痒みは、掻いても簡単には治まらないのが特徴です。従って、しもやけの痒さのあまりに掻き続けて水泡を掻き壊すと、皮膚まで傷付きます。
2020/12/20
しもやけとは、寒冷の温度変化の激しさからおこる、血液の循環障害による症状のひとつ。手足の指先、耳や頬、鼻に紅斑やむくみができ、冷たいのに痒くなります。
血液の循環が悪くなりやすい手足の先、耳、頬、鼻に多く発症。外見的な症状は大きく2つに分かれます。ひとつは、指先等がうっ血して浮腫のように腫れ、肌が柿色になるタイプ。この時の肌は大変デリケートで、掻くと更に赤みが増すこともあります。
もうひとつは、赤い湿疹のような水泡ができるタイプ。この湿疹自体が痒みを持つ為、水泡が掻き壊されて広がる事があります。
痒みは、掻いても簡単には治まらないのが特徴です。従って、しもやけの痒さのあまりに掻き続けて水泡を掻き壊すと、皮膚まで傷付きます。肌も掻くたびに赤みを増してしまいます。それが更に痒みを引き起こして悪循環になります。
ところが現代の赤ちゃんに、しもやけの症状が出ても気が付かれない事も。しもやけは昔は冬の代名詞のひとつでしたが、昨今はあまり耳にしません。それだけ最近は冬の寒さに耐える事無く、快適に過ごす事が増えたのでしょう。
また、しもやけを身近に経験していない親もいるので、症状がでてもすぐには気が付かないことがあります。
寒冷の温度差の激しさに、体内の温度調節が追い付かず血液の循環障害がおこります。特に手足の先や、元から血液が循環しにくい末端に多く発症します。寒冷期は冷たい外気に触れやすい手や鼻、耳に出やすい傾向があります。
特に乳幼児は手足の汗腺が多く、汗をかきやすい特徴があります。手袋をして寒さを防いだつもりが、手の平が汗ばんでしもやけになることもあります。同じ様に、雪遊びや手洗いで濡れた手をそのままにしても、しもやけになります。
例えば、雪の多い地域にレジャーで行くと、すぐに鼻や耳が赤くなることがあります。これは普段の温度変化以上の変化に、体が素早く反応出来ないからです。1番血液が循環しにくい末端は、すぐに赤くなってしまいます。それが、しもやけになるのです。
また、はっきりと解明されていませんが、しもやけは実は遺伝が多いと指摘されています。汗っかきの家系は肌が乾かずに蒸れやすい等、様々な要因が挙げられています。肌が湿った状態で寒い場所にいる時は足の裏や手のひら、耳などに注意しましょう。
基本は患部を乾燥させることです。しもやけになった箇所が、湿ったままだと更に悪化します。
主な治療はヒルロイドソフトやリンデロン軟膏など、軟膏が処方されます。
ステロイドで痒みを抑え、保湿薬で肌を整えるパターンがあります。紅斑と痒みが強く、ただれそうな時はステロイドも使用されます。
しもやけの場合の軟膏は、よくすりこみながらマッサージすると効果的。あまり力を入れると、肌が敏感に刺激を受けるので優しくゆっくり塗ります。マッサージすることで血流を促し、保護力を高める効果もあります。
治療中、赤ちゃんが掻き壊して悪化しそうなら、上から軽くガーゼで覆います。あまり密閉すると逆に汗を留まらせるので、軽く覆うのがコツです。また、体の他の部分等を触って意識を逸らせても気が紛れます。
「こどもは風の子」と言われてきましたが、しもやけになった乳幼児は別です。無理に屋外に出して悪化させるよりは、時には完治を優先させる事も必要。皮膚の寒暖差によるダメージは、治療中は控えるように気にしましょう。
それでも、こどもの肌は大人よりも汗をかきやすいのが特徴です。汗をかいても、きちんと乾燥させていれば問題ありません。しかし全く汗をかかないのも、逆に血行を悪くします。
また、風が冷たい日のベビーカーでの外出時は対面がお勧め。進行方向に向いて座らせると、直に冷たい風を正面から受けます。対面式が不可能な時は、日よけや膝掛け等でガードしてあげると安心です。