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赤ちゃんの多汗とわきが

汗っかき赤ちゃんと汗をかかない赤ちゃんについて。赤ちゃんが、わきがになる可能性。汗の通り道であるエクリン腺とアポクリン腺の特徴もわかりやすく説明。

外出で抱っこされる赤ちゃん

2020/12/25

汗っかき赤ちゃんと汗をかかない赤ちゃんについて。赤ちゃんが、わきがになる可能性。汗の通り道であるエクリン腺とアポクリン腺の特徴もわかりやすく説明。

汗腺とは

赤ちゃん

汗腺(かんせん)とは、体の汗を皮膚上に放出するための管です。つまり、汗の通り道です。皮脂汚れなどで汗の通り道である汗腺の出口がふさがれてしまうと、汗が放出されずに詰まります。詰まった汚れは雑菌が繁殖して、皮膚トラブルを招きます。そのためにも、汗腺の出口をふさがないように皮膚を清潔に保ちましょう。

汗腺には主にエクリン腺とアポクリン腺があります。それぞれ体内の分布場所や汗の特徴があります。赤ちゃんの汗腺は発達途中ですが、汗をかくことで発達を促して体温調節機能を発達させます。

エクリン腺とは

私たちの体は、いくつかの汗腺(かんせん)があります。腕や足にかく汗を出すエクリン腺は全身のほとんどの肌表面に分布しています。

エクリン腺から出る汗は、シャワーを浴びたような水っぽい汗で、運動や気温上昇時に体温を調節するために汗を出したり、緊張など精神的な影響で汗をかくこともあります。辛いものを食べて発汗するのもエクリン腺がほとんどで、普段からエクリン腺は活動しています。

赤ちゃんが汗をかくのも、エクリン腺が活動している証拠です。赤ちゃんの体はエクリン腺から汗を放出することで体温調節をします。もしもまったく汗をかかずに元気がないときは、汗を放出する水分すら保有できていない脱水症状が疑われます。つまりエクリン腺からの汗は、赤ちゃんの健康的な体温調節に必要なのです。

アポクリン腺とは

アポクリン腺は体の決められた一部の場所にだけ存在する汗腺です。具体的には、脇のした・外耳道・乳首・おへそ・性器や肛門のまわりにアポクリン腺があります。

アポクリン腺からの汗は水分以外にも脂質や糖質、たんぱく質など栄養分が含まれます。だからちょっと臭いやすいのです。

赤ちゃんのわきが

大人のわきがは、アポクリン腺からの汗が皮膚上の皮脂汚れや常在する細菌と混ざってつ強い臭いを発生することが原因です。

赤ちゃんにもアポクリン腺はありますが、活動は思春期を迎えるころからだと考えられています。だから赤ちゃんのうちは汗が多くても、多汗やわきがの心配は不要です。

赤ちゃんと多汗

赤ちゃんは授乳やお昼寝だけでも、髪の毛や肌着までびっしょりになることがあります。あまりに大量の汗をかいているので水分不足になってしまわないか、体力が落ちないか心配になることも。大人でいう多汗症のような状態です。

赤ちゃんの汗腺は未発達ですが、汗の出口は大人とほとんど変わらない数なので、皮膚面積の少ない赤ちゃんは汗でびっしょりになりやすいのです。だから汗っかきの赤ちゃんが多汗症と決めつけるのはまだ早いです。成長過程で様子を見る程度で、あまり気にしないでください。

汗をかかない赤ちゃん

赤ちゃんは汗っかきなのが定説ですが、意外と最近は汗をかかない赤ちゃんもいます。汗をかかない理由は様々ですが、先天的な原因のほかに、気温の高い季節は温度を一定に保った涼しい部屋で過ごしたり、汗をかかない環境が影響しているケースがあります。

赤ちゃんの体は80%水分だと考えると、気温の高い環境で脱水症状になると危険です。だからといって、体内から水分を放出させないようにすると体温調節機能や汗腺の働きの発達を促す機会は減ります。ですから全く汗をかかない生活にこだわる必要はなさそうです。かといって、無理に汗をかかせることも脱水症状が心配なので控えてください。

昔は外で遊んでいても地面が土や草で、今は足元は太陽の照り返しのあるコンクリートだったりと赤ちゃんをとりまく環境も大きく変化しています。

様々な意見があるでしょうが、汗をかきやすいときは水分補給を心がけ、肌表面の清潔を心がけて対処してください。猛暑で熱中症が心配な時は、汗にこだわらずに赤ちゃんの体力を守ってあげましょう。

汗の量が多かったり少なかったりと悩むこともありますが、汗の量や汗をいっぱいかく部分は人それぞれです。気になるときは体温や肌の状態、顔色や唇の血色のよさ、元気に泣いたり授乳をしているか総合的に観察してください。

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