乳歯が生える時期

赤ちゃんの歯は乳歯

赤ちゃんの口は、最初は歯が生えていない状態です。でも、稀に出生時に歯と思われるものが生えている場合もあり、歯の成長は人それぞれです。

最初に生える歯は、パパやママの永久歯よりも小さくて本数も12本ほど少ない20本しか生えそろいません。これが乳歯です。赤ちゃんは乳歯を使って、離乳食から食事をする練習を積みます。

乳歯の一生は、永久歯が生えるまでの期間です。永久歯が生え始めると、乳歯は押し出されて抜けてしまいます。乳歯の生える時期や、どのような順番で生えるパターンが多いのかをイラストを使ってわかりやすく紹介します。

乳歯はいつから作られている?

乳歯は、赤ちゃんがお腹の中にいる妊娠2ヶ月頃から作られます。妊娠7週目頃に、乳歯の元となる芽ができます。

少しずつ成長して、妊娠16週頃になると乳歯の石灰化が始まります。つまり、ママが妊娠に気がつく頃には、すでに乳歯の元になる芽が発生しているのです。

妊娠10ヶ月では、生えてはいないものの歯肉の中には乳歯のスペースができています。

出生後だと、生後8週頃には歯の上部である歯冠(しかん)が作られています。このように乳歯は1年以上かけて成長しています。永久歯が生えるまでの短い一生ですが、永久歯のように食事もできるように作られています。

1本目は下の前歯

乳歯生後間もない赤ちゃんは自分の手指や足まで、おもちゃにしてしまいます。最初はヒラヒラと手を動かして、不思議そうに見ています。その後はグーのまま口に入れたり、指しゃぶりをし始めます。

そんな遊びとは別に、おもちゃや哺乳瓶の口をカミカミし始めたら「乳歯の生える時期が近付いている」と考えてください。

乳歯は歯肉を突き破って生えます。これを「萌出(ほうしゅつ)」と呼びます。萌出の前は、歯茎がとってもムズムズします、痒いような何か違和感を覚えるようです。

最初は、下の歯が生える場所の中央付近をよくチェックしてください。乳歯の中でも下の前歯は、最初に生える確率が高いからです。

ただし、絶対に下の前歯から生えるとは確定できません。赤ちゃんによって歯の生える順番や、場所が変わることも珍しくありません。もしも最初の1本目がお友達と違っていても、欠けることなく真っすぐ健康的な乳歯であれば問題ありません。

1歳過ぎたら前歯が数本

乳歯前歯から1本はえたら徐々に上下の前歯が生え揃います。この間に、赤ちゃんはさらに歯茎がムズムズするような感覚を経験します。歯固めを与えると、ゴムになっている部分を噛むようになります。

おもちゃや寝具を噛んでいる場合は、歯固めを与えましょう。こまめに洗ったり、濡れタオルで拭き取りやすいシンプルなデザインがおすすめです。

赤ちゃんは歯固めを噛む時に、唾液を沢山付けます。そこに細菌やホコリが付着しやすいのです。だから、洗ったり拭き取りやすいデザインの歯固めが清潔に使い続けやすくて安心です。

歯が生え始めることで離乳食も進みます。最初は飲みこんだり、上下の顎をつかって潰しながら食べていた離乳食を、歯で噛むようになります。歯が数本生えてきたら、ペーストや流動食のようだった離乳食の調理方法も見直してください。

1歳を過ぎると、上下の前歯が数本生えています。歯磨きなど、歯のケアも欠かせません。ただ、まだ上手にブクブクうがいができない赤ちゃんも多いので、赤ちゃんに歯のケアを任せることはできません。嫌がって暴れるかもしれませんが、食後はママが歯を磨いたり詰まった食べものを取りのぞいてください。

2歳までには奥歯も生え始める

離乳食も完了して、大人と一緒の食材を多く食べられるようになる2歳までには奥歯の役割をする第1乳臼歯(だいいちにゅうきゅうし)が生え始めます。

第1乳臼歯と、その奥隣に生える第2乳臼歯が赤ちゃんの奥歯の役割を担っています。本当は永久歯になると、その奥にもう3本程生えますが、乳歯では赤ちゃんの未発達なあごに対応して第2乳臼歯までしか生えないのです。

第1乳臼歯も第2乳臼歯も、永久歯よりは小ぶりですが上部が平たくて、パパやママの奥歯の形に似ています。歯冠(目に見える歯の上部)部分の面積が広いので、それだけ頑丈ですが、同時に虫歯にもなりやすいと考えてください。

赤ちゃんの乳歯でも、食べものの汚れが溜まったら歯垢(しこう)として歯の表面にベタッと貼り付き、永久歯と同じように変色したり歯が溶けてしまいます。だから、奥歯まで乳歯が生え始めたら溝や隙間にはよく注意してください。

自信の無い時は、小児歯科で検診を受けるようにしてください。小児歯科は赤ちゃんの診察にも慣れているので、ちょっと泣いたり暴れても迷惑がられることはありません。

3歳頃までに乳歯列が完成

赤ちゃんが3歳になる頃には、乳歯列(にゅうしれつ)が完成します。乳歯列は乳歯全20本で完成です。もしも「あと1本、まだ生えていない」という歯があっても成長のスピードはみんな一緒ではないので様子を見てください。

乳歯列が完成する頃に注意したいのは、乳歯ならではのトラブルです。赤ちゃんは、あごが発達途中なので発育が進むと乳歯列よりもあごの方が大きく広がります。だから奥歯のさらに奥が、歯肉だけの状態になったりします。

ここで心配なのは、乳歯の歯の表面だけを歯磨きして、隙間や歯の無い部分の汚れを見落とすことです。特に乳歯と乳歯の間は、永久歯よりも隙間があって食べカスがはまりやすいのが難点です。

あとは乳歯の生え方と噛み合わせです。乳歯が斜めに生えていたり、一部が重なって生えている時は汚れが溜まりやすく、永久歯よりも弱い乳歯は影響を受けて欠けたり溶けだします。

乳歯が永久歯に影響

乳歯が生える時期を考えると、乳歯で過ごすのは期間限定です。これを「永久歯が生えるまでの代わりの歯」と、使い捨ての歯のように考えないように注意しましょう。

どうせ抜けるからと、虫歯や生える場所のトラブルを放置していると、歯肉や歯の根っこなど見えない部分が不健康になります。これは歯茎の中で成長過程の永久歯にとって、良質な環境とは言えません。

乳歯の期間は短いけれど、健康な永久歯を作るための環境を整えるためには、今使っている乳歯と歯肉の健康が第一条件です。