ビタミンKは胎内で胎場を通過できない為、出生時はビタミンKが足りない状態です。ビタミンKは脂溶性ビタミンで血液の凝固因子生成に関わり、骨の形成にも役立ちます。
2020/12/20
新生児メレナとは、新生児がビタミンK欠乏症による消化管出血を起こす症状です。別名は新生児出血症や真性メレナと呼ばれ、母乳育児の赤ちゃんにも多く見られます。
新生児メレナの代表的な症状は茶褐色の吐血と血便です。
初期の血便は赤みと言うよりはコールタールのような血便です。
症状が悪化すると、茶褐色からはっきりとした鮮明な血が混じります。
他に皮下出血、臍出血もみられます。
消化管で出血しやすく、出血場所によっては危険な状態に陥る事も。
生後3週間以降で新生児メレナと診断された場合、頭骸内出血の恐れも。
新生児メレナは大きく2種類に分類されます。
1つは症状がビタミンK欠乏による真性メレナ、もう1つは仮性メレナです。
仮性メレナは出生時の母親の血液を排泄するため同じように吐血や血便が出ます。
授乳の際に乳首から出血を飲んだ場合も、同じく排泄目的で血便が出ます。
勿論これは飲んでしまった血液を出しただけで、ビタミンK不足によるものではありません。
吐血や便の血液を検査して成人のヘモグロビンならば仮性メレナ、治療は特に必要なし。
新生児メレナの原因は、出産時のビタミンKの蓄積量不足がほとんど。
ビタミンKは胎内で胎場を通過できない為、出生時はビタミンKが足りない状態です。
ビタミンKは脂溶性ビタミンで血液の凝固因子生成に関わり、骨の形成にも役立ちます。
つまりビタミンKが不足すると血液が固まりにくくなるので出血しやすいのです。
まさに出生後の赤ちゃんは血液が固まりにくく、そこへ腸内細菌が重なって出血に至ります。
新生児メレナは消化器官の粘膜からの出血が原因ですが、進行すると脳内出血を起こす事もあります。
新生児メレナの治療法は、ビタミンK2の投与で不足分を補う事です。
出血が多量で乳幼児が貧血を起こしかねない場合は輸血も併用。
殆んどの産院では出生時と退院時、1ヶ月健診時にビタミンK2シロップを飲ませます。
これによって新生児のビタミンK不足が補われ、新生児メレナの予防になります。
現在はこの予防法で新生児メレナの発症は減少しています。
また、母乳のビタミンK不足を補う食生活も心がけましょう。
しかしビタミンKは脂溶性なので過剰分は排泄されずに体内に蓄積されます。
その結果、新生児黄疸が強く出てしまい核黄疸から脳に影響を与える事も。
妊娠後期は新生児メレナになりやすいかどうか検査する事も。
妊娠期は毎日の適度な摂取を心がけると安心です。
ビタミンKは抗生物質やホルモン剤には弱いので、出産までは注意しましょう。
体内には食材接種と腸内細菌から生成された2つの種類があります。
骨の形成にも関わり骨粗しょう症の予防にもなります。
手軽に摂取できてビタミンK含有量が多いのは納豆、特にひきわり。
他は小松菜、つるむらさき、海藻類、パセリ、モロヘイヤ、鶏肉、チーズ等。
通常は欠乏まで行きませんが、妊娠期と授乳期は頭の隅に覚えておくと便利。