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12月に気をつけたい病気

赤ちゃんが12月に気をつけてほしいウイルス性胃腸炎・RSウイルス感染症の症状と注意したいポイントを、わかりやすく紹介します。

寝返り成功の赤ちゃん

2020/12/24

赤ちゃんと病院

12月は気温が下がると同時に、室内も暖房で乾燥するのでウイルスが侵入しやすい環境が増えます。赤ちゃんが12月に気をつけてほしいウイルス性胃腸炎・RSウイルス感染症の症状と注意したいポイントを、わかりやすく紹介します。

12月は小児科も混み合う時期です。健康に気をつけるには病院にお世話になる前に、家庭での心掛けが必要です。ママと赤ちゃんで一緒に、年末の寒い時期を乗り切りましょう。

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎(ういるすせいいちょうえん)は、ウイルスが喉(のど)の粘膜(ねんまく)に侵入して感染することでおこる胃腸炎です。別名は嘔吐下痢症(おうとげりしょう)。その名の通り、嘔吐と下痢に苦しむ病気です。

ウイルス性胃腸炎の症状

感染しておこる胃腸炎は、大きく分けて細菌性とウイルス性の2種類です。赤ちゃんが12月に感染する胃腸炎の多くは、ウイルス性胃腸炎だと言われています。

細菌性胃腸炎でもウイルス性胃腸炎でも症状の特徴は同じで、嘔吐と下痢症状が特徴です。発熱を伴うこともあります。

発熱は37度台でも、けいれんをする赤ちゃんがいます。既に熱性けいれんを経験している赤ちゃんは、高熱まで上がらなくても注意してください。

ウイルス性胃腸炎は0歳~幼稚園までの小さな子どもに多く感染します。そのため嘔吐と下痢による脱水症状が危険です。

ノロウイルスに注意

ウイルス性胃腸炎の原因となるウイルスは沢山ありますが、特に12月はノロウイルスによる急性胃腸炎(きゅうせいいちょうえん)に注意してください。

ノロウイルスは、他のウイルスと比べてもちょっと厄介なウイルスです。インフルエンザの予防に手洗いの励行が呼びかけられていますが、ノロウイルスは石鹸では死滅できない強さを持っているのです。

でも、手洗いは続けてください。ノロウイルスを死滅することができなくても、洗い流すことで手についたウイルスを減らすことができます。

赤ちゃんの手洗いは、ぬるま湯で流します。「ウイルスを除去するには熱めの方が良いのでは」と思われがちですが、ノロウイルスは高温にも強いので強力な効果が期待できません。それよりも熱湯で赤ちゃんの手をヤケドさせたり、冷水で洗いすぎて、しもやけにさせないように気を付けましょう。

ノロウイルスは石鹸でも死滅せず、熱にも強いと説明しましたが、なかなかノロウイルスを全滅させることができないということは感染力も続くということです。

家族の誰かがノロウイルスに感染したら、家族全員に広まることも珍しくありません。赤ちゃんの場合は、保育園や児童館など乳幼児が集まる場所での集団感染も心配です。

ノロウイルスについてはこちらでも詳しく説明しています→

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症は、RSウイルスによっておこる呼吸器系の病気です。RSウイルスと聞くと得体のしれないイメージがありますが、悪化すると細気管支炎(さいきかんしえん)や肺炎を引き起こす、赤ちゃんには寄せたくないウイルスです。

赤ちゃんの鼻水や咳は、なんでも「風邪だろう」、進行したら「インフルエンザかも」と憶測で判断していませんか?時には全く違うウイルスが原因の場合もあるのです。

鼻呼吸メインの赤ちゃんにつらい症状

実はRSウイルスは、生後間もなくから感染する可能性のあるウイルスです。でもRSウイルスが聞きなれないためか、症状が軽いとただの風邪と勘違いするママもいます。

RSウイルスは生後1才までに、ほとんどの赤ちゃんが感染していると言われています。症状の度合いが人それぞれなので、診察してはじめて風邪ではないとわかる赤ちゃんもいます。

RSウイルスに感染すると、発熱と咳や鼻水が目立ちます。発熱は新生児は38度前後、3才以降は39度以上に上がる可能性もあります。咳はなかなか治まりません。鼻水は、鼻呼吸メインの赤ちゃんの呼吸を苦しくさせます。

RSウイルスに感染しているかどうかは、家庭では判断できないので医師の診断が必要です。

ただの風邪かと思っていたら、呼吸器官の症状が改善されずに肺炎や細気管支炎まで進行してしまうと完治まで時間がかかります。赤ちゃんは体力が少なく脱水症状も心配なので入院治療も考えられます。

喘息やアレルギー疾患でスピード悪化

喘息やアレルギー疾患のある赤ちゃんは、咳や鼻水といった呼吸器系の異常と発熱がみられたら、早めに病院に行きましょう。もしもRSウイルスに感染している場合、通常よりも進行が早い傾向だからです。

RSウイルスに感染して咳が治まらない時は、進行するとゼーゼーつらそうな呼吸に変わります。呼吸が苦しい咳は細気管支炎や喘息の始まりを疑ってください。

咳が悪化した後は、咳もできない状態に陥る場合があります。このような状態になってからの初診察では、保護者の判断が遅いと考えてください。赤ちゃんは大人ほど体力がないので、診察を遅らせて我慢の限界を越えさせてはいけません。

赤ちゃんの体がぐったりしている時は緊急サインです。咳をしたくてもできずに呼吸が苦しそうな場合は、昼夜を問わずに病院に連れていきます。

もう少し詳しいRSウイルスについて書いています:e-育児「赤ちゃんに感染するRSウイルス」

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