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虫歯はどうやって進行するの?

歯がどんな状況か知るために、虫歯を分類する時によく聞く「C0」「C1」「C2」「C3」「C4」について、わかりやすく説明します。

食べ物で遊ぶ赤ちゃん

2020/12/24

虫歯を5つに分類

虫歯と一口に言っても、進行状況や症状、部位によって表現が異なります。

歯科で聞く虫歯チェックの時の「CO」「C2」などという表現は、虫歯の進行具合を簡潔に表現しています。自分の歯がどんな状況か知るためにも、虫歯を分類する時によく聞く「C0」「C1」「C2」「C3」「C4」について、わかりやすく説明します。

エナメル質が溶けても痛くない「C0」

CO

酸によって歯のエナメル質表面が溶けることは脱灰(だっぱい)と呼びます。脱灰が何度も行われて、再石灰化が間に合わないとすぐに虫歯が痛みだすとは限りません。

エナメル質が溶けだすということは、明らかに歯にダメージを受けているのですが、エナメル質の部分は神経組織と繋がっていません。だから痛みを感じないのです。

でも、エナメル質が溶けた部分は他の歯の表面とはちょっと色が異なります、白い斑点が歯の表面にあったら、痛みがなくてもエナメル質表面が溶けだして虫歯が発生するサインです。

エナメル質表面が溶けているけれど、虫歯によくある欠けた状態や穴がある状態は見られない歯は、虫歯チェックで「CO」と呼ばれます。もしも歯科で「CO」と言われたら、エナメル質に異常があると考えてください。

「CO」は、まだ歯の再石灰化ができるかもしれない状態です。だからといって安心はできません。プラークの方が優勢になってしまったら、もう再石灰化が間に合いません。

再石灰化率が低い「C1」

C1

再石灰が間に合わないまま脱灰が繰り返されると、やがてエナメル質の表面から内部にむかって脱灰が進行します。

もう唾液で表面を再石灰化しても、虫歯が内部に進行しているので目に見えない進行が続きます。本当に初期なら「CO」に戻るとも考えられますが、目に見えないので素人では判断できません。

ただ「C1」もまだエナメル質内での虫歯です。神経に届かないので痛みがなく、「ちょっと歯が変色している」と思う程度です。まだ痛くないからと放置していると、内部では虫歯が進行していつのまにか穴や歯の欠損が見つかります。

象牙質に侵入して痛い「C2」

C2

歯の表面から始まった脱灰が進行して、エナメル質内部にも虫歯が進行すると最後は象牙質(ぞうげしつ)という場所にたどり着きます。

ここまできたら、よく聞く歯の痛みが沢山あります。象牙質は神経と繋がっているのです。ここで言う神経とは体全体の神経ではありません。「歯髄(しずい)」という歯の神経です。

歯の表面から歯髄まで、水が通る穴ができていると考えてみてください。歯髄は熱さや冷たさを完治しません。歯髄まで到達した刺激は、全部痛みとして表現されてしまいます。だから水を飲むと、穴から歯髄まで水が侵入して「痛い!」と感じます。

やっかいなことに歯の表面の硬さよりも、象牙質は柔らかいので虫歯に対抗する力は弱いと考えてください。唾液による再石灰化も届きません。水が歯にしみたり、食事を噛むと痛いときは「C2」まで進行している可能性大です。

歯の神経に届いた「C3」

C3

象牙質はけっして薄い膜ではありませんが、象牙質も貫通してしまうと歯髄(しずい)という歯の神経にたどり着きます。

歯髄は、歯の象牙質を生産して、歯髄の中を走る血管によって象牙質に栄養を与えます。細菌によって働けなくなると象牙質の再生が困難になってしまいます。

歯髄が悪くなると、歯の一部が虫歯だっただけでも、その歯1本丸ごと状態が悪くなりがちです。これは栄養が行き渡らなくなって、再生機能が働いていないからです。歯の色も黒ずんでしまいます。

食べものを食べたり、熱い飲み物や冷たい飲み物で激痛を感じてしまうので、食事もつらくなります。放置していると歯髄炎(しずいえん)という炎症を起こして夜中でもジンジン痛みが続きます。

よく初期の虫歯は歯磨きで進行を食い止めると言いますが、ここまでくると進行を食い止めるどころではありません。早く歯科で専門的な処置が必要です。

歯の形がない「C4」

C4

歯髄に細菌が進むと、通常の鏡で見える歯の白い部分が再石灰化されずに溶けた状態になります。歯の形がなくなって、歯茎中の歯髄だけが残っている状態です。

私たちが見ているのは歯の上部で歯冠(しかん)と呼ばれる部分です。でも、歯冠部分がなくなっているので、外見でもわかる虫歯です。もう歯がほとんどない状態です。

C4まで進行してしまった虫歯は、抜歯も考えられ、本来の自分の歯を取り戻せる可能性がとても低い状態です。歯の根っこは、歯茎の中なので目には見えませんが虫歯は寝根っこに向かって進んでいます。歯がなくても、治療をしない限り虫歯は進んでいるのです。

放置すればするほど治療でも麻酔の効果が薄れて、痛みを感じやすくなったり歯茎に炎症をおこします。歯茎にプクッと膿が溜まってしまうこともあり、歯だけではなく歯茎への影響も心配です。

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