新しく販売される規制ライターで赤ちゃんの事故防止は減るのか子育て家庭の目線で考えています。
2020/12/24
2011年9月27日から、いわゆる100円ライターに代表される簡単点火の使い捨てライターに対して、販売規制が始まりました。分かりやすく「使い捨てライター規制」と呼ばれていますが、別名「CRライター規制」とも表示されています。
使い捨てライター規制は愛煙家にとっては身近な規制ですが、子育て中でタバコと縁のない生活をしているママには未だ知られていないこともある規制です。
使い捨てライターを規制するとは、どうなることなのでしょうか。新しく販売される規制ライターで興味本位でライターを触る赤ちゃんの事故防止は減るのか、子育て家庭の目線で考えてみました。
喫煙者にとっては、規制があって使いにくいという感想もあります。そもそも子どもと無縁の人までライター規制で値上がりしたライターを使わなければいけないという変化に、不満の声もあるようです。
また、必然的に使い方が複雑化することで喫煙者は、いちいち面倒だと感じることもあります。
規制によって使い捨てライターは、以下の2点に変更してあります。他にもシールを張っていたずら防止をアピールしています。
これから使い捨てライターはCR(チャイルドレジスタンス)機能などがついているPSCマークが貼られたものしか、販売されなくなります。従来のライターは販売できなくなります。
規制ライターが販売されることで、従来のライターは処分されることになります。大量のライターの破棄もガスが残っているとゴミ処理車の火災原因になります。
ライター規制によるこれからの課題は、自治体や政府による、従来型のライター処分の方法をはっきり決めていくことです。
東京消防庁によると、子どもの火遊びが原因に含まれる火災は2007(平成18)年から2011(平成22)年までの4年間で718件もあったそうです。単純に718件を4年で割ったら1年間で、だいたい179~180件にもなります。
更に子どもの火遊び火災によって、7人の幼い命が失われたそうです。ちょっとした好奇心や、些細ないたずら心がここまで大きな火災事故を起こしてしまうという事実が分かります。
火遊びによる火災事故原因の調査では、ライターが最も多いことも分かりました。マッチやロウソクの方が危険で火傷もしやすい印象ですが、火災事故原因では圧倒的にライターが1番多いことに驚きます。
子ども、特に赤ちゃんは火災を起こすために使い捨てライターを触るのではありません。好奇心や興味、親が使い捨てライターを使う姿の真似をしたいだけです。
それでも火がついてしまったら子どもはどうすることもできません。赤ちゃんは危険を知らせることも出来ず、火災は広がります。子どもが原因の場合、大人が気がつくまで初期の消火活動が遅れてしまうので、大きな火災事故に発展しやすいのです。
718件のうち、性別と年齢が分かったのは328件。328件のうち、火遊びによる火災に関わっているのは半数以上が男の子です。
東京消防庁の統計では、小学校中高学年の男の子が関わることが最も多いと分かりました。すでにライターが危険な道具とわかっている年齢に関わらず、火災事故に至ってしまうのは簡単に着火するライターに対する好奇心も含まれると思います。
赤ちゃんもゼロではありません。3歳以下の子どもは328件中27件もあります。その中でも、2歳までの赤ちゃんが関わっているのは10件もあります。
子どもの火遊びを防ぐためには周囲の大人の教育も大切ですが、簡単に火遊びできる環境も見直していくべきです。ライター規制は、その1つだと考えられます。
喫煙者にとってはタバコを吸うためにライターがあるので、日ごろから自分の手の届く場所に置きがちです。タバコもライターも赤ちゃんや小さな子どもにとっては危険物です。
ライターに規制をかける以前に保護者が出来ることは、赤ちゃんの手の届く場所にライターを置かないことです。ライターなどの危険物を手に入らない、目の届かない場所に置くことで赤ちゃんや小さな子どもの手に渡る可能性が低くなります。
危険を教えることも大切ですが、着火を見せて使い方を教えると、逆に自分で触りたがったり使いたがる赤ちゃんもいます。
赤ちゃんのうちはライターの使い方は分からなくても問題ないので、危険を教えると同時に、ライターを手の届かない場所に置くことが最も大切です。
ライターだけでなく、チャッカマン等の着火用品やマッチも子どもが手に取れる場所に置いたり、目立つ場所に置いておくことは控えましょう。秋冬は空気が乾燥して火災が広がりやすい季節です。もう1度、家庭での火の管理を見直してみましょう。