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RSウイルス早期流行に注意

冬に流行するRSウイルス感染症が、今年は初秋から流行する恐れがあります。例年よりも早めにRSウイルス対策と、初期症状について復習しましょう。

赤ちゃんの足

2020/12/24

乳幼児に多い呼吸器感染症のRSウイルスについて、やさしく説明します。冬に流行するRSウイルス感染症が、今年は初秋から流行する恐れがあります。例年よりも早めにRSウイルス対策と、初期症状について復習しましょう。

RSウイルスとは

RSウイルス感染症

RSウイルスとは、乳幼児(特に低月齢)の気管支炎や肺炎をひきおこす可能性の高いウイルスです。日本全国で感染するので、地域に関わらず気をつけたいウイルスです。RSウイルスの感染する特徴を、わかりやすく挙げます。

予防接種がない

RSウイルスを完全に予防するワクチンは現在ありません。そのため家庭での予防対策が必須です。

2歳までに感染経験

ほとんどの乳幼児は2歳までにRSウイルスに1度は感染します。風邪と勘違いして気がつかないことも多く、医師の診断で普段の風邪ではないとわかります。

低月齢でも感染

生後間もない赤ちゃんは「母体からひきついだ抗体があるから病気知らず」という話も耳にしますが、RSウイルスは別です。生後数週間でも感染します。

抗体はできない

もしもRSウイルスに感染したとしても、抗体はできません。だから感染条件が整えば、再感染するウイルスです。

上記の特徴でもわかるように。RSウイルスは決定的な予防ワクチンがないうえに、何度も感染する可能性があるやっかいなウイルスです。

特に低月齢児も感染するので、母体からの抗体にも安心できません。生後間もない時や6ヶ月未満でRSウイルスに感染すると、喘息様気管支炎や細気管支炎、肺炎を併発して、症状が重度になることが危険視されています。

2013年秋の感染状況

日本では11月頃から感染が目立ち始め、年末年始に感染者数が増加して流行しています。ただ、2013年は初秋からRSウイルス感染症の患者数が目立っています。

医療介護CBニュースによると、国立感染症研究所感染症疫学センターのまとめで9月9~15日のRSウイルス患者報告数が3週連続で増加、大阪府にいたっては前週よりも約4割も増加したそうです。東京も増加中で、9割は2歳までの子どもだそうです。(参考1)

そのため「RSウイルスは冬に流行」という例年通りの予想があてはまらない可能性がでてきました。2013年のRSウイルス感染症は、例年よりも早い時期からの流行もありえます。

初期症状

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症にかかった場合、どんな初期症状があるのかを簡潔にまとめました。当てはまる場合は、家庭で判断せずに医療機関で診断を受けてください。赤ちゃんは進行が速いので早めの受診が大切です。

38度前後の発熱・・・2歳までの赤ちゃんはインフルエンザほど高熱にならないケースが多く、3歳以降ではインフルエンザ同様に38度以上の高熱になるケースが多くなります。

咳(せき)・・・RSウイルスの感染症状でつらいのが咳です。症状が続くと、もともと気道の狭い赤ちゃんは息苦しくて授乳や離乳食が進まなくなります。

鼻水・・・鼻水が呼吸をさらに邪魔します。赤ちゃんは鼻呼吸なのに、自分で鼻水を対処できません。苦しくて、眠くても眠れずに不機嫌になります。

感染力の強さ

もしもRSウイルスに感染したら、潜伏期間は2日~1週間程度です。ただし初感染の場合は、ウイルスをしばらく保持している可能性が高いと言われています。

だから初感染でRSウイルスだと気付かずに、保育園や児童館でウイルスを広めることが多く、これが乳幼児の感染源の1つになります。

RSウイルスは咳やくしゃみの飛沫で、簡単に感染してしまいます。子ども同士で同じコップを使ったり、1つのペットボトル飲料を回し飲みしたり、同じスプーンやフォークを使うと感染する可能性があります。

つたい歩きや、つかまり立ちの時に触るテーブルや扉、おもちゃを介しても感染することからも、乳幼児の感染を完全に予防することは困難に近いのです。

家族で気をつける予防対策

RSウイルスの感染を予防するために家族で心がけたいことを紹介します。どれもインフルエンザ対策にも繋がります。今から励行すると、空気が乾燥してウイルスの増える秋冬のウイルス対策に効果的です。

手洗い

しっかり石鹸で指の間や手首まで洗い流しましょう。特に散歩や買い物、公園から帰宅したら、何かをする前にまず手洗いしましょう。指しゃぶりが好きな赤ちゃんは、室内でもこまめに指を乾燥させてください。

爪を切る

爪の隙間は汚れがはいると取りにくいので、ウイルスが入ったら手洗いで除去できないこともあります。短く切っておきましょう。

風邪気味ならマスク

家族が風邪気味になったら、抵抗力の弱い赤ちゃんや子どもにうつさないようにマスクをしてください。

子どもが触る家具を水拭き・・・家庭内では感染経路が沢山あります。掃除機だけではなく、家具や手すり、ドアノブを水拭きしてウイルスを取り除いてください。

食器を分ける

食器は1人ずつ使用してください。大皿料理を取り分けるときは、専用のトングや箸を使ってください。個人の箸から唾液を介して料理にウイルスが付着したら、家族間で感染してしまうことが心配です。

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