Hibワクチンの接種を見合わせ

23年3月11日現在、厚生労働省は、小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)とHibワクチンであるインフルエンザ菌b型結合体ワクチン(アクトヒブ)の接種を見合わせる措置を取っています。

今年に入り、小児用肺炎球菌ワクチンとHibワクチンを同時接種した乳幼児の死亡例が、相次いで6件も報告されたことがきっかけです。乳幼児による同時接種は危険と考えられていたのでしょうか。

Hibワクチンは肺炎球菌ワクチンとの同時接種が認められていました。しかし、日本でHibワクチンが承認されたのは2008年、小児用肺炎球菌ワクチンは2010年に発売されました。実は日本での歴史はかなり浅いワクチンなのです。

Hibワクチンは任意接種

Hibワクチン日本でのHibワクチンは承認されたものの、自己負担が高額になりやすい任意接種に分類されています。それでもHIbワクチンの接種に予約は相次いでいて、地域によってはワクチン量以上の予約が入っている事例もありました。

HIbワクチンが予防すべき細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)の完全な治療が、非常に困難だからというのも大きな理由の1つです。つまり早期発見・早期治療が大前提の細菌性髄膜炎を予防するために、Hibワクチンは世界で必要とされています。

日本では承認されたものの、様々な観点から国が費用を負担して推奨する予防接種には入りませんでした。ですから、Hibワクチンを接種するしないは、保護者の判断にゆだねられる部分が多いのです。これが任意接種の特徴です。

Hibワクチンの接種を決定するにあたって、保護者が気になるのは早くから摂取が始まっていた他の国の子どもたちの様子です。世界的にはHibワクチンは細菌性髄膜炎の予防に効果を出していたからです。

事実、Hibワクチンは100ヶ国以上で摂取されているワクチンです。世界的にもWHO(世界保健機関)が接種を推奨する声明をだすほど、ワクチンとしては有名です。

しかし、どんなワクチンの接種においても考えなくてはいけない問題として、接種後の副反応や体調の変化があります。これらも考慮して、保護者は接種を決めなくてはいけません。

Hibワクチンに限らず、任意接種は費用が高いだけではなく、ワクチンと子どもの体について保護者が深く考える必要があるのです。ワクチンに関わる専門的な情報や、医師のアドバイスも含めますが、保護者にとって任意接種を決めることは容易なことではありません。

Hibワクチンによる副反応

Hibワクチンの接種による副反応は、接種後24時間以内に接種した部分が赤くなったり熱をもったり、38度以上の発熱が出ることです。これらは軽度の副作用です。

重度の副作用は、接種後2~3時間で息切れやめまい、じんましんや顔面蒼白などです。それ以外でも接種後の状態に変化がある時は、症状の重さに関わらず医師に相談します。

承認されていたアクトビブはフランスで開発されましたが、日本だけではなく、既にアメリカ諸国や世界各国で利用されているワクチンです。深刻な副作用は少ないと報告されています。

HibワクチンとBSE

現在の日本ではBSE(牛海綿状脳症)発生国原産のウシに由来する成分を医薬品の原料として使用することを認めていません。しかし、承認されたワクチンには使用されています。

これは、ワクチンを製造した国の属する欧州薬局法委員会では、医薬品製造に適した原料として認められています。これらのこともワクチン接種時には考えるべきです。

症状が悪化すると治療が極めて困難な細菌性髄膜炎を予防できるというメリットと、任意接種として高額なのに、国内でのワクチンに歴史が浅く、生産国と日本での医薬品に関わる規制が異なるデメリット。どちらも無視できない内容ばかりです。

今回は国内で相次いで、肺炎球菌ワクチンとHibワクチンの同時接種による死亡例が報告されたという事例を考えると、保護者の判断は更に難しくなります。

保護者の悩みをサポートできる肺炎球菌ワクチンとHibワクチンの任意接種・同時接種についての情報や指導が、更に広まることを願います。

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