繁に水分(ミルク)を欲しがります。ここで「ちゃんと飲ませているの?」と言われると、ちゃんと飲ませているママほど、授乳間隔や量を必要以上に気にしてストレスが溜まります。

ミルクの量に目安はありますが、細かい授乳量は赤ちゃんの体重や季節によって個人差があります。

例えば、どんなに頻繁に飲みたがる赤ちゃんでも、1回の授乳量が少なくて1日のトータル授乳量はさほど多くない場合もあります。逆に授乳間隔が長く開いているけれど、1回の授乳量が平均よりも上回っていて1日のトータル授乳量も多い赤ちゃんもいます。

「ちゃんと飲ませているの?」と聞きたくなったら、まずは赤ちゃんの授乳のクセや1日にどれくらい飲んでいるのか、どんなときに欲しがっているのかなどを知ってください。

ママの気持ちに共感してほしい

赤ちゃん

外出時、ママが授乳時間を考えて、出発前に授乳を済ませていても、赤ちゃんが不機嫌になったり暑くてのどが乾けばすぐにまたミルクを欲しがります。眠いときも、空腹に限らずミルクを欲しがります。こうしたイレギュラーな授乳は珍しくありません。

ところが「どうして授乳を済ませなかったの?」と言われることもあります。育児書や雑誌を読んだパパなら、授乳間隔の目安を知っているので尚更つっこみたくなります。

でも正直なところ、授乳間隔が短くなったり長くなったりするのはママではなくて赤ちゃんの都合です。だからパパは、毎日赤ちゃんの都合に合わせているママに共感して欲しいです。

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