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サードハンドスモーク、知っていますか?

サードハンドスモークとは、タバコを吸って消したあとの残留物から、わずかに出ている有害物質を吸引してしまうことです。

寝返り成功の赤ちゃん

2020/12/24

サードハンドスモークとは、タバコを吸って消したあとの残留物から、わずかに出ている有害物質を吸引してしまうことです。三次喫煙(さんじきつえん)や残留受動喫煙(ざんりゅうじゅどうきつえん)とも呼ばれます。聞き慣れない単語ですが、子育て家庭にはぜひ知ってほしい話です。

タバコのにおい残っていませんか?

タバコ

タバコを吸っている人がいなくても、タバコ臭が気になるときはありませんか?

タバコを吸っている人のそばに立つと、その場で喫煙していなくても、どこからかタバコの臭いがすることもあります。旅行先のホテルでも喫煙者用の部屋は、タバコ臭が完全には消えていないケースがあります。

そんな残されたタバコ臭に気がつくのは、タバコを消した後にも出ている有害物質がその場に残ったり付着していて、それを吸ってしまっているからです。

つまり、誰も喫煙していない場所でタバコのにおいに気がついている時点で、タバコから発生した有害物質を吸引している可能性があります。

吸殻に含まれる有害物質

喫煙後のタバコの吸殻(すいがら)に含まれる有害物質について説明します。

タバコを吸った後、火を消していればもう有害物質も発生していない、あるいは減少していると思われがちです。実際は喫煙者に心配されるような影響が、喫煙後も続く可能性が高いと考えられています。

タバコの火を消した後も、室内や車内にはニコチンが残っています。ニコチンは空気中の亜硝酸(あしょうさん)とゆう窒素と結合すると、ニトロソアミンという物質を発生させます。

ニトロソアミンのなかには、発がん性が高いと呼ばれている成分もあるので、赤ちゃんに吸引させることは避けるべきです。

カーテンやソファーのタバコ臭

喫煙後の室内をチェックしてみてください。一見、壁も家具もタバコのヤニで汚れていないように見えるかもしれませんが、目視では確認できないタバコの残留があると考えてください。

気をつけたいのは、赤ちゃんへの影響ですから、赤ちゃんの目線や動きを考えてチェックすることをおすすめします。例えばカーテンは見るだけではなく、赤ちゃんがカーテンに触ったり顔を近づけていないいないばぁ遊びをすることを想定してください。実際に顔を近づけてタバコ臭を確認します。

ソファーも同じです。大人は座ってみてタバコ臭が無ければ安心しがちですが、赤ちゃんをはじめ乳幼児はソファーに横になったり顔を近づけます。カーテン同様、顔を近づけてみてください。

床やカーペットは要注意

床やカーペットの汚れは、掃除機やコロコロテープでホコリを除去するだけで終わりがちです。しかし肝心の臭いは、なかなか消えないものです。この臭いのなかにはサードハンドスモークに繋がるタバコの残留物質が含まれている可能性があります。

大人はなかなか、カーペットに顔をうずめることはありませんが、赤ちゃんはどうでしょうか?お昼寝やおむつ交換、ずりばい、はいはい等、赤ちゃんの動きは床に近い場所で行われることが多いのです。

大人が気付かないうちに、繊維に付着しているタバコから発生した有害物質を舐めたり吸引しているかと思うと心配です。

サードハンドスモークによる健康被害

サードハンドスモークが原因で考えられる健康被害は、呼吸器官やアレルギー症状の悪化です。

赤ちゃんの場合は乳児突然死症候群の原因の1つという説も聞きますが定かではありません。ただ、それだけ赤ちゃんの呼吸器官に影響を及ぼすのは確かです。喘息や気管支炎にかかる確率が上がるのは心配です。

また、タバコの吸い殻から発生する有害成分が急激に吸引されると、下痢や嘔吐、腹痛をひきおこす可能性があります。

サードハンドスモーク対策

換気の徹底

赤ちゃんがいても換気扇の下なら大丈夫だと思っていませんか?換気扇は目に見える煙は除外しますが、タバコの有害成分全てを除外しているわけではありません。換気扇が回っていても室内にはタバコの煙から発生する物質が残っていると考えてください。

煙が見えなくても吸引してしまうのがサードハンドスモークの怖いところです。換気は時間を決めたり、空気清浄機を併用して徹底しましょう。ただ、窓を空けて換気しただけではサードハンドスモークの原因となるタバコの残成分を100%除去できないケースが多いようです。

喫煙場所

副流煙

喫煙するときは、できる限り決められた場所で、赤ちゃんが近づかない場所を選んでください。サードハンドスモークは喫煙者に付着しているタバコの残成分も原因です。喫煙中に赤ちゃんに近づくことは避けるほうが安心です。

少なくても喫煙後30分は赤ちゃんを遠ざける、タバコ臭のついた服は着替えるなどの配慮も大切です。

布製品の洗濯

毎日洗わないようなカーペットやカーテンには、タバコ臭がずっと残って染み込みやすいので気をつけたいです。

天気の良い日はこまめに洗濯ができるように、洗濯・乾きやすい素材を選ぶと便利です。簡単に洗うことのできないカーペットも水拭きと空拭きで、表面の汚れを除去するだけでも変わります。同じように畳やフローリングも、掃除機だけではなく拭き掃除を取り入れましょう。

衣類の洗濯と干しかた

サードハンドスモーク対策には洗濯も必須です。自分では喫煙していなくても、喫煙者の近くにいることで衣類に有害物質が付着します。こまめに洗濯しましょう。

洗濯ものを干す場所は、風通しがよく喫煙場所から離れている場所が安心です。例えば、室内で喫煙することを控えて洗濯ものを干しているベランダで喫煙してしまうのは、悪循環です。濡れている洗濯ものにはタバコの煙や有害物質が付着しやすいのです。

赤ちゃんのための禁煙

サードハンドスモークによる健康被害は、器官の未発達な赤ちゃんほど大きく影響を受けてしまいます。もしも赤ちゃんの健康を損ねたくない場合は、極端に考えれば禁煙が最も確実です。

喫煙者にとって、禁煙は簡単なことではありませんが、赤ちゃんの健康を考えると禁煙の理由は充分にあるのです。まずはサードハンドスモークを知ることからはじめてみてください。

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