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ぎょう虫 e-育児

治療の際は、一緒に暮らしている家族が感染している可能性もあるので、症状がなくても全員で服用すれば再感染も防ぐことができて安心です。

食べ物で遊ぶ赤ちゃん

2020/12/20

ぎょう虫(ぎょうちゅう)とは、メスが2~5ミリ、オスは10ミリ前後の小さくて白い寄生虫です。人間の盲腸に寄生して、ひとが眠っている夜間に肛門に出て卵を産みます。

卵が下着や布団に散らばりやすい為、家庭内感染が心配です。子どもの場合、痒みから自然とお尻を掻いてしまい、その手指から周囲に感染する可能性も高いので保育園や学校などで集団感染することがあります。

ぎょう虫の症状

子どもの場合、痒みを1番に感じておしりに違和感を覚えるので、なかなか落ち着く事が出来なくなります。夜間はぎょう虫も活動するので、1度気になると夜中に起きて眠れなくなることがあります。更に不眠から昼間も不機嫌になってしまいがちです。赤ちゃんの場合は睡眠不足を昼寝で補うので、昼夜逆転のきっかけにもなります。

ぎょう虫の感染

ぎょう虫の感染は、肛門からではなく経口感染です。ぎょう虫は小腸下部、盲腸に寄生するので、感染したことにすぐ気が付かないこともあります。卵が付着したシーツや布団に寝て口に入ってしまったり、不特定の人が使用するものを触った手で食事をしたり指しゃぶりをして感染します。すでに感染していて産卵された卵から、また再感染する場合もあります。

感染した卵は腸内で数週間で成虫になり、再び肛門で産卵します。生育には約1ヶ月半、それから2週間程で産卵すると言われています。しかもメスが産卵する数は1時間に7000~10000で、それが再びシーツや皮膚に付くのです。ですから、感染元の卵の数から考えても、ぎょう虫は1度感染して治療しても周囲から再感染する可能性が高い症状です。

ちなみに産卵した雌の成虫は体内に戻ることなく力尽きます。つまり産卵後は、卵を再び体内に侵入させなければ自己再感染や周囲への感染もあり得ません。

ぎょう虫による痒み

メスは肛門に出てきて産卵する際に粘着性の分泌液を出します。これが痒みを引き起こす原因です。ですから、感染しても産卵で痒みが出るまでは目立った症状が出ないのです。

この痒みは産卵時だけでなく、昼夜関係なく気になる症状です。特に夜間の就寝時に痒みが気になると、不眠になったり、眠りが浅く不機嫌になりがちです。赤ちゃんは、ぎょう虫による痒みが気になると、おむつが汚れていないのに夜泣きして寝返りを頻繁にすることがあります。

子どもの場合、肛門付近に痒みを感じると無意識に素手で掻きむしってしまうことがあります。その際に卵が手指や下着に移ります。爪が伸びていると爪の中に卵が入り込んでしまいます。

もともと皮膚が柔らかい赤ちゃんは、掻き続けたり触ることで皮膚が炎症をおこして痛みが出たり、爪で傷つけることもあります。しかし、これらはほとんどが無意識の行動で、夜間に寝ている間に掻いてしまう子どももいます。特に女の子は雑菌が原因で外陰膣炎を起こすきっかけにもなります。

ぎょう虫の駆除、治療

ぎょう虫を駆除するには薬を使用します。本人だけではなく、周囲の家族全員で服用すると再感染の確率が低くなって確実に治療することができます。

コンバントリンなどの内服薬を処方されますが、これは2回以上に分けて飲むように指導されることがほとんどです。なぜなら、完治の可能性が極めて高い薬ですが、卵と幼虫に対しての殺虫効果がないからです。したがって、1回目の内服時から、卵が成長する2週間程経ってから2回目の内服をします。

複数回の内服によって腸内のぎょう虫を完全に駆除することができます。治療の際は、一緒に暮らしている家族が感染している可能性もあるので、症状がなくても全員で服用すれば再感染も防ぐことができて安心です。

ぎょう虫の予防

ぎょう虫の予防は手指や周囲の清潔が基本です。

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