苺状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)

苺状血管腫とは、生後間もなく発症する苺状に膨らんだ鮮明な赤あざです。毛細血管の増殖によるもので、特に顔面に現れやすい症状です。日本では赤ちゃんの0.8~1割の頻度で発生しています。

苺状血管腫の症状

苺状血管腫の赤あざは、全身に現れますが、特に顔面に多く見られます。出生時には目立ちませんが、数日から数週間で急速に赤く盛り上がります。腫れあがった部分は少しでこぼこして鮮やかな真赤な為、症状名の通り、苺に似ています。

殆んどは鮮明な赤色が目立ちますが、まれに顔面で視野や呼吸の妨げにも。その場合は経過観察後に早急な治療で解決します。赤ちゃんに対して、あまりに大きな血管腫はカサバッハ・メリット症候群と呼ばれます。

苺状血管腫は発症箇所で大きく3つに分類されます。

局面型の苺状血管腫

局面型の苺状血管腫では、皮膚の表面に赤あざが現れます。その反面、皮膚深部には毛細血管の増殖が見られません。局面型自然と薄くなる事が多いので、暫くは様子を見ます。

皮下型の苺状血管腫

皮下型の苺状血管腫では、皮膚の表面には症状が現れません。皮膚の下の深部で毛細血管の増殖が見られます。これも、次第に自然消滅する傾向にあります。

腫瘤型の苺状血管腫

腫瘤型の苺状血管腫では、皮膚表面と皮下両方の細胞が増殖します。腫瘤型の苺状血管腫は1歳までにあざが最大になり、成長しても残りやすいタイプです。他の機能の成長の妨げになる場合は早期に治療をします。

苺状血管腫の原因

苺状血管腫の原因は詳しくは解明されていません。

赤ちゃんが胎内で細胞を生成する際に、何らかの理由で血管に関わる細胞が残ったとします。更に出生後に母体から受け継いだ、細胞増殖を抑制する因子が欠乏したとします。この2要因が重なって、毛細血管が必要以上に増殖するという一説もありますが定かではありません。

苺状血管腫の治療

苺状血管腫の治療は、体の他の機能や成長の妨げにならなければ経過観察します。目や口や鼻の周囲や肛門付近に隆起がある場合、視力や呼吸器官の妨げになる恐れがあります。この場合は1歳前から治療を開始すれば効果が高いと言われています。

頭部や陰部の隆起は、場所柄こすれたり気になって触ってしまいがちです。1度掻き壊したり、こすって傷付けると大変痛がり、外見的にも目立ちます。これらの個所に生後間もなく現れた際は、早期治療が悪化を防ぎます。

耳も比較的頻度が高い場所で、赤ちゃんのうちは聴覚に支障をきたします。また、幼稚園や集団生活でお友達に指摘されてコンプレックスになる事も。

母親も、苺状血管腫が生後間もなく発症する事に、自責の念を抱きがちです。隠さずに、早期受診と適切な治療を母親が心がけることで、赤ちゃんの肌に跡を残さない治療を心がけます。

レーザー治療

治療法にはステロイドの内服、持続圧迫療法、放射線照射、レーザーが挙げられます。

軽度の隆起には冷却装置付きパルス色素レーザーで赤みと高さを減らす事ができます。健康保険適用のパルス色素レーザーは、皮膚の赤色を生成する酸化ヘモグロビンに有効です。他の組織や機能にはほぼ無影響で赤色色素を減少させます。

パルス色素レーザーは赤あざの治療に高い効果があります。冷却式は他のレーザーと比べて、更に高い効果が期待できます。しかし、レーザーが苺状血管腫の色素沈着の原因になるという意見も。

レーザーによる治療は、完全な除去に至らずとも自然消滅を促進させます。早期治療は、消滅後の後遺症や跡が残りにくくなる効果もあります。

苺状血管腫の外科的手術

色素や軽い隆起のレーザー治療では改善しない場合、外科的な面からも治療します。特に大きな腫れは、形成外科の指導を仰ぎます。外見的に目立つ場合は、発症時から早期治療を施します。

苺状血管腫のステロイド療法

顔面にできて、視野や呼吸を妨げる場合はパルス色素レーザーで高い効果を期待します。しかし、増大期にパルス色素レーザーを当てると、かえって腫瘍や出血を促進させる場合も。

このような場合は、回数を守ったステロイド内服が効果的です。いずれも、個人の判断では選べない治療なので、信頼できる医師の指示に従いましょう。