貧血(ひんけつ)

貧血とは、赤血球や赤血球中のタンパクであるヘモグロビン不足からおこる。
体内に酸素を運ぶ赤血球が何らかの障害を起こすと、動悸息切れ、めまい等に繋がります。

貧血の原因

血液の流れで、体内の隅々に酸素を送り込むのが赤血球です。

この赤血球中のヘモグロビンを作る為に必要な主成分が鉄分です。
そして、正常に分化させる為にはビタミンB12や葉酸が必要です。
これらの要素が不足、または異常を起こすと貧血になりがちです。

ヘモグロビンは体内に酸素を送ると同時に、二酸化炭素を回収します。
回収された二酸化炭素は肺に運ばれ体外へ運ばれます。

ヘモグロビンが不足すると体内は酸素不足と同時に、不用な二酸化炭素は未排出に。
この状態に陥ると目まいや立ちくらみ、動悸息切れ等の貧血症状が起こります。

特に毎月の成長が著しい赤ちゃんは9ヶ月~2歳前後まで貧血になりやすい状態になりがちです。これは大人と違って早い速度で骨や筋肉が発達するため、毎日鉄分が必要なのです。

貧血の症状

・爪が反り返る。
・肌がカサカサに。
・顔の血色がない。
・下の表面がツルツルに。
・枝毛や抜け毛が目立つ。
・口内炎、口角炎になりやすい。
・常に眠そうだったり、だるそうな様子。

顔色が悪い場合は貧血に限りません。
末梢血管の収縮や、気温差で血流が低下した場合も。
ですが、どちらにしても安静にさせて観察しましょう。

立ちくらみも、脳血流の一時的な低下の場合があります。
砂場で下を向いて必死に遊んでいると立ち上がった時にふらつく事も。
暫く様子を見て、食生活や他症状に不安があれば受診を。

貧血の検査

血液検査で診断されます。
他には、瞼の裏や歯茎が白っぽくないかも判断材料です。

貧血の種類

鉄欠乏性貧血

貧血の中でも最も多い症状が、鉄欠乏性貧血。
その名の通り、鉄不足が原因。不足原因は年齢、性別、生活によって様々。

殆んどは食生活の鉄不足を解消していく事で改善されます。
注意したいのは、食事から鉄分を摂取しても吸収率は10%という事。

つまり食事から1mgの鉄分を9周する為には、10mgの鉄分を摂取します。
一般的には栄養に気を付けた食事なら10mgは摂取できます。
しかし妊娠期や生理中の女性に限っては、それ以上に必要な場合も。

鉄分は十二指腸で、体内に吸収されます。
嘔吐で胃が弱った時など、消化器系が弱いと吸収が上手くいかない事も。
この体内の吸収が上手く進まないと鉄分が不足して、鉄欠乏性貧血の原因に。

再生不良性貧血

貧血の中でも治りにくい症状で、現在は難病に認定されています。
血球を生成する源の造血幹細胞が異常をきたす事が原因。

発症すると赤血球だけでなく、白血球などの全ての血球が生産されず減少。
鉄分を補充しても、酸素を運ぶ赤血球が不足している為、改善されません。
また白血球が不足すると感染力が衰える為、体力も落ちます。

妊婦貧血

赤ちゃんでなく、ママに注意してほしい貧血の症状です。
妊婦期は生理が無くなりますが、それ以上に血液が増加生産されます。
先ずは母体、そして胎児の栄養補給の胎盤、胎児の体の形成には血液が必要。

そして出産によって、母体は多くの血液と共に栄養も失います。
特に帝王切開等の手術では多くの血液が必要。

これらを妊娠中に貯え、出産後は補いつつ更に母乳の為に摂取していきます。
授乳中は母乳に、1日0.25~0.34mg/の鉄量が分泌されます。

出産後は育児に集中して、自身の食事はおろそかになりがち。
しかし母乳に鉄分を不足させると、赤ちゃんが貧血になるので注意が必要。
出産後も、妊婦時と変わらず鉄分に気を付ける食生活をお勧めします。

慢性の貧血

慢性関節リウマチや消化器系の病気で、貧血を伴う症状があります。
これらは鉄分の不足というよりも、鉄分の吸収や赤血球の異常が原因です。

貧血の治療

基本的には内服薬や経口投与で治療、症状が重いと鉄剤を注射する事も。
鉄剤投与後、便が黒くなりますが、吸収されなかった鉄分の影響なので心配要りません。

貧血には食事療法も有効で、数ヶ月かけて根気よく行います。

貧血の予防法

毎食きちんと食べ、よく睡眠をとる事は勿論、食品にも気を付けます。
また、疲れたら早めに休ませる事も、基礎体力維持に繋がります。

貧血予防の食品

ほとんどが体内に貯蓄できない貴重な栄養素です。
まとめて摂取するのではなく、毎日こつこつと摂取するのが理想的。

乳幼児は摂取できる食品が限られがちです。
とくに離乳食期は好んで食べる食材が決まってしまいがち。
離乳期で授乳中なら、親子で摂取が望ましいですね。

匂いや食感に特徴のある食品は、子供が気にならないように調理します。
鉄分の含んだ食材をスープの具にしたり、工夫して摂取させましょう。

たんぱく質

体内の半分以上は水分ですが、残りの多くをたんぱく質が占めています。
血液中の赤血球の膜やヘモグロビン(血色素)もたんぱく質から形成されます。
食事中のたんぱく質が不足すると、体内貯蓄のたんぱく質が使われます。

その結果、ヘモグロビン生成に使うたんぱく質が足りなくなります。
ヘモグロビン生成に異常が起これば赤血球も減少します。

卵、肉類、魚介、乳製品、大豆などが良質のたんぱく質を含みます。
たんぱく質は1日に決まった量しか吸収されません。
残りは尿として排泄される為、1度に沢山摂取しても貯蓄はできません。

ミネラル

貧血予防に大切なミネラルの代表は鉄分です。
食物に含まれる鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は、非ヘム鉄よりも吸収効果が高いので上手に取り入れましょう。

非ヘム鉄の吸収利用率はヘム鉄の10分の1です。
でも、肉や魚介の良質な動物性たんぱく質を同時に食べると、吸収率は高まります。

ヘム鉄は肉や魚介の赤身に含まれています。
非ヘム鉄は卵や乳製品、大豆や海藻などに含まれています。

野菜では、ほうれん草がミネラル鉄分を多く含みます。
しかし、シュウ酸と結合して吸収されにくい食品です。

ビタミン

食品中の鉄分は、そのままでは体内に吸収されません。
吸収できる出来る成分に作り変える手助けが、ビタミンです。

ビタミンCを多く含有するのは、小松菜やレモン、苺、キウイ。
ビタミンCは体内では生成されない為、食事に取り入れましょう。

ビタミンB12と葉酸は、正常な赤血球を作る役割を果たします。
ビタミンB12を多く含有するのは、レバーや卵、チーズ、サバ。
葉酸を多く含有するのは、レバーや卵黄、チーズ、鱈。

タンニン摂取の注意

お茶や紅茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げるので授乳中は注意。
タンニンが鉄イオンと結びつき、難溶性物質に変わると鉄分の吸収の妨げに。
お茶やコーヒー、紅茶類は貧血気味の時は食後30分空けてから飲みましょう。