急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)

高熱や、外部からの細菌感染で突然おこる耳の異常です。放っておくと難聴や鼓膜の破れに繋がったり、慢性化します。次第に耳の聞こえが悪くなったり、痛みを伴うので、赤ちゃんも機嫌が悪く良く泣きます。母乳の飲み具合も悪くなります。

急性中耳炎の症状

一見、耳を見ただけでは中耳炎とは分かりません。鼓膜は通常ピンク色です、しかし感染すると赤く腫れます。

鼓膜が赤くなると痛みを伴う上に、聞こえが悪くなります。唾を飲み込むと耳の内側でポワンとして、自分の出す声が耳の中で響くこともあります。その為、聴力の変化に不安やストレスを募らせ、不機嫌になりやすいのです。

吐き気や嘔吐、食欲不振、季節の変わり目は風邪と併発しやすく、咳や鼻水を伴います。咳をしたり頻繁に鼻をかんで鼓膜に響くことで、炎症をおこした鼓膜が破れる時もあります。

特に赤ちゃんは泣きながら、しきりに耳を触りがち。泣いたり泣きやんだりを繰り返します。逆に自分以外の他人が耳を触ると、痛がって嫌がる赤ちゃんが多いようです。しばしば、寝入り間際の体が温まった状態では痛みが強く感じられます。

鼓膜から膿(耳漏)が出ていると急性中耳炎と診断され、この膿が2次感染に。膿は黄色い濁色で臭気があり、血が混じる事も。触って解るようなら鼓膜破裂の疑いも考えられます。急性中耳炎の場合は鼻水と口臭に注意、特に黄色い鼻水の時にかかりやすい症状です。

年齢が上がると風邪の時に、鼓膜に強い痛みと赤みを持つ鼓膜炎になります。その後で中耳に膿が溜まる中耳炎になりやすく、急性中耳炎自体は乳幼児に特に多い症状です。

ちなみに耳がポワンとする症状は、中耳炎にならなくても経験します。飛行機などで耳が詰まったようになるのは、耳管が気圧変化で塞がるからです。飲み物を飲ませたり、何か食べさせていれば治ってしまいます。

急性中耳炎の原因

ほとんどは風邪等の細菌やウイルス感染が原因です。アレルギーを保持する赤ちゃんは、それが中耳炎の原因になることもあります。

通常は耳管が耳の中の雑菌や埃などの不要物を、液体や粘液として鼻に流します。つまり、鼻水には鼻の不用物以外に、耳の不用物も含まれているのです。ところが赤ちゃんは、耳管が未発達で短く水平な上、不用物の処理も未発達。

ほとんどの時間を仰向けで寝ている赤ちゃんは、耳管の流れが悪くなりがちです。短くて細い耳管は風邪やアレルギーで炎症をおこして腫れると、容易に塞がります。その為、赤ちゃんの風邪が進行すると、大人よりも早いスピードで急性中耳炎になります。

耳管を通ったウイルスや菌は、中耳腔に入り炎症をおこして膿を溜めます。プールや海で耳に水が入っただけでは、簡単に中耳炎にはならないと言えます。

鼓膜から耳の入り口までの外耳道に分泌される粘液を、耳だれと呼びます。急性中耳炎では、耳だれが停滞している限り赤ちゃんは耳を痛がります。この耳だれが膿で、中耳腔に溜まって耳の聞こえを悪くするのです。綿棒で耳を掃除して液体がよく出ている時は耳だれかもしれません。

急性中耳炎の治療

鼓膜が破れて中耳腔に停滞していた膿が流れれば、酷い痛みは消えます。鼓膜が破れることは簡単ではなく、それなりに耳の中で異常が起こらなければ破れません。

鼓膜は数日でくっついて自然と再生します。しかし、むやみに自然放置で鼓膜破裂させると、将来何らかの影響をもたらす可能性もあります。その為、鼓膜が破れる恐れのある急性中耳炎では、医師の判断で切開することもあります。

急性中耳炎の鼓膜切開は鼓膜穿刺(せんし)と言い、耳の穴から鼓膜に小切開を入れます。そこから膿を排出させ、2次被害を防ぐ為にも鼓膜が再生するまでは雑菌等の注意が必要です。

たいていは抗生物質、場合によっては点耳薬やステロイドが処方。急性期の痛みは鎮痛剤、炎症に対しては抗生物質が多く処方されています。また、高熱に対してはイブプロフェン等の解熱薬を使用、熱による鼓膜の炎症を防止。

急性中耳炎を繰り返して慢性中耳炎になると、全身麻酔の手術も考えられます。チューブを入れて膿の排出経路を人工的に作ります。これは最後の手段です、何度も通院して数ヶ月の期間を費やします。

ここまで悪化させない為にも、急性中耳炎になったら完治まで治療を怠らない事が大切。鼓膜はハロゲンライト等で照らしながら医師が見ないと、完治したかは分かりません。痛みが消えても必ず、再受診して完治の確認をしましょう。

もしも診察前に耳だれが出たら厚めのガーゼを当てて、赤ちゃんが触れないようにしましょう。あまり指で触ったりしていると、逆に細菌が入ってしまいます。

急性中耳炎の予防

確実に予防できる薬や方法は解明されていません。しかし、赤ちゃんの急性中耳炎のほとんどは風邪からの併発なので、その予防をします。

・十分な栄養と睡眠で基礎体力をつける。
・鼻水を溜めない、鼻詰まりは早めの処置。
・鼻風邪の際は、鼻水を強く吸わないように注意。
・煙草や埃のある環境は鼻とのど粘膜を刺激する、換気と掃除を頻繁に。
・掃除の際は掃除機だけで終わらせず、最後に雑巾で拭いて塵を残さない。
・保育園など集団生活で風邪が移ると、急性中耳炎に感染しやすいので注意。
・赤ちゃんの水平な耳道の流れを作る為、風邪の時は枕等で体より頭を高めに寝かせる。

中耳炎は1歳までに多くの赤ちゃんが経験しています。
最初は癖になって、風邪の度に併発するかもしれません。
きちんとケアしていれば、成長するにつれて減っていく傾向にあります。