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日焼け止めのSPFとは

日焼け止めに記載されている「SPF」をどんな基準で選べば赤ちゃんの肌に効果的なのか、パパママにわかりやすく育児目線で解説します。

寝返り成功の赤ちゃん

2020/12/23

日焼け止めに記載されている「SPF」をどんな基準で選べば赤ちゃんの肌に効果的なのか、パパママにわかりやすく育児目線で解説します。紫外線を浴びやすい季節は、赤ちゃんの肌に負担なく日焼け止めを活用したいものです。大人の日焼け止め選びとは、ちょっと違う視点で考えました。

SPFはなんの略?

そもそも「SPF」ってなんの略語なのでしょうか?答えは「Sun Protection Factor」の頭文字3つを取り上げた略語です。

日焼け止め剤のパッケージに表示してある場合、その効果を数値化していることになります。だからSPFの次には数字が書かれていますね。

SPFの数値の意味

SPFの効果

日焼け止めクリームや乳液を選ぶ時「SPF15」と「SPF30」があったとしたら、なにが違うのでしょうか?SPFの数値で効果が変わるのなら、数値が高いほうが良い気もしてしまいます。

SPFの数値は、UVB波をどれだけ防ぐことができるかの防御指数です。基本的にはUVBが肌に影響を及ぼすために必要な時間は20分だと考えられています。

つまり20分間、紫外線を浴び続けると波長の短いUVBが肌表面にダメージをあたえてしまうということです。私たちは20分間、紫外線を浴びると肌が赤くなってくると考えられています。赤ちゃんだったら肌が敏感だから20分も待たずに赤くなる可能性もあります。

これをSPFがどう防御するのかというと、ますはSPF1を基本とします。肌が赤くなるのは20分程度だと言われているので、SPF1を20分とします。

SPF1を基本の20分としてSPF15だと、20分×15倍で300分までUVBのダメージを防御します。300分というと5時間ですね。SPF15で5時間の防御効果が期待できるという計算になります。

本当にSPF15で5時間日焼けしない!?

実際にSPF15の日焼け止めを塗ったところは、5時間日焼けしないのでしょうか?それでも日焼けしてしまうこともあるんです。日焼け止め剤は、肌にしっかり残るものの、汗や皮脂で元の場所からどんどん流されてしまいます。汗っかきの赤ちゃんなら、なおさらです。

汗や皮脂に対抗して、しっかり塗った場所にとどまって紫外線を防ぐためには、しっかり厚塗りレベルで肌に塗布する必要があります。ということは、ベッタリ塗らないとSPF15の効果が持続できない場合もあるとわかります。

わかったところで、赤ちゃんの肌にべったり日焼け止めを厚塗りすることができるのかといったら、少し躊躇してしまいます。

実際にそこまで日焼け止めでベタベタな赤ちゃんも、あまろ見かけませんね。どんなに効果があると言っても、赤ちゃんの肌になにかを厚塗りすることで、逆に敏感な肌を痛めてしまわないのか不安です。

SPFの数値を高くしたらどうなる?

SPFの数値を高くしたら、赤ちゃんの日焼けはさらに防げるのでしょうか?ここまで読んで、なんとなく気がついたパパママもいると思いますが、SPFの数値は「どれだけの時間、防御できるのか」を判断します。 「どれだけレベルの高い防御壁を作れるのか」ではなく、「どれだけの時間防御し続けることができるのか」なんです。SPFは、攻撃力ではなく防御力の持続性を表しているんです。

つまり、先ほどの計算通りSPF15で5時間の日焼け止め効果だとして、SPF20の場合は20分×20倍で400分までUVBのダメージを防御することになりますね。400分というと6時間40分ですから、およそ6~7時間防御効果が期待できるとわかります。ただし、これも、ムラなくしっかり塗布して汗などで流れおちなかった場合です。

だから、紫外線の強い夏日に30分お散歩するとしたら、SPFは15でも20でも大丈夫ですね。

新生児に安心なSPFは?

赤ちゃんの日焼け止め

では、新生児でも安心なSPFの数値はどの程度なのでしょうか?知りたいのは「SPFの数値が高いと、肌にダメージを与えるのか」です。

SPF数値が高ければ、高いほど紫外線から肌を守ってくれる効果が期待できますが、SPFに関連する成分は肌荒れや乾燥の原因にもなります。だから数値が高ければ紫外線は防げるけれど、肌の負担も「まったく無い」とは言い切れないのです。

例えば、SPF50は20分×50倍で1000時間(!)です。こんなに連続して外にいることは、普通あり得ませんよね。だったら肌の負担を考えて、もうちょっと低い数値で現実的に外出時間と照らし合わせて決めたほうが安心です。

あまり外出の少ない新生児なら、一時的な外出ではSPFは最低限の数値のほうが安心です。1歳前後の赤ちゃんでも、24時間紫外線を浴び続けることはないでしょう。

どんな日焼け止め剤が良いの?

またSPFの肌の影響を考えたら、数値だけではなく成分もチェックしてください。

最近のベビー用日焼け止め剤にはほとんど使用されていませんが、「紫外線吸収剤」という成分は赤ちゃんの肌にダメージを与えます。選ぶ時は「吸収剤不使用」「ノンケミカル」という表示がおすすめです。海外の商品は、日本の基準と異なるのでよくチェックしてください。

他にも新生児をはじめ赤ちゃんは肌が薄くて刺激を受けやすい、超敏感肌です。大人の日焼け止め剤では不要な成分で肌にダメージを与えてしまうことが心配です。赤ちゃんに必要な成分だけを使用したいと考えたら、ベビー用が安心です。

もっと赤ちゃんを紫外線から守りたい

外出時間の少ない赤ちゃんの日焼け止めには、そんなに高い数値のSPFにこだわらなくても大丈夫だとわかりましたが、それでも「絶対に肌にダメージを与える紫外線を浴びせたくない」と思うのは親心です。

頭皮には帽子

そもそも赤ちゃんの肌は日焼け止め剤だけでは、紫外線を防ぎきれません。例えば頭皮までベッタリと日焼け止め剤は塗りませんね。頭皮の日焼け予防には、赤ちゃん用の帽子が適しています。

帽子はデザイン性同様に、赤ちゃんがかぶりやすいタイプを選んでください。メッシュ素材を組み合わせていたり、家庭で洗える帽子は毎日活用できます。

ベビーカーにサンシェード、UVカット機能

ベビーカーに乗った時は、簡易で取り付けられるサンシェードも、日射しを直接当てないだけではなく、赤ちゃんの体温上昇を防ぎます。

赤ちゃんがベビーカーでお昼寝する時、UVカット機能のある薄手の膝掛けがあれば便利です。

UVカット機能のカバーをわざわざ購入するのを迷う時は、ママの羽織物でUVカット機能のある服を購入してもよいでしょう。UVカット機能のある素材を使用したカーディガン等、赤ちゃんがお昼寝したら、掛けてあげましょう。

日焼け止め剤の数値だけに頼らず、日射しを直接肌に当てない工夫も取り入れましょう。もっと赤ちゃんの肌を紫外線から守ることができます。

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