ポリオ不活性化ワクチン導入に前進

ポリオ不活性化ワクチン赤ちゃんの予防接種の1つで有名なポリオ(急性灰白髄炎・きゅうせいかいはくずいえん)のワクチンについて、厚生労働省は近く、不活性化ワクチン(IPV)の導入を考える「検討会」を設置する方針だと示しました。

ポリオ不活性化ワクチンの導入の是非を考えると言うよりも、円滑に導入するためにはどうしたらよいかを考える目的があるようで、近い将来、ポリオの予防接種は今まで認可されていなかった不活性化ワクチンが導入されることになるようです。

ポリオワクチンに関しては、まだ定期接種には経口投与の生ワクチンが使われています。

今回の厚生労働省の動きは、不活性化ワクチンに移行することを確実に決定したのではなく、不活性化ワクチンを認可するために1歩前進したということです。

しかし、ポリオの予防接種の現実は定期接種の生ワクチンを接種させる家庭と、有料でも不活性化ワクチンを接種させる家庭に分かれています。

厚生労働省のポリオワクチンに対する動きも気になりますが、先ずはパパとママがポリオワクチンを知ることが大前提です。

ポリオの予防接種は生ワクチンでも不活性化ワクチンでも、予防接種前に家庭でよく話し合ってから接種することが大切です。

不活性化ワクチンが導入されなかった理由

ポリオの不活性化ワクチン導入については、日本は決して他国よりも早いわけではありません。既に世界では100ヶ国以上の国で、不活性化ワクチンが導入されています。

実は日本でも1960年に国内でポリオ不活性化ワクチンが製造され、翌年から不活性化ワクチンの定期接種が始まりましたが、その当時の不活性化ワクチンは十分なポリオ免疫を付けることができませんでした。

結局、国内の不活性化ワクチンで補えない為に輸入していた海外の不活性化ワクチンを接種に使用して、在庫は無くなってしまいました。

ところが国内ではポリオが大流行している地域があり、早急にポリオワクチンが必要になっていました。そこでポリオ不活性化ワクチンの代わりに、当時は未認可だった経口投与のポリオ生ワクチン(OPV)を使用しました。

流行していた地域は、生ワクチンの成果で患者が激減しました。この流れで国民は経口投与の生ワクチンを必要としていたので、やがて不活性化ワクチンは承認を取り下げられて、以降、不活性化ワクチンは再び承認されることなく現在に至ります。

現在は不活性化ワクチンへの考えが少し変わってきています。生ワクチンで、ごくごく稀に手足がしびれる症状を引き起こす可能性があることから不活性化ワクチンを輸入する医師もいると言われています。

輸入した不活性化ワクチンは医師のもとで接種することができますが、国で承認はされていないので有料接種となります。

ポリオ不活性化ワクチンの特徴

ポリオ不活性化ワクチンは、経口投与の生ワクチンと違って筋肉注射による接種になります。不活性化ワクチンは手足がしびれる等の反応が出ないと言われています。

マヒが出ないのは、不活性化ワクチンにはポリオウイルスが存在しないからです。ポリオ生ワクチンでマヒの心配があるのは、不活性化ワクチンと違って、弱毒化したポリオワクチンを使用して生ワクチンを作っているからです。

ポリオ生ワクチンに弱毒化しているとはいえポリオワクチンが含まれている事実が、保護者がポリオワクチンを選択する時の最大の悩みどころです。

現在、日本では不活性化ワクチンが認可されていないので有料接種なうえに接種できる病院も限られています。接種回数は4回が推奨されています。この4回ともが有料なので、早く認可して定期予防接種のワクチンとして扱ってほしいという意見も挙がっています。

ポリオに感染すると

ポリオは、感染している人の便にポリオウイルスが排泄されます。このポリオウイルスが手に付いたりして、口に届くと感染してしまいます。

ポリオウイルスに感染しても多くの人は、そのまま抗体ができて体にポリオウイルスの免疫が作られます。しかし10%未満の人には風邪のような症状がでて、その中の1%未満の人には手足のしびれ等のマヒが発症します。

ポリオウイルスによるマヒは、脊髄性小児麻痺(せきずいせいしょうにまひ)と呼ばれ、マヒが体に残ってしまうことがあります。呼吸困難から生死にかかわることもありますが、マヒが残りつつも生活している人もいるので、必ずしも感染して死亡するとは言い切れない病気です。

ポリオワクチン接種を受けていますか

渡航の際はポリオに注意昭和50年~52年出生のパパやママは、ポリオワクチンによる予防接種を受けているか確認してください。昭和50年~52年は、ポリオに対する免疫が低いことが分かっています。

現在の日本ではポリオウィルスは確認されていませんが、世界ではポリオウイルスが常在している国があります。確実に予防するためには追加接種も可能です。

ポリオウイルス常在国として挙げられているのはインド、パキスタン、ナイジェリア、アフガニスタン、インドなどです。各国でポリオウイルスの撲滅を目指していますがまだ完全ではないと言われているので、渡航の際は注意してください。

パパやママも、ポリオワクチンの予防接種が気になる方は医師に相談してみましょう。