母乳マッサージ

母乳マッサージとは、母親の母乳の出をよくして母乳不足を解消できるケアの1つです。おっぱいの張りから来る痛みや乳管の詰まりからくる乳腺炎の防止にもなります。

母乳マッサージの目的

母乳のマッサージは様々な症状を改善して、授乳を与えやすい体質にします。ママが食べた栄養はそのまま母乳を通して赤ちゃんへ届けられます。しかし、母乳の生成が少なかったり乳管が詰まっているとせっかくの栄養が行き渡らないこともあります。

授乳に適したおっぱい

特に陥没した乳首や赤ちゃんが吸いつきにくい乳首の方は、出産前からのケアが大切です。

赤ちゃんの授乳に理想的な乳首は1センチほどで耳たぶ程度の柔らかさです。乳房自体が大きくても中の乳腺が発達していなければ母乳の出はよくありません。したがって、乳房の大きさは授乳量には影響ありません。大切なのは中の乳腺や乳管の発達と、あかちゃんがくわえやすい乳首です。

現在そうでなくても、マッサージと赤ちゃんが実際に吸うことで乳首も改善されていきます。特に硬い乳首だと赤ちゃんは噛みやすいようなので、早めのマッサージで柔らかくしましょう。

母乳マッサージを始める時期

母乳マッサージを始める時期は産院の指導によって様々ですが、だいたい妊娠36~37週が目安です。乳輪のマッサージと、これから出産後に使う乳首や皮膚部分を外気に慣らす意味合いもあります。そして、出産後に授乳が本格的に始まる前に、自分自身で乳首や乳房の状態を理解しておきます。

ただ、マッサージをすることで子宮の収縮を引き起こしたり早産に繋がることもあります。ケアを始める前に、定期検診時に産院で相談して、必要ならば指示を仰いだ方が安心です。

妊娠期の母乳マッサージ

一般的には母乳マッサージと聞くと、出産後の授乳期に並行して行うマッサージだと思いがちですが、妊娠中から受けることができます。母乳は出産後に十分出るとは分かりません。そこで妊娠中から、乳管の開通をよくしてつまりにくいおっぱいを作ります。

ただ、刺激を与えて力が入るとお腹の張りに影響します。妊娠期は乳首を中心にしたケアが好ましいです。もしも出産前から母乳育児を決めている場合、産院に相談すると母乳マッサージや指導をしてくれるかもしれません。

産院や医師が、どれだけ母乳育児を勧めているかにもよりますが、産院以外にも元助産師さんが専門マッサージをしているところもあります。

妊娠中にケアすることで、出産後の授乳はスムーズに進みますが、同時に妊娠中から乳腺を発達させるということは妊娠腺が出やすい環境でもあります。専門のクリームなどで早めに予防・処置しましょう。

出産後の母乳マッサージ

出産後はすぐに授乳が始まります。始めは毎日3時間おきの授乳です。赤ちゃんが上手に飲めなかったり、体力が足りなくて十分な量が飲めなかった時は3時間もたたずに欲しがることもあります。赤ちゃんが飲んで新しい母乳を作り続けることも、出産後ならではの母乳ケアです。

母乳不足のマッサージ

赤ちゃんの飲む量に対して母乳の作られる量が足りないと、授乳時間が頻繁だったり授乳後もなかなか寝付かないことがあります。おっぱいを吸うことは赤ちゃんにとっては運動なので疲れて眠っても、飲み足りないと頻繁に目を覚ましがちです。

このような状況が続く時は、乳管や乳腺が詰まり気味かもしれません。乳首にカスが詰まっていることもあります。母乳マッサージで乳房内の乳腺や乳管の通りを開通すれば量も増えて、どんどん新しい母乳が生成されます。

母乳マッサージで乳房内にたまっていたドロドロした古い母乳を出し切ると、母乳も新鮮でおいしくなります。特に赤ちゃんに発疹ができて治らない時は母乳の質も考えましょう。マッサージだけではなく、ママの食事内容も同時に見直します。

母乳過剰のマッサージ

ほとんどが母乳不足でマッサージをするかもしれませんが、母乳が過剰過ぎてもトラブルが起こります。特に新生児や月齢の浅い赤ちゃんは授乳量が少ないので、乳房内に母乳が残ることがあります。この残りが乳腺や乳管を詰まらせるのです。

その為、過剰な時は授乳後に搾乳して乳房内を空にします。ところが脳には赤ちゃんが吸った分だけでなく、搾乳した分までが授乳した分量として伝わります。結果、次は授乳した分に加えて搾乳した分量まで生成されるのです。

あまり母乳生成が過剰になると下着だけでなく服まで母乳が染みることもあり、外出時に気になってしまいます。母乳パッドで染みを防ぐこともできますが、パッドが乳首に当たった状態が続くと細菌に感染してかぶれや痒みが出たり、搾乳で乳腺を痛めて乳腺炎を起こすこともあります。

この場合の母乳マッサージは乳管や乳腺に飲み残された乳汁を出し切って、清潔に空に戻すことです。数週間かけて少しずつ搾乳量を調節していって、赤ちゃんの授乳料相当の母乳の生成に近づけます。

昔は母乳が出なくて授乳できない母親の代わりに、母乳過剰の人が授乳を代ってあげる時代もありました。しかし現在は授乳は親子のコミュニケーションの1つとされていて、足りなくて他人に授乳をお願いする風潮は薄れました。粉ミルクの代用も可能になり、母乳過剰のトラブルは飽食の現代ならではの問題でしょう。

断乳時の母乳マッサージ

1歳前後で離乳食が順調に進んで健康な時には、断乳とともに母乳マッサージで仕上げをします。断乳時は乳房が張って痛みもありますが、一定時期を過ぎると落ち着いてきます。痛みはそれぞれですが、その後は残っている母乳を搾乳しなければいけません。詰まると乳腺炎になって発熱や痛みが増します。

絞りすぎも逆効果です。この時、専門の母乳マッサージをうけてトラブルを防ぎながら断乳ケアをすることができます。また、様々なアドバイスや経験談も断乳の行程において心強いものです。