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赤ちゃんの原始反射いろいろ

赤ちゃんの時だからこそ見ることのできる、代表的な原始反射を紹介します。

すやすや寝る赤ちゃん

2020/12/25

原始反射とは、赤ちゃんが誰にも教わらずに行動する、赤ちゃんがもともと備えている反射運動です。

実は原始反射の中には、赤ちゃんの時にしか見ることのできない動きが沢山あります。原始反射は成長と共に見ることができなくなります。

生後1歳を迎えるまでの乳児健診では、医師が原始反射で反射神経や運動機能、体の発育を確認します。新生児の時だからこそ見ることのできる、代表的な赤ちゃんの原始反射を紹介します。

モロー反射

モロー反射

モロー反射は、新生児期の赤ちゃんの行動の中でも代表的な動きです。生後すぐに見ることができ、個人差はありますがだいたい生後5~6ヶ月頃には消失していきます。

モロー反射とは、大きな動きに反応して体を大きく伸ばして、手のひらを開くことです。眠っている時も無意識にモロー反射を見せることがあります。

扉を締めたり、食器をかたずける大人にとっては些細な音にも反応して、急にビクッと体を動かします。何かに抱きつくような体勢にも見えます。

モロー反射を始めてみた時や、モロー反射を深く知らないと、赤ちゃんが急に体を伸ばすのでひきつけや、けいれんの心配をするかもしれません。

モロー反射が頻繁で心配な時は、検診時に相談してみましょう。就寝中のモロー反射が気になる時は、抱っこしたり、体におくるみをかけて寝かせる方法も試してください。

詳しくは・・e-育児「モロー反射」

把握反射

把握反射(はあくはんしゃ)とは、ママの指や物が赤ちゃんの手のひらに触れると、指が曲がって自然と握る動きです。生後すぐに見ることができ、ママと赤ちゃんのコミュニケーションにも一役かっている原始反射です。

新生児の手は軽く握った状態が多いのですが、指を触れると静かに握り返します。赤ちゃんにとっては何を握っているのか理解できなくても、反射的に握り返します。

把握反射の特徴として、反射して何かを握る場合、赤ちゃんの親指は内側になることが多いそうです。別名は「ダーウィン反射」と呼ばれています。

把握反射は生後すぐから、生後4ヶ月頃までに多く見られ、その後は消失していきます。把握反射が消失しても、今度は何を握るのか理解して握るようになるので運動機能に問題はありません。

歩行反射

歩行反射

歩行反射(ほこうはんしゃ)とは、まだ歩くことのできない新生児の上半身と股を支えて起立させると、前かがみになった赤ちゃんが足を出そうとする動きです。

新生児の歩行は、体の筋肉や骨が発達しきれてないので困難です。でも、前かがみに立つことで、赤ちゃんは本能的に体を支えようと足を出します。

赤ちゃんを起立の姿勢で支える時は、上半身にも気をつけてください。まだ首が座っていないので頭がグラグラしたり、上半身のバランスがとれずに腰に負担がかかります。

乳児健診で成長過程をチェックするために、医師が歩行反射を確認する場合があります。家庭では、歩行反射をわざわざ確認する必要はありません。

吸綴反射

吸綴(きゅうてつ)反射は、新生児の唇に触れると乳を吸うしぐさを見せることです。

新生児が目で確認していないにも関わらず、口に何かが触れると母乳を飲むように吸いつこうとするのは、吸綴反射による動きです。

吸綴反射の場合は、授乳時の乳首や哺乳瓶ではなく、ママの指でも吸いつきます。ママや家族の爪は短く清潔を心がけてください。兄弟姉妹がいる時は、むやみにおもちゃ等を赤ちゃんの口に入れないよう指導します。

赤ちゃんにとっては、この吸綴反射があるからこそ、教えていないのに上手に母乳やミルクを飲むことができます。

吸綴反射は、離乳食が始まって「吸う」以外に、「つぶす」「噛む」行動を覚えると自然に消失します。

足引っこめ反射

足引っこめ反射(あしひっこめはんしゃ)は、足の裏を刺激すると下肢を屈曲させて足をひっこめる動きです。

新生児は体力が少ないので授乳中に眠ってしまうこともあります。ママは授乳をさせるために足の裏を軽くくすぐって起こすこともありますが、この時、赤ちゃんは足を引っこめるような動きをします。これが、足引っこめ反射というわけです。

ただし、頻繁に足を刺激しすぎるとストレスになります。1つの原始反射だと理解して、むやみに足裏をくすぐることは控えてあげましょう。

原始反射の確認

赤ちゃんの原始反射は他にも沢山ありますが、家庭で無理に確認する必要はありません。日常生活で原始反射が見られたら、病気ではなく赤ちゃんがもともと備えている反射行動だと見守ってください。

原始反射の確認で、赤ちゃんに無理な体勢や、必要以上の刺激を与えることはお勧めしません。骨や筋肉も大人と比べて未発達なので、思わぬ怪我に繋がったりストレスをためることが心配です。

どうしても確認できない原始反射がある時は、乳児健診で医師に相談してください。検診時に確認してくれます。

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