かんしゃく

かんしゃくとは、子どもが環境や成長に伴っておこす表現法の1つです。一見、かんしゃくを起こす子どもは怒ってばかりで落ち着きのない性格に捉えがちですが、これも成長過程で必要な気持ちの表現法です。多くは2歳前後から始まり、成長に伴って自分で気持ちをコントロールできるようになります。

かんしゃくをおこす時期ときっかけ

かんしゃくを起こす時期は様々ですが、多くは2歳前後で見受けられます。数回で落ち着くこともあれば、何年か続くこともありますが幼少期にかんしゃくを起こすこと自体は病気ではありません。

目安としては、1人で食事や着替え、歯磨きを行おうとする気持ちが強まった時にかんしゃくを起こしやすいと考えられています。自立しようとする反面、理想通りにできない自分に対する憤りもあるので、一過性の行為がほとんどです。

また、妹や弟が生まれた時に感じる母親を独り占めできなくなる寂しさや不安から、かんしゃくをおこすこともあります。この場合は年齢に関わらず、気持ちの表現ができない時に起こします。

かんしゃくの症状

子どもがかんしゃくを起こすと以下の行動が挙げられます。これらは一般的に目立つ症状ですが、実際はひとりひとりの性格や環境、体調によって様々な行動を起こします。

・周囲の勧めることを拒否(反発)する。
・周囲の友達と同じことをしたがらない。
・積極的に遊ぼうとしない。

・力を入れて足を踏みならしたり、近くのものを蹴る。
・気にいらないと大声を出したり叫ぶ。
・その場にしゃがみ込んでしまう。
・寝そべったり床を転げまわる。

子どもは顔を真っ赤にして怒った態度を示しますが、何に対して怒っているかは不明瞭な場合もあります。怒りの発散法はそれぞれで、子ども自身がイライラした表情になったり、手や足で乱暴な行動をとる、とにかく声で発散するなど様々です。

問題は、時と場所を選ばずにかんしゃくを起こしてしまうことです。症状が出ると親は子どもを静かにさせたり、落ち着かせなければならないので、ついつい怒ってしまいがちです。しかし、親に怒られると余計にエスカレートしてかんしゃくを起こすこともあります。

逆に親がかんしゃくを治めるために子どもの言うことを何でも聞いてしまうと、気にいらないことがある時はかんしゃくを起こせば思い通りになると、誤った考えを持ってしまうこともあります。

かんしゃくの原因

かんしゃくの原因は様々です。子どもの性格や、周囲の環境によって下人も違うので簡単に判断できない部分です。以下は、よく挙げられる原因ですが、原因は様々なので当てはまらない子どももいます。

・体調不良や疲労。
・空腹に耐えられない。
・どうしても、今やるべきことをしたくない。
・与えられた環境に自分からなじめないでいる。
・欲しいものが手に入らず、欲求が満たされない。
・親(相手)に上手に気持ちを伝えることができない。
・親(相手)の注意を自分にひきつけたい。

共通していることは、これらの気持ちに対して自分でコントロールができずにいることです。自分の気持ちを制御できず、どうしてよいか分からない気持ちが態度に出てしまうのです。

かんしゃくの対処法

かんしゃくを起こした時は、公共の場や周囲に人がいる場合は移動して、子どもと向き合える静かな場所に移りましょう。もしも、歩きたくないという理由で道路で動かなくなった場合、すぐに抱っこしてしまっては子どもの言いなりになっているように捉えられるかもしれません。

しかし、公共の場や道路では周囲に対する配慮と事故を防ぐためにも、長い間かんしゃくを起こしている子どもは抱き抱えるなりして移動させましょう。道路の真ん中でかんしゃくを起こしている時は、端に移動させるだけでも事故を防げますし、子どもと話すスペースを作ることができます。

この時、周囲に迷惑だからと頭ごなしに叱ると、子どもは自分を理解してくれる相手がいないと思って更に反発することがあります。先ずは親が叱りたい気持ちを抑えて、向き合える場所に移動するのも1つの方法だと言えます。

ストレートにかんしゃくを止めるように忠告しても、子どもはパニック状態で理解できないことが多く見受けられます。先に抱きしめたり背中をさすって気持ちの高揚を落ち着かせることが効果的な場合もあります。

叱りたい時も、親が子どもの見かたであることを伝えてから忠告すると受け入れやすくなります。かんしゃくを起こす時は甘えたい気持ちがあるので、かんしゃくを起こしてとった悪い行動を指摘するとともに、子どもへの愛情を言葉や態度で示してあげると伝わりやすくなります。

しかし、愛情の表現方法は抱きしめたり背中をさすったり、手を繋いで話すことなどにします。もしも、物を欲しがっている時にかんしゃくを起こして、手がつけられないからと毎回買ってしまうと、子どもはかんしゃくをおこせば買ってもらえると勘違いしてしまいがちです。1度買ってあげたとしても、「次からはよく話してから決めよう」と簡単なルールを決めたりするチャンスだと捉えると、前向きに対処できます。

また、対応する親(相手)も、かんしゃくは成長していく中で通る道だと割り切ることも必要です。毎回かんしゃくの度に自分の子育てが悪いのかと思いつめないように、一過性のものだと認識しましょう。

かんしゃくとわがままの違い

かんしゃくとわがままは、一見同じような行為に見えますが、対処法は少し違います。わがままに対しては、良くない部分は親が教えてあげることが必要です。基本的に、わがままは周囲が迷惑したり困ることを、ある程度承知の上で言うことです。周囲の迷惑よりも、自分の気持ちを通したい気持ちが強いのが特徴で、子どもに限らず大人にも見受けられる行動です。

かんしゃくは周囲の迷惑や困ることを予測する以前に、自分自身がどうしてよいのか分からない状態にいます。行為を叱る前に、気持ちを落ち着かせて愛情を与えることが求められます。

しかし、かんしゃくとわがままは判断しがたいものです。常にそばにいる親なら判断できても、周囲には勘違いされることもあります。けして病気ではないので、そんな時も子どもの味方になってサポートしてあげましょう。