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赤ちゃんのアレルギー性結膜炎

乳幼児のアレルギー性結膜炎についてわかりやすく説明します。視力が未発達な赤ちゃんに影響がないか心配になります。

ミルクを与えるママ

2020/12/20

乳幼児のアレルギー性結膜炎についてわかりやすく説明します。視力が未発達な赤ちゃんに影響がないか心配になります。なかでもアレルギー性結膜炎は慢性化しやすく、適切な治療や家庭の環境チェックも大切です。

アレルギー性結膜炎は、2歳以降から目立ち始めますが、それまでの環境が影響していることも考えられるので早めに知っておくことが大切です。

アレルゲンについて

赤ちゃんがアレルギー性結膜炎にかかるきっかけは、いくつかあります。まずアレルギーは人それぞれです。

もしも赤ちゃんにとってアレルギー反応が出る物質があれば、それがアレルギーの原因であるアレルゲンです。

アレルゲンに関しては、個人で異なるので医師の判断で検査をします。同じアレルゲンでも、目に症状がでない赤ちゃんもいれば、目やにが多い赤ちゃん、痒みが目立つ赤ちゃんなど様々です。

アレルゲンがある限り、アレルギー性結膜炎は完治しません。症状が治まっても、また何らかのきっかけでアレルゲンが反応してアレルギー性結膜炎の症状があらわれるのです。

アレルギーとヒスタミン

赤ちゃんの目がアレルギー症状をひきおこすとき、ヒスタミンという物質が活動しています。

アレルゲンのある赤ちゃんの目に、アレルゲンが侵入したとします。赤ちゃんの体はヒスタミンが増殖して血中に流れ込みます。ヒスタミンは血管拡張や痒み、腫れをひきおこす原因になる物質です。

ヒスタミン中毒といって、食品に多量にヒスタミンが含まれているばあいは食中毒をおこすこともあります。体にとっては嬉しくない症状をひきおこすのですが、ヒスタミン自体はアレルゲンにたいして攻撃をしている免疫物質なのです。

体内にはいったアレルゲンを攻撃して除去しようとしますが、脳には痒みとして伝わります。

だからヒスタミンが働いていること自体は、アレルゲンに対抗していることで悪いこととは言えませんが、神経を伝わって感じる症状が痒みや腫れなど不快症状だから困ってしまいます。

ハウスダストによるアレルギー性結膜炎

ハウスダスト

アレルゲンとヒスタミンの攻防がわかったところで、アレルゲンについてもう少し深く説明します。赤ちゃんの目にアレルギー症状をおこすアレルゲンも様々です。同じ環境下で育ててもアレルギー症状の有無があります。

なかでもハウスダストによるアレルギー性結膜炎を、通年性結膜炎(つうねんせいけつまくえん)と呼びます。

ハウスダストの種類や数に変動はありますが、1年を通して季節に関係なくハウスダストは存在します。

ハウスダストとはダニやカビといった微生物のことです。赤ちゃんは、ハイハイや寝返りで床に寝ころぶことも多いので大人よりも床状のホコリやダニの影響を受けます。

全ての動物ではありませんが、動物から落ちる毛やフケもアレルゲンになるので、呼吸器官の未発達な赤ちゃんとの同居は充分気をつけましょう。

つまり通年性アレルギーの場合は、環境が変わらない限り軽快しにくいです。ベビー布団や室内だけではなく、普段乗る自家用車や、赤ちゃんが遊ぶプレイマットにまでダニやカビは繁殖する可能性があります。

お気に入りのぬいぐるみも注意してください、見た目がきれいでも、赤ちゃんのよだれが残った場所から時間がたつにつれて雑菌が繁殖しやすくなります。

花粉によるアレルギー性結膜炎

赤ちゃんも花粉によってアレルギー性結膜炎を引き起こす可能性があります。といっても、母体からの免疫によって新生児期から症状が出ることはあまりないようです。

ただ花粉の飛散する時期に出かけることは、アレルギー反応がでなくても目の周辺に花粉が付着することに変わりはないと考えてください。

アレルギー性結膜炎の主な症状

アレルギー性結膜炎は、とにかく目と目の周辺が痒くなります。ヒスタミンが脳に痒みを伝達するからです。

白目が赤くなって涙がでるので、いつも目の周辺がショボショボしています。それを手指でこすることで、薄い皮膚が刺激されてヒリヒリし始めます。

痒みが我慢できずに、赤ちゃんは爪で皮膚を引っ掻いてしまいがちです。目の周辺を引っ掻いているようなら、早めに眼科で診断を受けてください。さらに傷口から雑菌がはいることが心配です。

春季カタル

子どものころからアレルギー性結膜炎になると、毎回シーズンごとに症状が出やすい傾向になります。

症状が悪化して慢性化すると、春季カタル(しゅんきかたる)と呼ばれます。

小学校の男児に多く、思春期を迎えるころには軽快しはじめて徐々に治っていきます。

赤ちゃんのうちは心配ないことかもしれませんが、今からアレルギー性結膜炎のアレルゲンになりそうな物質や環境を除去して、整えていくことが大切です。

アレルギー除去が大切

どちらにせよ、ハウスダストでダニが発生した場合、やわらかい赤ちゃんの肌はダニに刺されやすく危険です。

体温高めで常にねんねをしている赤ちゃんのお布団は適度に温かく、汗で適度に湿り気もあり、そのうえ皮膚や髪といったダニのエサになりやすいものもあります。

いまアレルギー症状がなくても、このような環境を清潔に保たないでいれば、いつかはダニがアレルゲンになることも考えられます。

もしも赤ちゃんがまだアレルギー性結膜炎になっていなくても、ハウスダストや花粉などを除去する習慣を作ってください。子どもの目が赤く痒くなってしまってからでは遅いのです。

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