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おたふくかぜ e-育児

新生児は母体からの免疫がある為、おたふくかぜにはかからないことが多いのですが、母親自身がおたふくかぜにかかったことがなく免疫がない場合は赤ちゃんも感染する可能性があります。

おっぱい飲む赤ちゃん

2020/12/20

おたふくかぜとは、耳の下からあごの下に向かって腫れて発熱を伴う病気です。正式には流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)と呼ばれ、頬は赤くはなりませんが、その名の通り、下頬の輪郭がおたふくのように見えます。現在は1歳以降、任意で予防接種を受けることができます。

おたふくかぜの症状

おたふくかぜによる腫れ症状

最大の特徴とも言える症状は、耳たぶの下からあごにかけて、しもぶくれのように腫れあがる点です。赤みはでませんが痛みを伴います。始めはその痛みが耳に出る場合もあり、子どもが耳を気にしたり痛がっているのを見て耳鼻科に連れていくと、おたふくかぜと診断されることもあります。これは耳下腺(じかせん)の腫れが影響しています。

あご付近の腫れは、顎下腺(がっかせん)と舌下腺(ぜっかせん)によって口内やのどにも影響します。痛みから、ものが噛めなかったり飲み込めなかったり、食欲低下に繋がります。

耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)を合わせて大唾液腺と呼びます。大唾液腺は唾液を作り、唾液は口内に運び込まれます。つまり、腫れがある間は一部と言うより口内、耳、のど付近全体が痛みに敏感になっているので触られるのを嫌がります。

通常は片側が先に腫れ始め、両側が腫れてピークを迎えます。腫れは3日程度でピークを迎え、7~10日で治まります。顎下腺の腫れが強い時は2~3週間腫れることがあり、腫れてあごが太くなったように見えます。

おたふくかぜによる熱症状

おたふくかぜによる発熱は、ほとんどがあまり高くなりません。38度程度の発熱がでることもあれば、全く発熱しない子どもも。赤ちゃんに限っては平熱も高いので、40度近くまで上がることもあります。しかし1度下がった熱が再度高くなり、腹痛や頭痛などを訴える場合は何らかの合併症の疑いがあります。

おたふくかぜの原因

おたふくかぜの原因はパラミクソウイルス科のムンプスウイルスの、飛沫や接触による感染です。ムンプスウイルスは、おたふくウイルスとも呼ばれています。ウイルスは口や鼻の気道から体内に侵入して、気道粘膜で増殖します。ムンプスウイルスは脳や分泌腺に侵入しやすいので合併症にも要注意。

おたふくかぜの潜伏期間と感染期間

おたふくかぜの潜伏期間は2週間程度です。周囲に感染しやすい期間は腫れの出る1週間から、発症後は腫れのひく10日後くらいまでです。発熱もなく症状が軽い場合も、同様にウイルスは潜んでいるので感染する可能性があります。その為、潜伏期間中に周囲が感染することもあり、子どもの多く集まる場所では集団感染の心配もあります。

おたふくかぜは学校や幼稚園では出席停止の感染病扱いになります。症状が出るころには感染していることもあり、子どもの集まる場所では集団感染もある病気です。

おたふくかぜにかかりやすい年令

新生児は母体からの免疫がある為、おたふくかぜにはかからないことが多いのですが、母親自身がおたふくかぜにかかったことがなく免疫がない場合は赤ちゃんも感染する可能性があります。この場合、免疫は移行しますが予防接種の効果は移行しません。

1歳からが多く、12歳までに感染することがほとんどです。稀に大人になってから感染することもありますが、おたふくかぜに関しては成人がかかると男性は睾丸炎、女性は卵巣炎の合併症が心配されます。

1度かかると免疫ができるという説が一般的に普及していますが確実ではなく、再感染も確認されています。しかし2度目は比較的目立たない症状になるようです。

おたふくかぜの治療

おたふくかぜの治療は、これといった治療薬が決まっていません。原因菌のムンプスウイルスに対する薬がないのです。従って、解熱剤や腫れ症状を緩和させる対処で徐々に落ち着かせていきます。安静、水分補給が大切です。

腫れには冷たいタオルや湿布を当てると緩和されます。発熱と頬の痛みが消えたら入浴も可能です。食事は腫れている間は固形物を嫌がります。ゼリーや豆腐などの噛まずに済む食事を小さじで少しずつ与えましょう。

母乳の赤ちゃんは授乳で口を動かすことが痛くて、疲労をためやすくなります。月齢が低いほど、少し飲んでは睡眠の繰り返しになり、ママも昼夜関係なく授乳することになりがちです。赤ちゃんが眠った時は短時間でも一緒に休憩して、看病疲れにならないよう労わることも必要です。

熱いもの、酸味の強いものや刺激のある香辛料、噛まなければ食べられない食べ物は不向きです。喉の痛みが顕著な時は、さ湯や麦茶をストローで飲ませると楽になります。うがいのできる子どもは、ぬるま湯に塩を加えてうがいをして、口内をさっぱりさせるのも効果的です。

おたふくかぜの予防

おたふくかぜの予防接種

完全な予防法はありませんが、予防接種を受けることができます。おたふくかぜの予防接種で絶対に感染しないという保証はありませんが、万が一おたふくかぜに感染しても症状が軽くなる傾向にあります。

海外では定期接種の1つですが、日本では任意接種で保険が利きません。接取料の目安は5000~8000円になります。特に保育園や幼稚園が始まる前に摂取しておくと安心です。

ワクチンは生ワクチンでムンプスウイルスの毒性を弱めたワクチンを体内に入れて、免疫を作るというものです。1歳~3歳で1回、5歳前後で再度摂取するパターンが一般的です。接種後は約1ヶ月後から効果が表れます。

副作用はほとんどありませんが1/100程度の割合で、接取後2~3週間後に耳の下が腫れておたふく同様の症状が出ることがあります。しかし副反応の場合は、すぐに治まります。

ごく稀に発熱や吐き気から無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)を引き起こす恐れがありますが、数1000人に1人の確立と言われています。もしも、赤ちゃんが不機嫌で嘔吐やけいれんを起こした時は受診しましょう。

昔から男の子は成人してから感染すると睾丸炎(こうがんえん)になって精子に影響が出ると言われて、男の子は早めに摂取するという考えがあります。

親が抗体がなく、予防接種もしていないようなら子どもと摂取するのも良いでしょう。看病する親は最も感染しやすいので、感染源を断つためにも。抗体の有無は保険は適用されませんが血液検査で確認できます。

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