カフェインを大量に摂取した後で授乳をすると、赤ちゃんにも母乳を介してカフェインを与えることになります。
2020/12/20
カフェインは脳を刺激するので、妊娠・出産に関わらず多量に摂取すると興奮気味になったり、不眠、落ち着きがなくなるといった症状が出ることもあります。よく眠気覚ましにコーヒーや栄養ドリンクを飲むのは、飲み物に含まれているカフェインが脳に刺激を与えて興奮させる覚醒作用があるからです。
母乳育児中の母親がカフェインを摂ると、30分以内に体内のカフェインが最高値に達して、摂取した0.5~1.5%程度のカフェインが母乳にも入ります。ですから、カフェインを大量に摂取した後で授乳をすると、赤ちゃんにも母乳を介してカフェインを与えることになります。
しかし、全くコーヒーをの飲んではいけないわけではありません。1日2~3杯のコーヒーなら授乳には影響が出にくいと言われています。水のように、常にカフェイン飲料を飲む癖のある方は気を付けてください。
赤ちゃんが母乳からカフェインを摂取すると、以下の症状が出る可能性があります。症状はカフェインの量や赤ちゃんの体調にもよります。
問題なのは、カフェインを体内に取り入れた赤ちゃんがカフェインを消化するまでにかかる時間です。大人よりも時間がかかり、約3日間消化しきれないこともあります。
また、カフェインの多量摂取に喫煙が加わると、SIDS(乳児突然死症候群)の可能性が非常に高くなり危険です。喫煙に関しては母親が禁煙しても家族でヘビースモーカーがいる場合は煙による影響も考えられますが、カフェインに関しては、赤ちゃんに母乳を与える母親が摂取量を気を付けていれば、母乳からは移行しません。
緑茶はカフェインが含まれていますが、タンニンという成分と結び付いて吸収されるので、興奮や不眠にはなりにくいのでカフェインは少ないと考えます。
チョコレートは原材料のカカオ豆にカフェインが含まれています。つまり純粋なカカオ豆を使ったココアはカフェインが含まれています。原材料に「カカオマス」と記載されていたらカフェインが多少含まれていると思ってください。
逆にインスタントココアはカフェインが少ないので、母乳育児中はインスタントココアの方が安心です。ハーブは欧米では母乳生産を高める役割で重宝されていますが、ハーブの純度や成分にもよると言われています。ただし疲労回復やリラックスを目的としてハーブティーを飲むこともあります。眠る前に1杯ハーブティーを飲む程度なら、母乳に大きな影響は与えにくいとされます。もしも飲む場合は先に授乳を済ませましょう。
チョコレートにはカフェインが含まれますが、ホワイトとチョコレートにはカフェインが少ない例があります。ホワイトチョコレートの原材料に「カカオバター」があって「カカオマス」が記載してなければカフェインの心配はありません。
チョコレートの場合はカカオマスがチョコレート色を出すので、カカオマスを使用していないホワイトチョコレートならカフェインの心配もありません。
ほうじ茶もノンカフェインに近いのですが、完全にノンカフェインといったら麦茶です。ただ、ほうじ茶はノンカフェインの乳幼児用も販売されているので、授乳中は母親もノンカフェインのほうじ茶がお勧めです。
本来カフェインの含まれているコーヒー等の飲み物からカフェインを取り除いた状態にしたり、カフェインを添加しないで作った飲み物を、「デカフェ」と呼びます。つまりカフェインレスです。
コーヒーショップでは「カフェインレス」ではなく「デカフェ」と記載しているお店もあります。やはり、本来の味や香りと違うという感想もありますが、我慢せずにコーヒーを飲みたい時にはデカフェという選択肢もあるのです。