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お食い初め e-育児

お食い初めの食事メニューは一汁三菜の祝い膳です。お食い初めは赤ちゃんが初めて食す祝い日です。

ママにキスされる赤ちゃん

2020/12/20

お食い初め(おくいぞめ)とは、赤ちゃんが生まれて100日経った記念に、これから食べ物に困らないようにと健康を願う行事です。約100日を目安に祝うことから百日祝い(ももかいわい)とも呼ばれています。赤ちゃんは母乳やミルク以外の食べ物を始めて与えられる場合が多く、離乳食の一歩とも捉えられています。

地域によっては100日ではなく110、120日に祝うこともあります。他にも歯固め(はがため)と呼ぶ地域など、その土地によって特徴があります。

お食い初めの日と場所

お食い初めは、双方の両親を招いて家で行います。しかし両親の家が離れている場合や、家でお祝いができない場合は料亭やレストランの個室で集まることもあります。

身近に兄弟がいる場合はお祝いごとですので招いて、一緒に祝ってもらうのもありがたいことです。同居の家族がいる場合は休日など、皆が集まりやすい日にお祝いすると参加しやすくなります。100日と言いますが周囲の予定も考慮して、赤ちゃんの為のお祝い事を進めましょう。

お食い初めのメニュー

お食い初めの食事メニューは一汁三菜の祝い膳です。お食い初めは赤ちゃんが初めて食す祝い日ですが、実際はまだ食べることはできませんから食べる真似や、口に触れたり舐めたりするだけです。ですから、離乳食のように赤ちゃん向けの調理ではなく、大人の食べる祝い膳を用意すれば大丈夫です。

メニューは地域や家庭によって伝わっている内容が様々です。一般的な一例としては、お膳の左下に赤飯、左上に煮物、右上に鯛の焼き物、右下に酢の物と清汁をのせます。中央には歯固めの小石を2~3粒小皿にのせます。

赤飯の上におにぎりをのせて、実際に赤ちゃんにつかませる地域もあるようです。煮物は春はタケノコ、秋は里芋といった季節に合わせた材料を使います。タイの焼き物は尾頭付きの塩焼きで、実際に家庭で調理することが困難な場合は料亭や魚屋さんにお願いすることもあります。

清汁はお吸い物で、紅白を意識した花型の人参や花型の豆腐を使用するメニューもあります。具に特別な決まりはありませんが、祝い事を連想する蛤、海老と豆腐で紅白に見たてるメニューもあります。赤ちゃんに舐めさせるのは、うわずみだけです。

歯固めの小石は、赤ちゃんの歯が丈夫にになるように祈る為のメニューです。もちろん実際に口に入れると危険なので、1度箸でつまんでから箸だけを歯茎にそっと当てるか、口の近くに持っていくだけです。小石の代わりに餅や栗を使用する地域もあります。

他にも地域によって多少の特徴がありますが、現在は祝い膳として作ればメニューに決まりはないと捉えられています。育児が大変だったり作る量が多い場合は、料亭やレストランで行ったり、祝い膳を作らずに最初から注文することもあるので負担のない計画を立てましょう。

お食い初めの食器

お食い初めの食器は、初めて食べ物を口にすると言われている行事ですから、新しい食器が好ましいと言われています。正式には赤ちゃんの母方の実家から贈られるしきたりが多いようです。産院やお宮参りをした神社でお祝いの品として、お食い初めの食器をいただくこともあります。

正式には男の子は朱塗り、女の子は外側が朱塗りで内側が黒塗りの漆器を使用します。しかし現在は、使い勝手も考えて普通のベビー食器を用意する家庭も増えました。まだ何も分からない赤ちゃんが食器を落としても安全なようにプラスチック製品を選ぶ方もいます。最近では皇室で使用された食器が、お食い初め用の食器として話題になりました。

お食い初め用の食器には赤飯やご飯ものを入れる「めし椀(めしわん)」、お吸い物をいれる「汁椀(しるわん)」などがあり、その後の離乳食でも使用できる丈夫な作りになっています。1番の特徴は高つき(たかつき)です。高つきには、歯の健康を願う歯固めの石をのせます。

お食い初めの食べさせ方

お食い初めの時は赤ちゃんはベビーチェアよりも、身内に抱いてもらう形式が望ましいです。長寿にあやかる為にも、食べさせる真似は年長の方にお願いします。この役割を箸役(はしやく)と呼びます。箸役には男の子なら男性の年長者、女の子なら女性の年長者といったように地域や家庭によって決まりがある場合もあります。箸役が抱けない場合や人見知りがある時は、赤ちゃんの母親が抱くケースが多いようです。

身内が参加できない場合は、赤ちゃんの両親が抱っこして食べさせる真似をしてあげましょう。近くに身内がいなくて親子だけで祝うこともあるでしょうが、何の問題もありません。

お食い初めの食べさせ方は箸役が料理を赤ちゃんの口までもっていき、食べさせる真似か、味見程度に舐めさせます。これはあくまでも形式にのっとる行為で、実際は歯の生え揃っていない赤ちゃんですから食べることはできません。しかし、食に困らない成長を願う目的で、ご飯一粒は口に入れるという考えもあります。

お食い初めの銀のスプーン

お食い初めや出産のお祝いに、銀のスプーンを贈られることがあります。銀のスプーンには、赤ちゃんが将来食べ物に困らず、幸せになれるよう願いが込めてあると言われています。また、銀は毒に反応して黒くなることから、赤ちゃんの安全を願う意味も込められています。

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