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2011年度の子ども手当

子ども手当は児童手当よりも毎月の受給額が増えたため、その使い道にも注目が集まっています。

赤ちゃんの手を家族で包む

2020/12/24

子ども手当の現在

子ども手当は民主党のマニフェストとして掲げられて、現在の政権で児童手当に代わって実行されました。しかし様々な問題点を抱えたままでの実施によって、現実は変更点が続いているので不安な面も残ります。

子ども手当は実施直後から出た矛盾点や問題点を、その都度修正して検討しながら進められています。それに加えて批判や騒がれることが多いのも確かです。

子ども手当に対する関心の高さのわりには、細かく把握できていない部分があること、子どものいる家庭と現在子どもを育てていない家庭との温度差があることも目立ちます。これらを解消していくには、私たちがもっと子ども手当を考えていく必要があります。

子ども手当制度を設けた理由

児童手当を廃止して子ども手当を設けた理由は、金額の違いだけが注目されがちです。子ども手当の設けられた理由には、少子化が進んでいることが背景にあります。

少子化が進むことに歯止めをかけるためには、子どもを育てやすい社会を作ることが前提です。子どもが育てやすい環境は親だけではなく、社会全体で考えていこうというある意味、高齢者社会を想定した未来への投資でもあると考えられます。

子どもたちの健やかな成長が各家庭の問題ではなく、社会全体の問題だという観点が子ども手当にはあります。しかし児童手当よりも多い予算設定や受給対象者の条件には賛否両論があり、現在も子ども手当については様々な意見が挙げられています。

2011年度の子ども手当支給額

子ども手当

2011年度の子ども手当の支給額は、施行当初から変更される部分が出てきます。政府は子ども手当の財源を地方自治体に児童手当同様に求めていますが、自治体としては国に全額の財源負担を求めています。ここで政府と地方自治体の要求に違いがあることも、子ども手当の支給額が定まらない1つの理由と考えられます。

2011年度は3歳未満の子どものいる世帯への支給額が、1人当たり毎月7000円上積みする方針で議論されています。よって、現在の13000円に7000円上積みした2万円が、3歳未満の子どもに対する月額支給額となる方向で考えられています。

一方、3歳~中学生の受給資格のある子どもへは、昨年同様、月額13000円の据え置きで支給される方針です。支給月は変更がなく、今まで通り2・6・10月です。

3歳未満の子どもに関しては児童手当でも月額1万円の増額になるなど、少子化対策が練られていました。政府は小さな子どもを育てている家庭に若い保護者が多く、所得が低くなりがちだからという理由から3歳未満の上積みに踏み切ったそうです。

私たちが簡単に増額に喜べないのは、2011年度以降は所得税と住民税の控除が無くなることから、やがては子育て家庭に負担が出てくることが予想されているからです。そして、子育てする立場から考えると3歳未満よりも3歳以上の幼稚園に通い始めてからのほうが育児に費やします。

子ども手当は、もともと26000円が支給額とされていました。しかし財源確保が困難で13000円のスタートになったように、支給額を始めとして完全に決定されていない事項があります。

今後の支給額には再び議論が必要だと考えられているので、これらの変更点も更に議論されていくかもしれません。

子ども手当と給食費

子ども手当は児童手当よりも毎月の受給額が増えたため、その使い道にも注目が集まっています。支給されるのは子ども名義ですが、実際に受け取るのはその保護者に当たるので各家庭で用途は様々です。本来、子ども手当は子どもの成長に使われる目的です。

特に子ども手当を受給しながら給食費を滞納することには、様々な意見があります。ニュースでも取り上げられている通り、少数ですが、支払えないのではなくて支払う意思がない家庭もあるようです。結局は受け取りながら、なぜ子どもの給食費を払わないのかという議論が耐えません。

政府では給食費や保育料の滞納が増加していることから、今後国会で取り上げられる子ども手当法案に、滞納している分を子ども手当から差し引く方針を組み込むことに決定しています。

公立の保育料は強制的に差し引くことができますが、給食費は保護者の同意が必要になります。差し引く対象は新規の滞納分で、さかのぼることができません。それまでの滞納分には各家庭での対応が求められることになります。

保育料や給食費の滞納分を差し引くことは、保護者の理解が必要不可欠です。なぜなら、現在の子ども手当は支給された保護者に対して、第3者が差し抑えを要求できないからです。そう考えると、保護者が子ども手当に真剣に向けあっていかなければいけないと考えられます。

児童手当よりも多い支給額の子ども手当を受けとるだけではなく、子どもへどのように支援していけばよいのかを保護者がもっと考えて、今後の子ども手当と向き合っていくことが重要視されています。

子ども手当を受け取ることは、子どもの成長に対してもっと考えていくきっかけにすぎません。今後も国会で子ども手当に関する法案が議論されていくので、各家庭で変更点にも注目して使い道をはっきりさせていくことが求められています。

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