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新型インフルエンザと季節性インフルエンザの違い

季節性インフルエンザも新型インフルエンザも、ウイルス自体は異なりますが年々変化があるものだと思いましょう。

赤ちゃんとパパとママ

2020/12/23

新型インフルエンザと季節性のインフルエンザは同じように聞こえますが、実は全く別物です。たとえば予防接種も、新型インフルエンザと季節性インフルエンザでは異なるワクチンがあります。ほかにも根本的に異なる部分が多いのですが、症状の違いが家庭ではわからないのも事実です。

新型インフルエンザと季節性インフルエンザの違いは、診断してもらうまでわからない点があり、知らず知らずのうちに感染を広めてしまうことが心配されます。

新型インフルエンザの特徴

新型インフルエンザは毎年発生するものではありません。何十年かに1度の頻度でインフルエンザウイルスの遺伝子が変化して発生しています。

人にとっては、それまで流行していたインフルエンザウイルスに対する免疫を持っていても、新型インフルエンザの新しいタイプのウイルスには免疫がありません。そのため一気に大流行しやすい可能性の高く、世界的な流行となることも考えられるのが新型インフルエンザの脅威で、最大の特徴です。

新型インフルエンザに関しては、動物から人にうつることがあります。多くは渡り鳥や豚の間で新たなウイルスが感染し始め、新型ウイルスとして人間に感染します。ただ、毎回新しいインフルエンザウイルスが人間に感染するわけではありません。

新型インフルエンザの原因となるウイルスは最初は動物同士での感染しかしないと言われています。それは感染するウイルスが繁殖しやすい温度に原因があります。

例えば、鳥インフルエンザのウイルスが繁殖しやすいのは37~8度と言われています。人間では、最初にウイルスが入り込む場所は喉部分です。喉のウイルスが繁殖しようとする場所では、体温計で計る人間の体温よりも低い温度が保たれているので、鳥インフルエンザウイルスは人間の喉では繁殖しにくいのです。

しかし、新型インフルエンザは変化していきます。動物間で繁殖していたインフルエンザウイルスが遺伝子の変化によって33度程度でも繁殖するようになったとき、初めて人間の喉部分でウイルスの増殖が始ります。

新型インフルエンザウイルスは、それまでのインフルエンザウイルスとは別の遺伝子をもつため、急に増殖を始めた新型ウイルスへの免疫がないので症状が悪化しやすく、簡単に繁殖して流行しやすくなります。この繰り返しで新型インフルエンザはやがて、季節性のインフルエンザと変化していきます。

季節性インフルエンザの特徴

季節性インフルエンザは、毎年流行前に予防接種をしている最も知られているインフルエンザの一種です。日本では毎年冬が始まる11月から3月にかけて流行します。地域によっては集団感染も珍しくありません。流行を前に、毎年早めに予防接種を受けるように指導されています。

季節性インフルエンザの特徴は、人と人の間でしか感染しないことです。新型インフルエンザは最初は動物間での感染ですが、変化を繰り返して人間にも感染するウイルスに変わります。そして最終的には人間しか感染しないウイルスとなって、季節性インフルエンザとして毎年流行を繰り返すようになります。

季節性のインフルエンザは毎年、流行を繰り返しますがワクチンである程度の予防と悪化を防ぐ確率が上がることが最大の特徴です。ただし毎年流行しているのでワクチンを打っていても、体調の弱ったときにウイルスに感染することもあります。

新型インフルエンザのワクチン

新型インフルエンザのワクチンは流行し始めた時点では流通していない状態がほとんどです。なぜなら、新型インフルエンザに対する免疫を持つワクチンは、先ずは感染した複数の患者からウイルスを採取して、ワクチンの製造に適したウイルスを探すことから始めなければならないからです。

それから急ピッチでワクチンを製造するので、大流行するとワクチン不足が深刻な問題になります。大流行するとワクチンの製造が間に合わない場合、インフルエンザによって重症化しやすい高齢者や子ども、何らかの疾患を抱えている人などを優先して接種する順番が決まる可能性もあります。

新型インフルエンザの流行時は、ワクチンの製造がどんなに急ピッチでも需要数に追い付かないことがあります。国内生産で間に合わないと判断された場合、他国からのワクチンを輸入する措置が取られる場合があります。気をつけたいのは、ワクチンの製造過程や種類は国によって多少の違いがあることです。ワクチンだけに頼らないで、自分で体調管理と予防に気をつけることが大切です。

季節性インフルエンザのワクチン

季節性インフルエンザのワクチンは、新型インフルエンザと異なり、一定の製造期間があります。その年に流行したインフルエンザウイルスを調べて、シーズンの終わりからは翌年のインフルエンザウイルスを予測してワクチンの製造に取りかかります。

日本では、秋から冬にかけて流行し始めるサイクルに合わせて春から製造を始めるので、新型インフルエンザのワクチンよりは時間を費やして製造できます。それでも確実にワクチンでウイルスが撃退できる確約はありません。

毎年流行する季節性インフルエンザでさえ、予防ワクチンによる完全な防備は難しいとされています。それでも予防ワクチンはインフルエンザウイルスに対抗する最大の防御になるので、ウイルスに感染した場合は未接種と比べて軽い症状で治療できる可能性がかなり高いと言われています。

季節性も新型も予防は一緒

季節性インフルエンザも新型インフルエンザも予防法は一緒です。流行する時期も秋から冬が最も多いので、同じように予防接種と健康管理が最も有効的な予防法です。ワクチンは、それぞれ違うので予防接種を希望する際は、接種スケジュールを医師に相談しましょう。

ワクチンは接種したシーズンは有効ですが、次第に効果は薄まります。効果は弱まっても接種したワクチンは、免疫の1つとして体が記憶するので未接種と比べると免疫力がついている状態だと言えます。

免疫力と抗体の強さで考えれば、インフルエンザに感染して治った直後は最も免疫と抗体が強い状態だと考えられます。季節性インフルエンザも新型インフルエンザも、ウイルス自体は異なりますが年々変化があるものだと思いましょう。

インフルエンザは変化をしながら毎年流行します。私たちも変化するウイルス情報や自己管理に敏感になって、感染した時の症状や感染拡大を最小限に抑えようという気持ちが大切です。

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