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MR(麻疹と風疹)をやさしく解説

MRとは麻疹(はしか)・風疹(ふうしん)ワクチンのことで、英語の頭文字をとって「MR」と呼ばれています。

赤ちゃんと指切りするママ

2020/12/24

MRとは麻疹(はしか)・風疹(ふうしん)ワクチンのことです。麻疹は英語で「measles」、風疹は「rubella」と書くので頭文字をとって「MR」と呼ばれています。麻疹も風疹も感染力があるのに確実な特効薬がありません。MRの予防接種や病気にかかった場合の症状を、わかりやすく解説します。

予防接種が行われているので、パパやママも予防接種で麻疹や風疹に罹っていないかもしれません。この場合、病名だけを知っていて、症状が曖昧に理解されていることもあります。

先ずは、どうして麻疹と風疹を予防したいと思われているのか、麻疹と風疹の代表的な特徴と合わせて紹介します。

麻疹の特徴

麻疹(はしか)は、とにかく感染力が強いので一気に流行してしまいます。抗体のない人が麻疹患者と接した場合、8割以上の確率で感染するほど、強い感染力をもっています。

最初は風邪症状と似ているので、発疹がでるまで気がつかないことも多いようです。ただし発疹が出る前から、感染期間は始まっています。

麻疹の熱はいったん落ち着く兆しを見せますが、2回目の発熱があります。そこから発疹もみられるので完治までが長く、体力的にも負担の大きい病気の1つです。

赤ちゃんの麻疹では、中耳炎の合併症状が多くみられます。赤ちゃんの場合は訴えることができないので、膿や進行してから発見されやすく、やっかいな合併症状です。

麻疹の怖いところは、肺炎や脳症などの合併症で命を落とす子どもがいることです。赤ちゃんの場合は、高熱が続くの脱水症状も心配です。

麻疹についてはこちらで詳しく説明しています→

風疹の特徴

風疹(ふうしん)は「三日ばしか(みっかばしか)」とも呼ばれます。麻疹と比べると感染力は弱く、一度感染すると高確率で抗体を手に入れます。

育児中で気をつけたい点は、ママが妊娠初期の場合です。妊娠初期の女性が風疹に感染すると、ママよりもお腹の赤ちゃんに影響を与える危険があります。

妊娠初期に風疹にかかると、絶対ではありませんが「先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)」になる可能性が極めて高いと言われています。

先天性風疹症候群がお腹の赤ちゃんに与える代表的な症状は、心奇形(しんきけい)・白内障・(はくないしょう)・難聴(なんちょう)です。

他にも目の異常では緑内障(りょくないしょう)や網膜症(網膜症)。低体重の原因にもなりかねます。そして、やっかいなことに麻疹同様に、風疹も的確な治療薬がありません。

風疹についてはこちらで詳しく説明しています→

MRの接種時期と回数

MRワクチンの予防接種は、国による公費接種が設けられています。初回が1~2歳の誕生日前日までです。そのため、1歳の赤ちゃんの誕生日がくるとに接種することの多いワクチンだそうです。

2回目は5~7歳の誕生日前日までの、小学校入学前1年間の接種です。ただし公費での接種には期限があるので気を付けましょう。

どうして2種混合なの?

MRはどうして2種混合になったのでしょうか?麻疹だけ、風疹だけとは違うのでしょうか?両方とも特効薬がないので予防はしたいものの、何度も予防接種をすることは赤ちゃんにも負担になるので混合になった経緯があります。

その背景には、女性の社会進出があります。妊娠出産で仕事を辞めるというよりも、休むほうが多くなりました。産後は育児をしながら職場復帰するママが増えたので、子どもは保育園など集団生活を早くから始めます。

感染力があって治療薬のない病気が、集団生活の中で広まることを予防する目的もあります。

どうして2回も接種するの?

MRワクチンが2回接種の理由はいくつかあります。

根絶はできないの?

麻疹・風疹は、日本ではMRワクチンの予防接種や対策が広まっています。でも、世界ではまだまだワクチンの行きとどかない地域や、流行を繰り返している地域があります。赤ちゃんを連れて海外旅行に行く時は、その地域で流行しやすい病気もチェックしてください。

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