あせもには、大きく2つの種類が見られます。新生児のあせもは、無色透明のあせもが多く、これを水晶様汗疹と呼びます。
2020/12/23
あせもには、大きく2つの種類が見られます。新生児のあせもは、無色透明のあせもが多く、これを水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)と呼びます。もう1つは、あせもと聞くと思い浮かべる赤い発疹の紅色汗疹(こうしょくかんしん)です。
あせもと聞くと、大人にもできる赤い発疹だけだと思いがちですが、新生児では赤みよりも白っぽいブツブツが特徴です。あせもには「白いあせも」と「赤いあせも」があるのです。
どうして2種類のあせもを知る必要があるのかというと、実はこの2つのあせもは症状や、あせものできる皮膚の場所に違いがあるからです。
新生児に多い水晶汗疹(すいしょうかんしん)というあせもは、色が赤みを帯びていないので軽い症状にとらえがちですが、放置するとどんどん広がってしまいます。
新生児は大人同様の発汗量なので、汗が肌に停滞する時間も長くなります。新生児の水晶汗疹で発見が遅れがちになるのは、耳の後ろや髪の生え際です。
ねんねの時間が多い新生児は、背中にもできやすいのでママはこまめにチェックしましょう。新生児の水晶汗疹は皮膚の浅い部分にできるので、ママのこまめなケアで悪化を防ぎやすいあせもです。
水晶汗疹はあせもの症状としては、痒みや痛みを伴わないことがほとんどなので、軽い症状と考えられますが、その代わりに発熱や発汗量が増えるとすぐに発生してしまう特徴があります。
新生児の水晶汗疹に関しては発生頻度が高くなりがちだけど、まだ小児科や皮膚科にかかっていない赤ちゃんが多いので水晶汗疹の診断が遅れがちです。新生児を連れていける病院を決めておくと安心です。
あせもの代表的な赤い発疹をともなうのが紅色汗疹(こうしょくかんしん)です。赤いあせもは我慢できないような不快な痒みがあります。赤ちゃんも、痒みが目立たない水晶汗疹(すいしょうかんしん)よりも、紅色汗疹の症状に不快感を募らせます。
紅色汗疹は痒みからかき壊してしまうと、肌表面がジュクジュクしてきます。ジュクジュクした部分に衣類やタオルが触れると傷みを感じたり、不快感が増える一方です。
紅色汗疹が悪化して黄色ブドウ球菌という細菌が傷口から侵入すると、「あせものより」という症状になります。ここまで悪化すると、あせもの発疹の中にべたついた液体が見られます。この液体は黄色ブドウ球菌です。
あせもの発疹がかゆくてかき壊して、黄色ブドウ球菌が皮膚の他の場所につくと更に、あせもが増殖してしまいます。紅色汗疹の場合は、悪化すればするほど完治までが大変になりやすいので気を付けましょう。
赤ちゃんにも大人にもできる赤い発疹の紅色汗疹は、一見はニキビのように見えます。赤いブツブツガできると、大人の肌も先ずはニキビを疑います。
特にニキビができやすい顔に赤い発疹が現れると、ニキビの可能性もあると考えられます。ニキビは過剰な皮脂が毛穴に詰まることが原因です。
皮脂汚れが毛穴に詰まると、炎症を起こして赤くなります。最初はニキビは白っぽい小さな発疹ですが、炎症が進行するにつれて赤く大きくなります。ニキビを大きくさせるのはアクネ菌という細菌です。
ニキビ対策の洗顔フォームや化粧品でも、良く耳にするアクネ菌は酸素が無くても生息できる特徴があります。毛穴の奥で詰まった皮脂を栄養源にして増加してしまいます。
アクネ菌が増殖することで、結果的に赤いニキビが肌に増えやすくなります。一方、あせもはアクネ菌による症状ではありません。あせもの中にある膿は、黄色ブドウ球菌です。
あせもは皮膚の表面に現れる時、毛穴に関係なく出現します。しかしニキビは必ず詰まった毛穴の上に出現します。小さな違いですが、原因菌が異なるので治療薬も異なります。
あせもとニキビ、どちらかわからない時は、毛穴の上にある発疹かどうか確認してみましょう。最も確実なのは皮膚科で医師に判断してもらうことです。