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赤ちゃんの低体温

赤ちゃんは少し平熱が高くて37.5度までは平熱として考えられています。ところが何らかの理由で体温が36度以下になると、低体温の可能性が高まります。

外出で抱っこされる赤ちゃん

2020/12/21

低体温(ていたいおん)とは

低体温とは、一般的に熱が36度以下で続いている状態です。

私たちの体は36~37度程度の熱を保てるように働いています。赤ちゃんの場合はもう少し平熱が高くて37.5度までは平熱として考えられています。

ところが何らかの理由で体温が36度以下になると、低体温の可能性が高まります。もっと厳密には直腸温度が35度以下で低体温と診断されます。常に35度台の体温の場合は、低体温が慢性化している可能性もあります。

しかし自分が低体温であることを理解している人は大人でも少ないようで、自覚症状がないまま低体温が原因で冷え症になったり体調を崩すことが心配されています。

低体温の低年齢化

低体温や冷え症は大人特有のトラブルでしたが、最近では小学生や乳幼児まで低体温で悩むことがあります。今や、低体温は大人だけの症状では無くなってきているのです。

大人の低体温が増えることが、子どもたちの低体温増加の原因の1つに考えられます。

赤ちゃんの場合は自分で体温調節ができないので、保護者の看護が必要です。保護者にも低体温症の人が多ければ、一緒に過ごす赤ちゃんも低体温になる環境やきっかけが増えがちです。

自分で体温調節することができないぶん、低体温のきっかけがあれば赤ちゃんのほうが進行が早いのも心配です。

低体温を招く環境

エアコンに頼る室内環境

汗

気温調節にエアコンを活用するほど、赤ちゃんは体温調節機能が働きにくくなります。常に快適だと体温調節の必要がなくなるからです。

また、冷房の場合は少し冷やしすぎることもあります。設定温度を高くしていても、赤ちゃんの体に冷風が直接あたることで肌表面の熱が奪われて、赤ちゃんだけが体温を下げていくこともあります。

エアコンの設定温度や自動運転に任せずに、赤ちゃんの肌を触って適温を調節していかないと、せっかくの涼しさが赤ちゃんの体温を奪っているだけになってしまいます。

汗を放置

赤ちゃんは汗っかきなので、すぐに汗をかいて肌着を湿らせます。授乳したり昼寝をしただけで汗をびっしょりかいているので、その都度着替えて肌を乾燥させてあげます。

もしも、「ミルクで汚れたわけではないから」「自然乾燥するだろう」と放置していると湿った布が当たる肌は熱を奪われて、どんどん冷えていきます。これを1日に何度も経験しているうちに低体温になってしまう恐れがあります。

冷たい飲み物や離乳食

冷たい飲み物

赤ちゃんには基本的に白湯やミルク、母乳といった冷たさを感じない飲みものを与えます。これは寒い時も暑い時も同じように考えます。

気温の高い日に、冷やした飲みものを飲ませてスッキリさせたいところですが胃腸を刺激しすぎてしまいます。刺激がつよすぎると下痢や嘔吐も心配です。

冷たい飲み物を与えすぎると、体内から冷やされてしまい熱生産が追いつかなくなります。

生活リズムがバラバラ

赤ちゃんは家族で部屋を暗くして静かにしたり、カーテンを開けて朝を知らせなければ1日の生活リズムがわかりません。

もしも大人と一緒になって夜中まで明るい部屋で過ごしたり、昼まで眠っている生活を続けると赤ちゃんの自律神経が乱れて、生活リズムが構築されません。

1つバランスが崩れると、その周囲のバランスも乱れます。外にでたり運動が減って、体温調節ができなくなると低体温になったり、自分で発熱する働きも鈍くなりがちです。

低体温でみられる症状

手足が冷たい

低体温は、血液を送る心臓から離れている部分から現れます。赤ちゃんの指先やつま先から、確認してください。

冷え症の大人と一緒で、赤ちゃんの手先や足先が冷たくなっていることが続いたら、低体温の可能性があります。

唇の赤味がない

唇の血色が悪いときは、体温が下がっている可能性が高いです。

低体温になると血行不良がおこるので、新鮮な血液が体中に行き渡らなくなります。唇は皮膚が薄いので毛細血管が血行不良になると、すぐに色に出てしまいます。唇に赤味がないときは血行不良のサインです。

授乳ペースが落ちる

低体温になると血液どころか、血中に含まれて運ばれる酸素まで足りなくなります。酸素が足りなくなると、頭がボーッとしたりやる気が失われます。

授乳ペースも落ち始めて食欲不振になることもあります。他に症状がなく、体温が低いときの食欲不振は低体温の影響かもしれません。無理に飲ませることはできませんが、授乳間隔にこだわらずに少しずつでも欲しがったときに飲ませます。

低体温でも元気

低体温の可能性が高い赤ちゃんでも、誰もがぐったりしているとは限りません。38度の発熱でも元気な赤ちゃんがいるように、35度台でも元気な赤ちゃんはいます。

でも、元気だからといって放置は厳禁です。体温が下がる原因や環境をつきとめないと、成長するに従ってさらに冷え症が慢性化したり、体が温まりにくいことから消化機能が鈍くなることも考えられます。

赤ちゃんのうちから、低体温の原因をつきとめて改善していくことで、大人の慢性冷え症を予防してください。

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