待機児童0達成にみる横浜方式

待機児童数が多く、ワースト1位とまで評価されていた横浜市が2013年4月1日の時点で待機児童数を0にできたそうです。横浜市の取り組みは、待機児童問題に悩む家庭や各地域の改善策の参考にもなりそうです。

3年前まではワースト1位

待機児童待機児童数を0にしたことで注目されている横浜市は、実は3年前は全国最多の待機児童数をもったワースト1位だったのです。この3年間でワースト1位を返上したのは「横浜方式」と呼ばれる独自の取り組みでした。

ちなみに3年前(2010年4月)の横浜市の待機児童数は1552人です。それが3年間で0人になったのですから、乳幼児をもつ家庭にとっては「どんな方法で保育所に入れるようになったのか」が気になります。

企業経営の認可保育所

保育所の少ない地域には、企業参入しやすいように保育所新設の補助を手厚くしたそうです。

今ある保育所でどうやって待機児童を減らすかを考えると、どうしても収容人数に限りがあるから認可保育所だけでは預かれない状況でしたが、その改善策で認可保育所を増やすには自治体の負担も大きくなります。

そこで企業経営の保育所が参入しやすくなれば、独自のアイデアも豊富で子どもや保護者にもメリットがある認可保育所を増やすことができます。

ちょっと心配なのは以前から指摘されていますが、企業経営の保育所は、経営状況によって保育の質が変わるかもしれないという点です。

ちなみに2013年5月2日、厚生労働省は各自治体に、企業やNPO法人の保育所参入について、要件を満たした認可申請を拒否せず積極的に受け入れるように要請する考えを表明しました。

これによって今後は、横浜市以外でも企業参入の保育所が新設されていく地域が増えそうです。今後は、経営状況の影響を受けずに保育の質を保つための対策が気になります。

独自認定の横浜保育室

横浜保育室とは、認可保育所とは別に横浜市が独自に設定した基準(保育時間や環境など)を満たしていると認められた保育室のことです。

横浜保育室は認可保育所ではありませんが、横浜市の助成金も受けているので保育の質が保てるメリットがあります。

また、独自の審査基準があることで無認可よりも、1人辺りに費やすスペースや保育士の確保が安心できます。

保育所といったら「認可か無認可しかない」という概念が強かったので、横浜保育室のように保育所の基盤を広げる取り組みは期待できます。

ただ、待機児童を減らすための独自認定が、認可の基準を緩和させた内容だとすると・・・結果的に質の落ちた保育をすることにも繋がりかねません。認定されているとはいえ保護者がしっかり調べる必要があることには変わりありません。

認可や無認可に限らずどんな保育所でも、保護者がしっかり見学して確認することが大切です。

親のアクションが大切

赤ちゃんとママ待機児童問題が取り上げられるようになった近年、なかなか改善されないのは様々な理由があります。

でも、たくさんの原因があってもそれを改善しようと取り組むことで、現状よりももう少しよくなるはずです。それが未だに改善されない理由の1つに、実際に困っている子育て家庭と自治体の考え方の違いがあるように見えます。

待機児童問題で不思議に思うのは、待機児童数が多いほど働いていることを証明できる家庭が優先されることがあります。でも、本当に預けて働きたい家庭では、先ず働く前に保育所を探します。

本当は働きたいと思った時に、最初にクリアするべき子どもの預け先の問題が、先に仕事を決めないとクリアできないのも不思議におもうことがあります。

とはいえ実際に働いている親にとっては、子どもを預けることを待てない状況です。また、自営業の家庭も優先順位が低くなることがあるそうです。

保護者が待機児童問題の改善を見ているだけではなく、もっと改善対策に参加できたら、家庭と自治体の視点の違いも解消されていくかもしれません。

そうした改善策を考える場が増えることと、子どもたちが安心して親を送りだせる保育サービスがもっともっと増えることを願います。