2010年6月30日から育児休業に関する育児・介護休業法が、一部を除いて改正されます。
2020/12/24
2010年6月30日から育児休業に関する育児・介護休業法が、一部を除いて改正されます。子育てをしながらでも働く事のできる雇用環境を更に築くために、様々な変更点があります。特にパパが育児に関わりやすいように、男性の育児参加を促す内容も盛り込まれています。
育児休業制度は1991年に制定されて、現在は働く女性の多くが取得しています。ところが男性の育児休業取得率は、依然として低迷しています。
男性が育児をすることに対する偏った考えや、社会での扱い、仕事を休むことに対する不安感などが男性の育児休業取得を阻む問題点として挙げられます。
2010年6月30日から施行される法律は、男性にとっては育児休業制度を利用しやすくなる内容が増えています。なかでも、配偶者であるママが専業主婦であっても、パパは育児休業を申請できるように変わった点に注目しました。
今までの育児休業制度では、配偶者が専業主婦だとパパは育児休業制度を取ることができませんでした。
しかし、今度の育児・介護休業法の改正によって、2010年6月30日からは、ママが専業主婦でもパパは育児休業を取得できることになります。
例えば3人目の子どもを出産して、上の2人の子どもの育児もしなければいけない専業主婦の家庭で、ママは産後の体調がすぐれなくても、2人の育児と赤ちゃんのお世話をするという形でした。ママが専業主婦なので、病気でも育児が大変でもパパは育児休業制度を取得できませんでした。
しかし、2010年6月30日からは、ママが専業主婦であってもパパが育児休業制度を取得することが認められるので、パパが育児休業をとって育児に参加して家庭を助けることができます。
労使協定と言って、雇用者とパパで書面の協定を結んでいる場合はたとえパパが育児休業を申請しても、雇用者側で拒否することができました。このような例外は、改正によって認められなくなります。つまり法的には条件を満たした育児休業の申請は、雇用者側から拒否できなくなるのです。
厚生労働省は育児・介護制度の改正によってパパの育児参加を勧め、子育てに対する意識を高めて少子化対策を進めようと考えている部分があります。しかし、実際はパパが育児休業をとりたいのかどうかです。
パパにとっては、仕事や貯蓄を続けることも家族を思うからこその努力です。育児休業を取得して子育てを手伝うこともママへの労わりであると同時に、社会的な立場を変えることなく休業できるかは、働くパパにとって心配なところです。
また、実際に育児休業を申請して、休んでいる間の仕事をどうするのかなど周囲への配慮も気になります。法的には認められた育児休業制度ですが、実際に取得するとなると抱えている仕事は引き継ぎが必要になったり、周囲の仲間の仕事量が増えることも予想されます。
法で定められているとはいえ、周囲の協力は不可欠です。育児休業を考える際は会社や雇い主への相談、周囲に理解してもらって少しでも気持ちよく育児休業に入りたいものです。
そういった周囲へのフォローも考えると、パパが簡単に育児休業を申請して希望通りに復職することへのハードルはまだまだありそうです。
しかし、こうして育児休業制度が改正されたことで、これからパパが育児に携わる機会がどんどん増えるきっかけになるかもしれません。社会全体で子育てを考えていくためには、育児休業制度をパパやママだけでなく、雇用者側や周囲も理解する必要があります。