e-育児top育児用語辞典 鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)

鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)

涙をたくさん流すと鼻水も出やすくなるのは、この鼻涙管が目と鼻を繋げているからです。何らかの原因で、このパイプの役割が作動しないと鼻涙管閉塞を起こします。

高い高いされる赤ちゃん

2020/12/20

鼻涙管閉塞とは、涙道という涙の通り道が狭く阻まれて、何もしていないのに涙や目やにが溜まって、多く出てきてしまう症状です。赤ちゃんの場合は、いつも目が潤んでいても泣いているのかと思われがちで気が付く事が遅い場合もあります。

鼻涙管閉塞の症状

鼻涙管閉塞の症状は、涙や目やにが常に出てくることです。何もしていないのに常に目が涙で潤んでしまい、まつげや目尻に目やにが沢山付いてしまいます。通常、赤ちゃんはよく泣く為、涙や目やにも多いのですが泣いた後でもないのに常に目が潤んで目やにが出ている場合は鼻涙管閉塞の症状を疑います。

赤ちゃんはよく泣くので最初は判断しにくい部分もありますが、通常4ヶ月を過ぎると常に泣いている生活も卒業していきます。しかし、鼻涙管閉塞になると空腹やおむつ交換などが満たされているのに涙目や目やにが止まりません。

特に目やには目の周囲に発生して、だんだんと落ちていくものもあれば、こびりついて取れにくくなるとやっかいです。あまりに目やにが多いと目を開けにくくなったり、視野が悪くなって機嫌が悪くなりがちです。また、目やにが常に残ると細菌の感染で結膜炎などの他の目の病気にもなりやすくなります。

鼻涙管閉塞の原因

本来、まぶたの上方で作られた涙は目の表面を潤したり汚れを流して、鼻涙管を通って鼻に流れます。よく、涙をたくさん流すと鼻水も出やすくなるのは、この鼻涙管が目と鼻を繋げているからです。何らかの原因で、このパイプの役割が作動しないと鼻涙管閉塞を起こします。

鼻涙管閉塞の原因は、先天的な原因と後天的な原因に分かれます。先天的な鼻涙管閉塞は鼻涙管(びるいかん)の形成異常です。出生時から涙や目やにといった症状が続いている場合は、先天的な原因が考えられます。先天的な鼻涙管閉塞の赤ちゃんは目薬で治まっても、またいつの間にか症状が出てしまうのが特徴です。

一方、後天的な鼻涙管閉塞は蓄膿症や鼻の病気、結膜炎からの細菌で起こります。これは赤ちゃんだけでなく高齢者にも見られる原因です。鼻涙管は目と鼻を1本で繋げる管なので症状は目に出ても、原因が鼻の異常であることもおかしくありません。

鼻涙管閉塞の治療

鼻涙管閉塞の治療は、軽度の場合はマッサージで詰まりを取り除く事が出来ます。しかし効果が1度で出る保証はないので、長引く場合は適切な処置が必要です。特に先天性の鼻涙管閉塞は、ブジ-という細い針金状の治療具を鼻側の目の端にある涙点から差し込んで鼻涙管に通します。ブジ-で鼻涙管にできた膜を突き破る(開放とも言われます)ことで症状が改善されます。ブジ-は先端が丸みを帯びているので安全に処置ができます。

ブジ-によって鼻涙管の詰まりが開放された後は、再び塞がることを防ぐためにシリコンでできたチューブを涙点から入れて1~3ヶ月ほど留置します。もしもチューブを抜いた後で再び閉塞した場合は、また新たな処置を考えますが、たいていは改善されます。この手術は麻酔は必要ですが、時間はさほどかからないようです。

慢性的に鼻涙管閉塞になっていたり、涙嚢(るいのう)に膿の停滞が認められた時は、慎重な診断のうえで手術が行われることがあります。涙嚢と鼻腔(びくう)を隔てる壁の役割をしている骨を削って涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)をして、新たに鼻と涙嚢を繋げます。

細菌感染による急性結膜炎を起こしている場合は、抗生物質の入った目薬が効果的です。しかし、鼻涙管閉塞そのものの治療を完全にしなければ、常に結膜炎になりやすい状態にあるので注意が必要です。

しかし最近の診断傾向では、1歳前後で自然治癒する赤ちゃんがいることから、症状が著しく悪化していない場合は様子をみて目の洗浄から始めて自然治癒を目指す方法もあります。ただしこれらは医師が診断の結果、判断するものなので、鼻涙管閉塞の症状が疑われる時は早急な診断が悪化や進行を抑えてくれます。

鼻涙管閉塞のマッサージ

鼻涙管閉塞に効果的なマッサージは、閉塞が解消された後、再び再発しないようにする目的もあります。症状が軽い場合はマッサージによって膜が解消されることもあるので、家庭での正確なマッサージも効果的です。

先ず、マッサージをする人の手は清潔に、特に爪は短く切っておきます。ちょうど鼻の上部、目と目の間にある涙嚢(るいのう)を親指と人差し指を優しくつまむようにおきます。この時、赤ちゃんが急に顔をそむけることもあるので片手でつまみ、片手はそっと顔を支えるようにしてあげます。

目の縁を押すように軽く押して10回ほどマッサージします。押した際に目の縁から、溜まっていた膿や目やにが出るかもしれません。赤ちゃんにとっては要らないものなので、肌についたものはガーゼ等の刺激のない布でふき取ってあげます。このような膿や目やに等の不要物が出てくるのはマッサージが正しく行われているからなので安心しましょう。

マッサージあとは点眼をして、清潔を保ちます。マッサージした指で目をこすると細菌が移る可能性もあるので、必ずマッサージした人の手も洗浄しておきます。これを1日3回ほど行いますが、実際行う場合は担当の医師の指示に従ってください。

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