生後1~2ヶ月の新生児にも発症する赤ちゃん特有の肺炎のひとつ。他の肺炎と大きく違うのは、クラミジア肺炎は高熱がでないことです。
2020/12/20
クラミジア肺炎とは、クラミジアトラコマティス、クラミジアニューモニアによる肺炎で、生後1~2ヶ月の新生児にも発症する赤ちゃん特有の肺炎のひとつ。他の肺炎と大きく違うのは、クラミジア肺炎は高熱がでないことです。
クラミジア肺炎は主となる病原体によって、症状や発症年齢に差があります。どちらも高熱はあまり出ません。普段の生活上でよく見られる市中肺炎の1つで、医療機関や人工呼吸器で感染する症状より身近で多い症状です。
クラミジア肺炎の原因は、クラミジアトラコマティス、クラミジアニューモニアという病原菌です。特にクラミジアトラコマティスは赤ちゃんに感染します。子宮頚管炎を持つ母親から出産時に感染すると、出生後間もなくクラミジア肺炎にかかると言われています。
母体が治療をしていない場合、50~70%は感染確率があります。先ずは酷い結膜炎症状が出て、3~20%未満の赤ちゃんが高確率でクラミジア肺炎に進行しています。
クラミジアニューモニア肺炎は飛沫感染が主で、慢性の咳の原因になる事もあります。
クラミジア肺炎の診断には胸部X線像で判断します。肺炎の可能性がある場合、ぼんやりとした肺炎像が確認されます。クラミジア肺炎の場合は白血球の増加は認められていませんが、血液検査で抗体を調べることも。
新生児のクラミジア肺炎では発熱がない分、酸素投与や人工呼吸まで至らないのが現状です。しかし低体重の新生児は重症化する恐れがあるので、基本的に入院治療を要されます。
授乳に支障のないマクロライド系の薬が処方されますが、それは歯の黄ばみ汚染や骨の成長にも影響を及ぼさないので、指示に従いましょう。体力が少ない為、点滴をすることもあります。テトラサイクリン系は歯が黄ばむ恐れがある為、子どもには処方されません。
1~2週間で良くなって咳も治まってくれば、レントゲンの所見も良くなります。肺炎と言うと昔は赤ちゃんの3大死因とも言われていましたが、現在は抗生物質によってかなり治療が軽減されています。看護する親も焦らずに、子どもを不安にさせないように心がけましょう。
感染力もインフルエンザや流行性の風邪より低く、爆発的な流行は近年見られていません。しかし家族内での感染はあるので、うがい手洗いは家族で励行しましょう。