安倍首相が朝の日本テレビの番組で、育児休業を3歳まで延長の見直し・待機児童ゼロ対策を検討しているとの考えを示しました。
2020/12/24
安倍首相が、育児休業を3歳まで延長の見直し・待機児童ゼロ対策を検討しているとの考えを示しました。育児休業の現状と待機児童の問題を振り返り、実際に実現してほしいことを考えました。
働き盛りの女性にとって仕事と子育ては天秤で量れるものではありません。でも、出産を決めたら天秤にのせずとも、どちらを優先するのか決断する時期があります。
「子育てを優先して家庭を円滑にしたい」という理想と、家計や子どもの成長に関わる費用を考えたら「仕事を辞めるわけにはいかない」「ここまでのキャリアを生かして自分の成長に役立てていきたい」という現実問題に挟まれます。
なぜか男性優位の場面では、育児休業制度を使って休んでいることが「いつ子どものことで休むか解らないから、大事な案件を任せることができない」といった仕事の評価に繋がるケースもあり、せっかくの女性の社会進出が止まってしまうこともあります。
育児休業制度を利用したのに、職場復帰後はキャリアを生かせなくなったという例も現実的に起こっていることです。
そして、このような問題に全く関係のない子どもたちが影響を受けてしまいます。これが1番心配な問題だと考えています。母親の育児休業後の復帰に、子どもの生活がめまぐるしく変わったり、母親との触れ合いが足りない状態が続くことがとても心配です。
でも、「子どもとの時間を大切にしていたらもう育児休業制度の期間を迎えてしまう」「ここで復帰しないとキャリアを生かした仕事を続けられない」と親も悩んでいます。
育児休業制度と繋げて待機児童問題の現状を、ママ目線で解説します。ママが育児休業を終えて、仕事に復帰する時期に保育施設が受け入れ人数をオーバーしていた場合、子どもはどうしたら良いのでしょうか。
保育施設のうち、認可保育園は国の定めた基準をクリアしていることが条件で補助があるので、子どもを預ける際も費用が抑えられます。
だから無認可保育園よりも認可保育園を希望する家庭が多いのが現状です。ところが、認可保育園は数が限られていて足りない状況。これは待機児童数の増加で現実的になっています。
では、社会復帰をすることと認可保育園に入れるためには、子どもを無認可保育園にいれることになったとします。そうすると保育料がちょっとかかってしまうんです。
もちろん認可も無認可も、それぞれ良い点があるので保育内容に満足していれば良いのですが、保育料がかかってしまうと親ももっと働かなくては行きません。結果的に親と子どもの触れ合いが減ってしまうのは悲しいことです。
つまり育児休業と待機児童問題は別々の法案であっても、細かな部分で繋がっている問題だと考えています。この2つの問題が解消されたり、社会全体で考えていくことができたら、子どもを育てる環境は理想に近づくはずです。
今回のテレビ出演での話しは、あくまでも構想段階で決定事項ではありません。今後、現実的に問題と向き合って、調整しながら進めていくのだと思われます。
ここで心配なのは、毎回政権が変わるたびに進んでいた議案や構想が再び見直しに迫られたり、進まなくなることです。
育児に携わる親はずっと同じことに悩んでいます。同じ気持ちを訴えても政権が変わってしまうと、また違う相手に説明する必要が出てくる・・さらには政策が変われば検討も止まってしまう・・この繰り返しは避けたいものです。
子どもの成長は、法案の見直しや構想の検討のように進んだり止まったりすることがありません。貴重な乳幼児期の成長が、大人に振り回されることなく、もっともっと子ども中心に生活できるようになってほしいと強く願っています。
また、子育てに携わる親や家族も、社会や政府に求めるだけでは意味がありません。時々、子育ての姿勢や考えを見直していく必要があります。普段から、常に子どもの立場になって生活できる家庭を作りたいですね。