赤ちゃんの誤飲。クレヨンを食べたり、糊や絵具を舐めてしまったときに最初にするべきことなど。
2020/12/21
赤ちゃんの文房具の誤飲について、家庭でできる応急処置や気をつけたいポイントをわかりやく説明します。クレヨンを食べたり、糊や絵具を舐めてしまったときに最初にするべきことなど。
クレヨンを少しなめたり、食べようとしただけなら牛乳や水を飲ませて様子をみてください。
口に入れた量よりも、口周りについたクレヨンにビックリするかもしれません。口内をよくすすいで、歯にくっついているときは歯ブラシで落とします。肌についている部分は、ぬるま湯にガーゼやタオルを浸して軽く絞ってから拭きとります。
咳きこんだり、息苦しそうにしている場合はクレヨンのかけらが気道に詰まっている可能性があり、窒息することが心配です。時間にかかわらず、すぐに病院を受診してください。
クレヨンの原料は蝋(ろう)や油脂(ゆし)、色をつける顔料などです。少量舐めただけなら大丈夫とはいっても、進んで口に入れたくなる原料でもありません。
せめて原料が安全なクレヨンを選びたい家庭では、はちみつクレヨンが人気です。原料となる蝋がはつみつ蝋になり、石油由来の原料を植物由来に置き替えている商品があります。
兄姉のいる家庭の赤ちゃんは、上の子のしていることに興味があります。特に絵具は。手を出して触りたがります。
もしも赤ちゃんが絵具を触って、その指を口に入れてしまったら油性絵具か、水性絵具かを調べてください。ここが応急処置の分岐点です。
油性絵具を食べてしまった場合は、水を飲ませてから吐かせます。中毒が心配です。ママが赤ちゃんをうつぶせにした形で横抱きします。顔を胸より低く下げて、舌のつけねを数回強めに押し下げます。または、背中の左右の肩甲骨の間を、平手で叩いてください。
水分摂取と嘔吐を試したあとは、誤飲した絵具も持参して、必ず病院で診てもらってください。
水性絵具の場合は中毒の心配はありませんが、顔料など食用として作られた成分ではないものですから下痢になったり、不快感が残ります。
絵具をといた色水も、赤ちゃんが飲みやすいので気をつけましょう。使い終わったら、すぐに捨てて水洗いするように心掛けてください。
糊をなめてしまった赤ちゃんは、口内がベタベタなので、うがい等で洗い流します。舌の上もべたついているので濡らしたガーゼを優しく拭きとりましょう。
そのあと水か白湯を飲ませて口内に糊が残らないようにしてください。少し舐めてしまった程度なら、家庭で様子をみます。
液体のりを大量に口に入れてしまった時や、口や手がベタベタで沢山食べた疑いがあるときは、口内や手指をすすいで、病院に相談してください。
デザイン重視でケーキの形をした容器や、カラフルなスティック糊もあります。香り付きもあるので、家族で勘違いしやすいものを置きっ放しにしないよう気をつけましょう。
アセトンを含む有機溶剤の接着剤を誤飲した場合は、何も飲ませず吐かせないで、すぐに病院に連れて行きます。
それ以外で接着剤が舌に張りついたときは、ベタベタな状態で接着剤を取ろうとして、ガーゼやティッシュを使うとさらに繊維がくっついて厄介です。ただ、口内や舌に張りつくので喉まで侵入することが予防できます。
乾くまで少し様子を見てください。舌や口内の接着剤は乾けば、指でもとれることが多いです。乳歯に張りついてしまって、歯ブラシでも取れないときは歯科医に相談してください。
接着剤の中には強い臭いを出す製品もあります。嘔吐や不快感を訴える場合は、部屋を換気して空気のよいところに移動しましょう。
ペンキャップを飲みこんだら、先端がとがっていたり飾りがついている場合は何も飲ませてはいけません。粘膜に刺さったり傷をつくらないように、吐かせないでください。
ペンキャップが体のどこに入ってしまったのかは病院にいかないとわかりません。元気であっても、病院で診察を受けてください。
小中学生になると、鉛筆キャップやペンキャップの飾りにファーや大きめのラインストーンが付いているタイプを選ぶことがあります。お姉さんのいる赤ちゃんは、そうした飾りの目立つ文房具に興味を持つかもしれません。細かなものを落としたら必ず拾うよう指導してください。
赤ちゃんによくあるのが折り紙や、紙の端をかじろうとしたら舌にはりついて、そのまま食べてしまうことです。
紙を食べると言うよりも、舐めて感覚を確かめているようです。ちょっとずつ紙が溶けて口に入っていしまい、ママが気づくときには紙がぼろぼろになっていることも。
特別な飾りなどがついていなければ、水・牛乳・白湯・母乳・粉ミルクなどをコップ1杯程度飲ませて様子を見てください。体調変化がなく元気な場合は、そのうち排泄されることが多いです。
食道を通ってしまうと、便と一緒に排泄されることが多いです。でも、もしも顔色が悪くなったり呼吸が苦しそうなときは気道に紙が残っていたり、粘膜に張り付いている可能性があります。
もう少し水分を取らせて、すぐに病院で診てもらってください。特に呼吸がおかしいときは時間に関わらず救急車を呼びます。
細いリボンや、やわらかいひもを飲みこんでしまったら。吐かせてはいけません。水分も飲ませないでください。
吐かせると逆流するときにひもが絡まったり、どこかでひっかっかって症状を悪化させることが心配だからです。
大至急、病院に連絡して診察をお願いしてください。内視鏡でひもを取るなど、病院でしかできない処置が必要になります。
文房具は細かいものが多いので、赤ちゃんの誤飲に気をつけましょう。文房具は鋭い刃先や、硬い材質のものが多いので飲みこんだときに器官を傷付けることが心配です。
文房具を使ったら、その都度片付けることと、使わないときは赤ちゃんの手が届かない場所に置くことが誤飲予防のポイントです。
というのも、赤ちゃんには「さわっちゃダメ」「あぶないよ」という言葉は予防線ではありますが、確実に誤飲を阻止するものではありません。確実に細かい文房具の誤飲を予防するには、やはり赤ちゃんの手が届かない場所に置くことが1番です。