夏に多く流行する手足口病のウイルス対策や感染しやすい場所、早めに気がつきたい初期症状をわかりやすく説明します。
2020/12/24
夏に多く流行する手足口病のウイルス対策や感染しやすい場所、早めに気がつきたい初期症状をわかりやすく説明します。手足口病の原因となるコクサッキ-ウイルスは確実な予防ワクチンや薬がないので、日常生活でウイルスをよせつけない予防対策が必須です。
毎年、夏になると手足口病が流行の兆しがあります。最近でも過去10年で比べると患者数が最も多くなっているそうです。
都内では乳幼児を中心に感染拡大していますが、大人も感染する可能性があるのでホームケアを徹底してください。
手足口病は毎年7月から8月にかけて流行が確認されていますが、流行し始めてからピークに達するまでの期間が短いと指摘されています。
手足口病が、どうして夏に流行するのか説明します。
手足口病の主な原因とされるコクサッキ-ウイルスは、耐熱・耐湿という夏の環境に強く対抗できる性質をもっています。しかも消毒にも抵抗するので、なかなか除去できないウイルスです。
コクサッキ-ウイルスは湿度の高い場所を好んで生息するので、湿気の多い日本の夏はウイルスにとって好都合の季節なのです。
このコクサッキ-ウイルスですがエンテロウイルス属に含まれていて、A群4型とか6型とさらに細かく分類されています。
手足口病はコクサッキ-ウイルスA群16型。同じように夏に流行する夏風邪のヘルパンギーナもコクサッキ-ウイルスが原因ですが、細かくは手足口病とは別のコクサッキ-ウイルスA群4型や10型が原因です。
このように夏の環境に強いウイルスが原因になっている病気は、夏に流行しやすいというわけです。特に乳幼児に流行するのはコクサッキ-ウイルスコクサッキ-ウイルスA群に関わるウイルスが多いようです。
赤ちゃんが手足口病になったときの初期症状を説明します。
手足口病は発熱から始まります。だいたい38度程度までで微熱でさほど苦しそうでもない赤ちゃんもいます。
発熱と同時期にのどの痛みが始まります。赤ちゃんにとっては、この症状が最も厄介です。のどが痛くて母乳やミルクを飲むことが大変で、空腹が満たされずに不機嫌になります。
次に、口の中に赤い湿疹のようなポツポツができます。やがて潰瘍(かいよう)になって痛みをもちます。同時か少し遅れて、今度は手のひらや足の裏、おしりなどに水泡があらわれます。
水泡は中身が白っぽい米粒のようです。ニキビよりも大きめです。この水泡をかき壊すと、中身の液体が飛び散ります。そこにブドウ球菌が入ると、とびひになることがあるので掻き壊さない方が安心です。
初期症状が出てから、だいたい7~10日で落ち着きます。それまでは、のどの痛みと水泡のかき壊しを注意しましょう。
手足口病に感染しやすい場所の特徴を挙げます。潜伏期間が3~1週間ほどなので早ければ、感染して数日で症状が出始めます。
飛沫感染の多い手足口病は、やはり乳幼児が多く集まる場所で感染しやすいです。赤ちゃんはすぐにおもちゃの感触を確かめたくて、口に入れようとしたり舐めますね。そのおもちゃを他の赤ちゃんと共用していると、おもちゃを介して飛沫感染します。
だから児童館や保育園に通う赤ちゃんは、飛沫感染の機会が多くなります。よだれや、くしゃみ、せきは完全に止めることはできないので、おもちゃを掃除したりコップを回し飲みしないようにします。
おむつ交換では、赤ちゃんのうんちにはウイルスが含まれているので、拭きとった時にママの手や衣服にウイルスが付着する可能性があります。おむつ交換後は、必ず手洗いしてください。
ただ、最初に説明したとおり、コクサッキ-ウイルスはとっても強い耐性ウイルスです。予防ワクチンもないので、どんなに気をつけても感染することもあります。感染してしまった時は、家庭内感染を防ぐことと、赤ちゃんの症状を緩和させることに努めてください。