とびひの原因と治療のコツ、日焼け跡のホームケア、長引きやすいあせもや、オムツかぶれを予防するコツなど。
2020/12/23
夏の赤ちゃんの肌トラブルについて、予防対策や治療方法をわかりやすく説明します。とびひの原因と治療のコツ、日焼け跡のホームケア、長引きやすいあせもや、オムツかぶれを予防するコツなど。
あせもは1年を通して予防したい肌トラブルです。特に夏は肌表面のコンディショニングが悪くなりがちなので、あせもができると悪化しやすく完治までが長引きます。
あせもが発生すると、ママが汗を放置していたからだと思われることもありますが、赤ちゃんは肌面積が少ないのに汗の出口は大人と同数あると考えてください。だから、もともと大人よりもあせも被害を受けやすいのです。
ここでは、あせもに対して、夏はどんなことを心がければよいのか簡潔に説明します。
赤ちゃんが、よく汗を流す場所を知っていますか?肌着の上から、赤ちゃんの肌を触ってみましょう。脇の下や首すじに、たくさん汗をかいていることが多いようです。
汗をかきやすい場所は肌を露出したほうが涼しくてよいと思いがちですが、全てがそうではありません。脇や首回り、背中など汗を放置すると皮脂汚れとして残ってしまいます。だから綿など汗を吸収できる素材の肌着や服を着せてあげましょう。
汗をかいたらガーゼや吸水性のよいタオルで拭いてあげますが、これだでけでは水滴がなくなっただけで肌表面の汚れが完全に無くなったわけではありません。。
汗は体内から汗腺(かんせん)を通って、汗の出口である肌表面に出ます。この時、肌にホコリや皮脂汚れがあると、出口を塞いだり小さくしてしまいます。
汗の出口がしっかり開けるように、肌表面を洗い流しましょう。コツは強くこするのではなく、よく泡だててホイップのような泡で肌を洗うイメージでやさしく洗い流すことです。
夏に注意したいのは、日焼け止めを塗ったら塗りっぱなしにしてしまうことです。日焼け止めは肌表面を保護してくれますが、汗や皮脂と混ざれば汗腺を塞ぐことになります。
汗をかいたら日焼け止めも洗い流して、もう一度塗り直すようにしましょう。帰宅して日焼けの心配が無くなった時も、洗い流してください。
赤ちゃんの日焼けは、肌が紫外線に慣れていないので大人以上に症状が目立ちます。日焼けは元気に遊んだ証拠ですが、最近は紫外線による肌ダメージも注目されています。
日焼けの予防と、日焼けをしたらケアしたいことを簡単に紹介します。
赤ちゃんの肌に直接、紫外線を浴びせないようにしましょう。紫外線を直接浴びないためには、環境作りが基本です。外出時は赤ちゃんの周りに日陰を作ります。
ベビーカーではフードをおろして、それでも別方向から日ざしが当たる時は取り外し可能な日よけや、タオルをかけて紫外線を遮ってください。
お座りや、歩けるようになった赤ちゃんは帽子をかぶりましょう。日射病の予防にもなります。
日焼け止めは、上手に活用したいものです。というのも、とにかく塗れば良いと考えていると、逆に他の肌トラブルが出てしまうのです。
例えば日焼け止め剤には、それぞれ効果持続時間があります。赤ちゃんが本当に紫外線を予防したいお散歩時間だけなら、その時間だけ効果を発揮できるタイプを選んでください。そして帰宅したら、すぐに洗い流します。
日焼け止め剤の効果持続時間は、SPF表記で判断できます。必ず、乳幼児に使用できるタイプを選んでください。ママの大人用の日焼け止め剤は、赤ちゃんには刺激が強すぎることがあるからです。
もっと詳しくSPF表示について説明しています→e-育児「日焼け止めのSPFとは」
日焼けをしたら、早めに肌を冷やしてあげましょう。日焼けは、軽いやけどだと考えてください。
