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産後クライシス

産後クライシスという言葉を知っていますか?出産後の夫婦仲が悪化してしまう現象を産後クライシスと呼ぶことがあります。

寝転んで飲む赤ちゃん

2021/01/07

産後クライシスという言葉を知っていますか?産後クライシスは出産後の夫婦仲が悪化してしまう現象です。新生児期は赤ちゃんとの生活でいっぱいいっぱいですが、夫婦間の繋がりについても考えてみましょう。

産後クライシスとは

産後クライシスとは、出産後に夫婦仲が悪くなったり信頼関係が崩れてしまう現象のことです。もともとはテレビ番組でつくられた造語ですが、実際に産後は夫婦中に変化がおこりやすく、悩んでいる家庭も多いようです。

産後クライシスの原因

産後クライシスの原因ははっきり定められていません。ここでは妊娠・出産を経験した新生児期の育児ママ目線で、産後クライシスの原因を客観的に考えてみます。

父親、母親になる不安

妊娠中は家族が増える喜びが目立っていましたが、出産を経験して家族が増えることに加えて、赤ちゃんの親になる現実的なプレッシャーを強く感じることがあります。

父親、母親になる不安から余裕がなくなって、相手の気持ちにたって考えることができなくなってしまいます。相手の気持ちがかわらなくなると距離を感じてしまうものです。

ホルモンバランスの変化で攻撃的に

育児ストレス

産後の母乳を生成するために必要な女性ホルモンの影響で、ママが攻撃的な考えかたになることがあります。妊娠中からイライラや、気分の上がり下がりが激しかった場合はその頃から夫婦の関係に変化が起きていることも。

新生児期のママは産後のホルモンバランスの変化に対応する余裕も時間もなく、ついつい攻撃的に会話してしまうこともあります。

これは良く言えば、赤ちゃんを守り育てるために強い女性になることでもありますが、一緒にいるパパにとっては受け入れがたいことです。産後、急に理解を示してくれなくなったり意見するママに驚いてしまいます。

ただ、ホルモンバランスの変化はママが意図的にしていることではありません。パパには、妊娠・出産でおこる生理的なものだと理解してほしいです。

育児参加への不満

パパのミルク

産後のママは朝から晩まで赤ちゃん優先で生活しています。生活そのものが赤ちゃんを主体に回っています。ところがパパは仕事で毎日外出もします。仕事をする限り、赤ちゃん優先で過ごすことが不可能なパパもも多く見られます。

新生児期のママにしてみれば、1~3時間おきにおこされる授乳タイムに「私は仕事もやめて、全てを赤ちゃんに捧げて生活しているのにパパは違う」と不満を感じてしまいます。

パパにしてみれば「できる限り育児参加したいけれど、ずっとは不可能だ」とママの要求全てには答えることができないのが現実です。すっかり生活リズムの変わってしまったママにしてみれば、産前から変わらない生活をしているように見えるパパのことが不満にうつるものです。

自分と同じように育児に携わってほしいというママの希望と、現実のギャップが大きいほど不満を感じてしまいます。

不思議なことにママは妊娠・出産時の不満やショックだった出来事は忘れられないことが多いものです。この不満をことあるごとに思いだしてしまい、パパへの愛情が減少してしまうケースもあります。

でもパパも父親になる覚悟をしているのです。しっかり話し合えば伝わることも、新生児期は授乳間隔も短く赤ちゃんから手が離せないので、溝を埋める機会が見つかりません。

育児に関する不満は、子育てが続く限り消えないので産後クライシスが悪化する可能性も考えられます。

妊娠・出産で価値観がかわる

妊娠・出産でお互いの夫婦にたいする価値観や、家庭にたいする価値観が変化することで「なにを重要視するのか」にズレが生じます。

「産後も自由な時間を過ごしたい」「産後は自由な時間がなくなるもの」というように、夫婦で価値観が変わると相手の話しに同調できなくなり、会話が楽しくなくなることがあります。

相手の話に同調できなかったり、反論したくなるほど愛情も感じにくくなってしまいます。これがきっかけで産後クライシスが長引くことも心配です。

お互いの歩み寄りが必要

もしも産後1ヶ月以内に、パートナーに強い不満を感じたら産後クライシスのきっかけになる可能性があります。そんなときは時間をおいて、歩み寄る機会をつくってみましょう。一時的な感情に流されずに、もう少し授乳時間が長くなって、睡眠時間がまとまってから考えなおしたり話し合うことをおすすめします。

新生児期はホルモンバランスも安定せず、ママの精神状態も不安定です。その場の感情で相手を傷付けそうになったときは、赤ちゃんの良いところや成長している話しに切り替えてみましょう。

産後クライシスと聞くと構えてしまいますが、落ち着いて時間をかけて向き合うことで、夫婦間のすれ違いを縮めることは可能だと考えています。

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