尿路感染症は高熱が出て、発熱を繰り返します。大人なら、この時点で頻尿や排尿痛に気が付きます。赤ちゃんは症状を訴えられないので診断が遅れがちです。
2020/12/20
尿路感染症は尿の通り道が細菌感染し、炎症を起こす症状です。
炎症の場所によって診断名が変わりますが、赤ちゃんは原因箇所の特定が難しい為、総称して尿路感染症と診断されます。おむつ期の3歳までに多く見られる症状です。
尿路感染症は高熱が出て、発熱を繰り返します。
大人なら、この時点で頻尿や排尿痛に気が付きます。
赤ちゃんは症状を訴えられないので診断が遅れがちです。
陰部の症状によって機嫌が悪くなり、食欲不振になる場合も。
症状が進むと、嘔吐や黄疸も発症します。
尿路感染症の場合、赤ちゃんが発熱を繰り返すのに咳や鼻水は出ません。
炎症を起こす部位によって、膀胱炎や腎盂腎炎と診断されます。
大まかな乳幼児の症状は次の通りです。
夏に、主に学童期で発症するのはアデノウイルスのよる急性出血性膀胱炎です。
これは、症状の終りに濁ったコーヒー色の血尿が出ます。
尿路感染症にかかりやすかった赤ちゃんには注意したい症状です。
風邪症状がないのに高熱が出た時は、おむつ替えを注意しましょう。
尿が少なかったり、排尿時に不機嫌になる時も尿路感染症を疑います。
放っておくと腎機関や尿路に異変をもたらす可能性もあるので、必ず受診を。
尿路感染症の原因は、大腸菌等の細菌による感染です。
尿の中に含まれた細菌や白血球が尿路感染症の原因として発見されます。
本来、尿は腎臓で作られて尿路を通って膀胱に運ばれます。
膀胱には少量の細菌が入口から侵入する事もありますが、通常は尿と共に排出されます。
ところが細菌が内部まで侵入すると、細菌を退治する為に白血球が出現するのです。
尿路の腎盂で感染すると腎盂炎、膀胱で感染すると膀胱炎と呼ばれます。
男児では陰茎の先端、女児は外陰部の尿道の入口から細菌が侵入します。
男の子も、まだ包皮と亀頭の間に垢が溜まりやすく細菌が発生しやすい環境です。
特に男の子で、排尿以外の時もおちんちんを触る癖がある子は要注意。
尿や便で汚れたオムツを放っておくと、細菌が感染して内部に侵入します。
また、便が綺麗に拭き切れていないと、同じように感染原因を作ってしまいます。
尿路感染症の診断は、採尿での原因菌の確認です。
しかし赤ちゃんは思った時に採尿できない事がほとんど。
尿の出口に専用のパックを張り付けて採尿します。
その際は外陰部を清浄綿で拭きとり、清潔な処置をしてもらえます。
パック取り付け後は母乳やミルク等の水分を摂らせると早く採尿できます。
それでも採尿が困難な時は、膀胱内をエコー検査します。
エコーで一定の尿量が確認されれば、医師が腹部を刺激して排尿を促します。
細菌と感染部位に応じた処置が行われます。
膀胱炎や尿道炎の場合は、抗生物質を1~2週間程度服用します。
腎盂腎炎の場合は、内服に加えて入院で様子を見る事も。
ここで回復すれば、お薬の継続的な服用は終了です。
しかし、どちらも症状が軽くなったからと、服用途中で薬を止めないように注意。
尿路感染症は癖になりやすく、3分の1の子供が再発しているそうです。
特に急性腎盂腎炎の場合は、赤ちゃんは腎臓も未発達な為、回復できない場合も。
腎臓に疾患を残す可能性もあるので、必ず解熱後も薬は服用させましょう。