子どもの学資保険選びで注意したいポイントや加入前に確認しておくこと、見逃しがちな盲点を、育児家庭の目線でやさしく説明します。
2020/12/23
子どもの学資保険選びで注意したいポイントや加入前に確認しておくこと、見逃しがちな盲点を、育児家庭の目線でやさしく説明します。
子どもの学資保険を考えるとき、保険契約をして保険料を払い続ける目的を保護者がしっかり確認してください。
学資保険選びを始めると、たくさんの保険商品があり、保険会社によって補償内容がちょっとずつ異なります。
教育資金を貯蓄感覚で準備するのか、契約者である保護者に万が一のことがあったときの備えとして契約するのか、医療保障とセットにしてまとめたいのか、なにを最優先するのかで数多くある学資保険や子ども保険をフルイにかけて選別しましょう。
大きな出費があるときに、学資保険を当てにして、解約して返戻金(へんれいきん)を使ってしまうこともあります。貯蓄したいときは資金計画で、予算と教育準備金を線引きすることも大切です。
子どもの学資保険では、満了期をまとまった教育資金が必要な時期に合わせることがポイントです。実際に教育資金が必要なときは、いつのなるのか考えてみましょう。
高校入学で必要とするか、大学や各種専門学校入学で必要とするか、子どもの成長に合わせて将来の希望も変わってくるので悩みます。
一般的に最も教育資金が必要となるのは大学に通う頃です。平均的に考えると、私立大学4年間で700~800万の教育資金を準備すると安心です。公立大学ではもうちょっと低くなって400~500万程度と考えられています。
しかし子どもの選択する学科によって理系と文系でも、教育資金に違いがあります。語学では海外留学を視野に入れた場合、学費とは別に留学資金も必要です。
自宅と大学がと離れている場合は、交通費もバカになりません。自宅をでて部屋や寮に住む場合もタダというわけではありません。
そう考えると、子どもが個人で活動するようになる大学では必要資金が増えていく可能性が高いです。
ただし、家庭によっては小学校から私立に通わせたいと考えているケースもあります。この場合は早速、小学校入学時にまとまった出費が予想されます。
そこで教育資金が必要な年齢を考えるときは、まず小学校を国公立や私立でどう選ぶ可能性があるか考えてみてください。確実に公立小学校を選ぶなら、小学校6年間を貯蓄期間にします。
次に中学校、高校といったように、子どもの成長をイメージしながら可能性を考えましょう。予想通りにはいきませんが、ある程度のシュミレーションをたてておくと今後の貯蓄計画にも役立ちます。
学資保険の満了期で気をつけたいのが、どのタイミング受け取るのかです。
例えば大学入学時と思っていても、4月より前に入学手続きで入学金を支払う必要があります。入学手続き前に満了期を指定すると安心です。
子どもの誕生月によっては18歳満期では、すでに入学金など大きな出費を終えている場合もあるので、最近は17歳満期という設定も増えています。契約時によく相談してください。
学資保険の満了期を決めることで、加入契約してから保険支払いが何回になるのかも決まります。
ここで気をつけたいのが、1ヶ月の保険料です。「たぶん頑張れば支払えるだろう」と頑張った金額で保険料を設定すると、赤ちゃんのうちは問題なくても、やがて習い事や塾に通うころに「保険料が高額で大変」と感じてしまうこともあるのです。
長期にわたって確実におさめることのできる保険料を考えましょう。もしも、保険料未払いが続いてしまうと、最悪はせっかく継続してきた学資保険を解約することになってしまうのです。
学資保険では、契約者は子どもの保護者がほとんどです。保険に契約して保険料を支払うのがパパだとすると、満了するまでパパが保険料を支払い続けることが基本条件です。
ところが、万が一なんらかの事態でパパが死亡した場合は、契約者がいないので保険が不成立になってしまう不安があります。
そんな事態も考えて気になる学資保険に、死亡保障として死亡保険金が支払われるタイプや、保険料支払い免除となって満了まで保険が有効継続できるタイプかどうかを確認してください。
ちょっと不謹慎な予想をしなければいけませんが、子どもが教育資金をしっかり受け取ることのできるように各家庭でチェックしたい内容です。
学資保険には、医療保障や傷害保険といった特約をつけることのできるタイプがあります。セットにしてまとめればラクです。でも、なかには特約をつけることで1回に支払う保険料が予定額を上回ってしまううこともあります。
医療保障は、赤ちゃんの頃なら乳幼児医療証でまかなえない部分の補償を受けることができるのか、チェックしてください。かぶっているようなら、最初は必要ありません。
そして特約の保険料を、医療保険の掛け捨てタイプと比較してください。掛け捨てタイプの保険は、積立祝い金などはありませんが契約期間中の保険料が低額に抑えることができるメリットがあります。
学資保険は長期にわたる契約なので、途中で家庭の都合などで解約することも考えられます。
学資保険を解約すると、今まで支払った保険料から解約返戻金(かいやくへんれいきん)が戻ってきます。ただし支払い総額よりも少ない元本割れが多いので、貯蓄目的なら損をしてしまいます。
解約返戻金の返戻率を調べてください。単純に家庭で計算することもできます。
学資保険の返戻率の計算は、「受取総額÷払込総保険料×100」です。受取総額には満期までに受けとる予定の祝い金も含まれるので気をつけてください。