片栗粉のとろみは減少しやすいけれど、コーンスターチはとろみ加減が変わりにくい特徴があります。
2020/12/19
離乳食では、とろみの有無や付け方で、赤ちゃんがのど越し良く食べられるように食材に工夫できます。
離乳食初期のとろみ付けには、片栗粉が一般的ですが、コーンスターチやジャガイモも代用できます。それぞれ、とろみの特徴があるのでメニューによって使い分けることもできます。
離乳食初期のゴックン期や、その後のモグモグ期は特に噛み砕く力が弱いので、すんなり喉を通るメニューが人気です。
片栗粉(かたくりこ)は本来はカタクリというユリ科の植物からとったデンプンから作られます。現在多く流通しているのはジャガイモのデンプンから作られているそうです。
片栗粉は水で溶いて、十分に混ぜます。量によってとろみの使い方も異なります。水で溶いた片栗粉のことを「水溶き片栗粉」と呼びます。
使いやすい分量は片栗粉1に対して水2です。ただ離乳食は少量なので、とろみ具合も月齢によって調節してください。水の割合が多いほど、とろみは減ります。
本来の水溶き片栗粉は調理の10~15分前には水を加えます。片栗粉に十分な水を吸わせることがポイントです。
調理中の離乳食に水溶き片栗粉を加える時は、十分に加熱して沸騰させてから火を止めて、少しずつ加えます。よく混ぜたら再び過熱して、とろみを出します。この時加熱が足りないと、とろみが出ません。
離乳初期のゴックン期では、お粥のとろみ付けや、野菜や果物をペースト状にする時に水溶き片栗粉を活用します。とろみが多いと塊になってしまうので、片栗粉は少量ずつ使用しましょう。
コーンスターチは、とうもろこしのデンプンで作られています。ゴックン期から使用できるので、片栗粉の代用としても使えます。
コーンスターチの使い方も水溶き片栗粉と同様に、沸騰しているところで火を止めて、少量ずつ加えます。
コーンスターチと片栗粉の違いは、大きく2点あります。1点は片栗粉のほうがとろみが出やすく、コーンスターチは同量の片栗粉に比べると、とろみが少ないようです。
コーンスターチと片栗粉の違いの2点目は、とろみの持続にあります。片栗粉のとろみは加熱しすぎたり、温度が下がるととろみも減少しやすいけれど、コーンスターチはとろみを付けたら加熱をやめても温度が下がっても、とろみ加減が変わりにくい特徴があります。離乳食では、あまりとろみが必要ない場合はコーンスターチでも大丈夫です。ただ赤ちゃんは、片栗粉よりも臭いが気になるかもしれません。コーンスターチは透明にならず、プルンとした食感なので離乳食ではおやつ作りにも活用できます。
ジャガイモはデンプンによって、自然のとろみがでます。ジャガイモは離乳食開始のゴックン期から、離乳完了のパクパク期まで活躍するので、レパートリーを知っていると便利な食材です。
ジャガイモは、ゆでるだけではとろみがでません。生のまますりおろしてから、加熱するとジャガイモ特有のとろみが出ます。ゴックン期のお粥を作る時、水の状態から生のジャガイモをすりおろし入れて加熱すると、とろみの強いお粥が出来上がります。
ジャガイモをすりおろす際は芽の部分を、取りのぞきます。ジャガイモの芽にはソラニンという有毒成分が含まれているので、包丁や皮むきの角でくり抜いてからすりおろしましょう。
モロヘイヤは、青汁や野菜ジュースに使われるので苦そうな印象がありますが、実際は独特の粘り気があり赤ちゃんでも食べやすい緑黄色野菜です。
大人の食べる料理でも、モロヘイヤを天ぷらにすると衣がサクサクなのに、中のモロヘイヤは粘り気があり独特の食感です。離乳初期のゴックン期は天ぷらはできませんが、モロヘイヤの粘りを活用することができます。
ゴックン期のモロヘイヤは、茎は硬いので使用しません。綺麗な葉を洗い、熱湯でゆでます。色味を綺麗にして、べとべとにならないようにする為にゆでたモロヘイヤを水にさらします。
熱を取ったモロヘイヤを刻んで、他の野菜ペーストや豆腐と一緒に和えると粘りがでて、離乳食にとろみが付きます。
ゴックン期の10倍粥を作る時に、すり鉢にお粥と下ゆでしたモロヘイヤを一緒に入れて作ると、お粥にも色がついて喉ごしも良くなります。
とろみちゃんは、とろみを簡単に作ることができる市販の粉末です。
とろみちゃんの最大の特徴は、水溶きなしで使えるところです。片栗粉を粒状にしているので、片栗粉と同様の使い方で、ダマになりにくい仕上がりです。
とろみちゃんは片手で使えるボトルタイプです。後追いや抱っこの要求が激しい時は、とろみちゃんで片栗粉のとろみ付けを簡単に済ませることができます。
ゴックン期に使うことができない、とろみ付けの食材もあります。以下の食材は、離乳食初期のゴックン期には不向きなとろみ付け材料です。
小麦粉はアレルギーが心配なので、最低でも6ヶ月以降に与えます。里芋は加熱すると、ガラクタンとムチンによる、とろみ成分が表面を覆います。2成分とも整腸作用があるので消化促進にお勧めですが、肌がかぶれるのでゴックン期には使用しません。
とろろこぶは、とろみが強くて、こぶ自体も柔らかいので赤ちゃんでも食べやすい食感ですが、消化がよくないのでゴックン期には与えることができません。
とろろこぶは加工する過程で、昆布を酢などで柔らかくしています。離乳食で使用する時は、9ヶ月頃からのカミカミ期に成分表示の安心できるものを選びます。