赤ちゃんを育てながら働くパパママの生活を助ける育児休業給付率が改正されました。
2020/12/24
赤ちゃんを育てながら働くパパママの生活を助ける育児休業給付率が改正しました。参院本会議で3月28日に、従来の半分から3分の2に引き上げることを含んだ改正雇用保険法が可決・決定(施行は4月1日)。育児休業をとりにくいパパの育休取得をすすめ、共働きの負担を軽減する目的があります。
育児休業給付(いくじきゅうぎょうきゅうふ)とは子どもが1歳、パパママ育休プラス制度の場合は1歳2ヶ月まで、または支給期間延長の条件に当てはまる場合は1歳6ヶ月未満の養育のために休業した場合に、受け取ることのできる給付金です。
育児休業給付には支給を受けるための条件があります。
育児休業制度を利用する前の2年間で、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あることが条件です。そのため働きはじめてすぐの育児休業の場合は、利用条件が足りないと考えられます。
また、もしも育児休業中の1ヶ月で、休業前の1ヶ月の賃金の8割以上の収入がある場合は、給付を受けることができません。
給付金を受けている間は、就業日数にも制限があります。そのため、育児休業制度を利用している間に、今まで以上の収入や就業時間をつくると育児休業給付は受けることができません。
育児休業給付の期間は、休業前の賃金の半額が支給されています。しかし今回の改正雇用保険によって、期間限定で支給額の変化があります。
これから育児休業制度を利用して、育児休業給付金の申請を考えている家庭では、変更点に注意してください。
今回の改正によって、育児休業中の半年間に限っては、給付率が休業前の賃金の3分の2支給されることになります。
ということは1年間育児休業すると、半年間は休業前の賃金の3分の2支給、のこり半年間は従来通りに休業前賃金の半額が支給されることになります。
育児休業支給率が50%から67%に変更されるので、適用期間は1ヶ月単位の受け取り額が増えます。
改正によって半年間の支給率アップという変化を利用するなら、夫婦で交互に半年ずつ育児休業制度を利用します。パパママそれぞれ半年間の支給率3分の2にアップというメリットがあります。
このメリットは育児休業開始後6ヶ月の支給率の変更を、夫婦で活用したときに受けることができます。数ヶ月か期間を開けた状態で、同じ人が育児休業を取得した場合は最初の6ヶ月間だけが適用されます。
育児休業給付にまつわる改正は、2014年3月に参院本会議で可決・決定されました。実際の施行日は2014年4月1日です。
収入の落ち込みこそ、育児休業をはばむ大きな壁です。日本の男性の育児休業取得率は、かなり低いのです。
パパが育児休業制度を利用するとき、条件を満たせば育児休業給付金を受け取ることができるので、収入自体がまったくのゼロになるわけではありません。
しかし、条件として休業中は今まで以上に就業ができず、収入増加も見込めないため、収入面では不安が残ってしまうのも事実です。休業することで復帰後の立場も心配です。
そうなると、共働き夫婦の場合はママが育児休業制度を利用して育児に専念、パパは変わらず就業するといったパターンが安心感を強めているのが現実です。
これで過程の収入は安心感がもてますが、「パパが働きママが育児休業を取得する」ことで女性の社会進出が進まず、働く女性にとっては育児休業が男性にも平等に与えられているものだとは考えにくいのです。
長期の育児休業を予想して、一度仕事を辞める女性も多くいます。今回の改正で、夫婦が交替で育児休業できれば、ママも仕事を継続していくことがもっと可能になります。
これから赤ちゃんを育てていくのに、さっそく仕事を休むことが日本では「仕事を大切にしていない」「責任感がない」といった偏見を持たれることもあります。
そのため「育児休業を利用したいけれど、現実は利用できない」というパパも多いのです。「もう少し長期で取得したかったけれど、仕事や周囲への影響を考えて最初の数週間だけ取得した」という例もあります。
パパの育児休業をはばむ原因の1つに、育児休業制度が万人に理解されていない現実があります。
育児休業が子育てを優先する反面で、仕事をないがしろにしたり周囲に迷惑をかけるといったマイナスイメージしかもっていない人もいます。
育児休業給付率が変更されてメリットを受けることができる家庭が増えることと同時に、実際に育児休業制度の対象になるパパママ以外の人にも、もっと育児休業制度についてわかりやすいガイドラインが必要だと感じています。