大人になるとアイメイクやコンタクトが影響しますが、赤ちゃんの場合はよだれや食べ物で汚れた手で顔を触って目の周囲を不衛生にしてしまいます。
2020/12/20
ものもらいとは、大阪方面では「めばちこ」と呼ばれている麦粒腫(ばくりゅうしゅ)や霰粒腫(さんりゅうしゅ)という症状です。まつげの根元にある脂腺が急に化膿して炎症をおこすことです。まぶたが腫れあがり、痒みを伴うこともあります。まばたきで違和感を感じることがあり、赤ちゃんは不機嫌になります。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と呼ばれるものもらいの症状は、まつげの生え際部分から化膿して、見ても分かる程まぶたが腫れあがります。初期は痒みを伴うので手や指でこすってしまいがちです。痒みに耐えきれずにこすっていると、痛みを生じます。
しかし、本来まぶたの皮膚は薄く、あかちゃんは特に皮膚が柔らかく刺激を受けやすい部分なので悪化しやすいと言えます。他にも目の充血や違和感、しきりに目を触る時はものもらいを疑いましょう。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の症状は、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と違ってまつげの生え際に沿って白い小さな粒ができます。最初は痛みも痒みもなく、触るとこりこりしているのが特徴です。しかし、しこりをきにして触って炎症を起こせば麦粒腫と同様に、痛みを生じます。ただ、霰粒腫は放っておくと症状が何ヶ月もそのままの状態が続くことがあります。
痛みがない為、赤ちゃん自身が気づかずにいることがあります。しかし中には分泌液があるので、悪化する前に治療しておくことが大切です。
ものもらいの原因は、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は黄色ブドウ球菌の感染が原因です。黄色ブドウ球菌は、まぶたの淵にある汗の腺や毛穴から侵入して、急性の化膿性炎症を起こします。この黄色ブドウ球菌が傷口やにきび、ほこり等の生活に密接した場所に存在するので特に珍しい菌ではありません。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)と呼ばれるものもらいの原因は外部からの菌ではなく、まぶたの内部のマイボーム腺と呼ばれる涙や脂肪を出す腺が詰まることが原因です。ですから表面ではなく、まぶたに内部に分泌物が詰まってしまいます。
その他、大人も含めて、ものもらいの原因と呼ばれていることは以下の通りです。
赤ちゃんは幾つか、ものもらいになりやすい行動をします。意図的ではありませんが汗をかきやすいこと、顔周りをこすることは、ものもらいになりやすい注意点です。大人になるとアイメイクやコンタクトが影響しますが、赤ちゃんの場合はよだれや食べ物で汚れた手で顔を触って目の周囲を不衛生にしてしまいます。
特に外遊び、砂場遊びが好きな子は遊んでいる時もそのまま目をこするので必然的に細菌感染しやすくなります。様々なものに興味を示すので大人が触らないものでも、興味本位に触って手を汚すことはよくあることです。
ものもらいになった場合、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)なら自然に治ることもあります。治療の際は黄色ブドウ球菌に対する経口菌薬と点眼、または軟膏が処方されます。
目と周囲を清潔にすることが大前提です、治療中は汚れた手で目をこすって悪化させないように、子どもは公園の砂遊びを控えた方が良いでしょう。離乳期の手づかみ食べの際も、ソースなどがついた手で目をこすらせないように気を付けます。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の場合も、自然治癒はあります。しこりがまばたきの際に気になる程度なら抗生物質や弱ステロイド点眼で様子を見ます。逆に痛みがない分、気が付かなかったり放置してしまいがちです。進行してしまうと切開して膿を摘出します。
しかし霰粒腫は完治したと思っても、体調が弱った時や疲れた時に再発する癖があります。しばらくは気にして観察してみましょう。
プールや海水はものもらいが治りにくくなるので、完治まではお休みした方がよさそうです。プールに入ったからと言ってものもらいが移ることはありませんが、同じタオルを使うことは避けます。
目の治療に関しては、機能としても外見上の問題としても目立つ部分なので、膿の摘出には過敏になる保護者も多いものです。しかし放置すると更に悪化したり習慣付いてしまいます。最近の摘出はまったく跡が目立たないので、よく説明してもらうと良いでしょう。