冷たい水にひたしたタオルやガーゼを肌にあてて、熱を冷まします。肌が痛んでいるので、こすらないでください。氷や保冷剤はタオルに包んで、直接当てないようにします。
肌は冷やさないといけませんが、赤ちゃんは体温調節ができないので冷やしすぎも良くないです。しばらく当てたら離してください。
赤ちゃんによっては、水ぶくれになることがあります。水ぶくれが潰れて、細菌感染すると、とびひになってしまいます。水ぶくれができたら皮膚科で相談してください。
熱をとったら、最後は保水・保湿です。日焼け後のカサカサ肌は、皮膚表面が水分不足で脱水症状を起こしているような状態です。敏感肌向けの刺激の少ない保湿剤やクリーム、ローションを優しく塗ってあげましょう。
とびひは、正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼ばれ、細菌が皮膚に伝染して、薄い膜の水ぶくれができる症状です。
虫さされをかき壊したときに他の病気で湿疹や水泡ができたときに二次的に発生することもあります。とびひを予防する基本と、とびひを見つけた時の対処方法を紹介します。
とびひは、ひっかき傷や潰瘍に菌が侵入することで始まります。だから肌を傷つけないことが第一前提です。赤ちゃんのお世話をするパパママ、赤ちゃん自身も爪の清潔に気をつけましょう。
水泡や湿疹をかき壊して、中にある黄色ブドウ球菌が他に付着してしまうことで広がります。とびひができてからも、爪は短くしてください。
とびひの原因になりやすい虫刺され、あせもは悪化しないように初期治療を心がけてください。
特に痒みが強くなると、赤ちゃんは無意識に患部を触ったりひっかきます。ここで水泡が破れることが多いので、痒みを抑えることは効果的です。
痒みを抑える薬はもちろんですが、汗をすぐに洗い流す、痒みがおさまらない場所は冷やしてあげましょう。
とびひにも種類があって、溶連菌が原因だとかさぶたができやすいようです。でも、黄色ブドウ球菌が原因だと水ぶくれからジュクジュクになります。
どちらも刺激を与えないことは鉄則ですが、石鹸を控えるのは間違っています。患部が悪化して医師の指導があった場合はそちらに従いますが、基本的にはとびひができても石鹸の泡で優しく患部を洗ったほうが清潔が保たれます。
また、とびひは患部に対しての治療と、抗生物質での治療を同時に進めることが完治への近道です。家庭で悪化させる前に皮膚科で指導してもらいましょう。
夏の高温・高湿はオムツかぶれになりやすい環境です。でも、ママがちょっと手をかけるだけで、赤ちゃんのおしりが蒸れにくくなります。
夏のオムツかぶれを予防するコツを、簡単に紹介します。
オムツかぶれを防ぐためには、赤ちゃんの肌にあったオムツを選ぶことから始めます。
どのメーカーも特性のあるオムツを開発していますが、同じ体重の赤ちゃんでも個人差で大きすぎたり小さすぎたりということがあるようです。ピッタリサイズのオムツと、肌荒れしない素材を見つけてください。
夏のオムツ交換では、こまめにシャワーをあてて洗い流すと肌にも優しくて安心です。でも、毎回シャワーを浴びせるわけにもいきませんね。
携帯用のスプレーボトルに、人肌の冷た過ぎない水を入れてシャワー代わりに使用してください。これなら、おしりの汚れにだけシャワーをあてているのと同じです。
赤ちゃんのおしりは濡らして汚れをとると、皮膚を痛めずに済みます。でも、濡れた状態のままでは湿度が急上昇して蒸れてしまいます。
オムツ交換時に、きれいなおしりになったら少し弱い風をあてます。うちわや、使用していないオムツでパタパタおしりを乾燥させてください。
赤ちゃんも風が好きなので喜びます。ただし、長い間当てたりオムツを外しっぱなしにしていると、おしっこをしてしまう時があります。